公務員の懲戒 意外と軽く見える処分内容

刑事処分と懲戒処分の重さは、必ずしも一致しません。むしろ、刑事処分の方は罰金や不起訴等のある程度温情的な処分がされる一方、懲戒処分の方がむしろ重くなって懲戒免職まで言ってしまうということが珍しくありません。
今回は、懲戒処分の方がむしろ意外と軽いと思えそうな例を紹介したいと思います。
実際の事例
警視庁の40代の男性警部が靴に隠したペン型のカメラを使って女性のスカートの中を撮影したとして書類送検されました。
(中略)男性警部は5月、東京・目黒区自由が丘の路上で、靴に隠したペン型のカメラを使って女性4人のスカートの中を撮影した疑いがもたれています。
捜査関係者によりますと、男性警部は同じ日に渋谷区の商業施設で女子高校生のスカートの中を撮影していたところを目撃者に取り押さえられました。
女子高校生が被害を申告しなかったため、任意で捜査したところ、ほかの女性4人への盗撮の疑いが発覚したということです。
警視庁は男性警部を書類送検し、減給6カ月の懲戒処分にしました。
(後略)
(https://news.yahoo.co.jp/articles/98b69db2ebdc8817558ec3e36dc20a164e4b1cfe Yahoo!ニュース 令和7年7月13日閲覧。)
関係法令
上記の行為自体が性的姿態等撮影罪にあたるのは迷いが無いと思います。
刑事罰自体は3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金ですが、情状や弁償などによっては不起訴になる可能性もあります。
懲戒基準
警察官の懲戒基準は以下の通りです。
https://www.npa.go.jp/laws/notification/kanbou/jinji/jinji20230707.pdf
(令和7年7月13日閲覧)
性的姿態等撮影罪やのぞきについては、免職、停職又は減給となっています。
国家公務員の懲戒基準は以下の通りです。
https://www.jinji.go.jp/seisaku/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html
(令和7年7月13日閲覧)
停職又は減給、となっています。
なぜ減給の処分にとどまったと考えられるか
処分基準を確認したところ、警察官の場合は同じ盗撮行為でも免職まで処分の幅があり、一件警察官の方が処分が重くなるようにも思えます。最近の感覚では一般の公務員の方が長めの停職や場合によっては免職になるなど、一般の公務員の方が重い処分になっているのではないかとも考えられます。今回取り上げた事例だと、懲戒を受けた警察官の方は警部という役職にもあり、減給6カ月というのはかなり軽い印象を受けます。
考えれられるところとしては、事件として特定できる件数が比較的少なかったというような理由や、被害届が出ていなかったという理由がまず考えられます。次に考えられるのが、当然に依願退職をすることが予定されており、当該警察官の方も処分後に依願退職をする前提で反省を伝え、処分自体は軽くなった、という理由です。警察官については一般の公務員以上に法律を守ることが求められる関係から、後者の理由の方が強く働いたのではないか、と考えられます。
まとめ
職種や事件後の動き、聴き取りの準備の程度によっては、処分軽減の可能性もあることをお分かりいただけたのではないかと思います。
処分軽減や、処分回避に関心がある方は、一度弁護士の相談に来ていただくことをお勧めします。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が、全力でサポートいたします。
