事件別―薬物犯罪

事例

国家公務員であるAさんは、職場や家庭での悩みを抱えており、度々、インターネット上でバイヤーから大麻を購入し、使用していました。Aさんは、この日も大麻を購入し、指定されたコンビニの駐車場で大麻を受け取りました。

その後、Aさんはすぐにでも大麻を吸いたくなったため、近くの公園に立ち寄ったところ、たまたま近くを通った警察官に声を掛けられ、職務質問と所持品検査を受け、大麻を所持していたことが発覚し、現行犯逮捕されました。なお、Aさんは、薬物に関する前科はありません。(フィクションです)

解説

⑴ 大麻取締法違反の成立

大麻を所持することは、大麻取締法24条の2第1項にて刑罰の対象とされています。その法定刑は、5年以下の懲役とされています。

Aさんは、正当な理由(たとえば医療目的など)もなく、大麻を所持していることから、大麻取締法違反の罪が成立します。

大麻取締法では、所持の他に、正当な理由もなく、大麻を栽培したり、輸出入すること(同法24条1項)、譲り受けたり、譲り渡したりすること(同法24条の2第1項)など、大麻に関し様々な規制を設けています。

⑵ 逮捕される可能性が高い

事例ではAさんは現行犯逮捕されています。

大麻取締法違反を含む薬物犯罪をしてしまった場合、そもそも薬物犯罪が重大な犯罪であり、共犯者や事件関係者の存在を疑われる可能性が高いため、逮捕される可能性が高いといえます。逮捕された場合、一定期間、仕事を休まざるを得なくなりますし、報道される可能性もありますので、職場に知られる可能性があります。

こうした状況を回避するために早期に釈放を目指す必要がありますが、釈放される可能性があるかどうか、釈放される可能性があるとしてどのようなことをすれば釈放され得るのかは事案に応じた検討が必要になります。

薬物犯罪で逮捕された(又は、身内が逮捕された)といった場合には、早期に一度弁護士に相談する必要があります。

⑶ 懲役刑となる可能性が高い

先ほど話したように、Aさんには大麻取締法違反が成立し、その法定刑は5年以下の懲役とされていますので、起訴され、有罪となると、執行猶予が付くかどうかという点はあるにしても、懲役刑が科されます。

Aさんのように公務員の場合、懲役刑が科されると、仮に執行猶予が付いたとしても、欠格事由に該当し、公務員の職を失います(国家公務員法76条、38条1号。地方公務員については地方公務員法28条4項、16条1号を参照)。

そこで、薬物犯罪の容疑を掛けられた場合、まずは、薬物犯罪が成立するのかどうかを検討し、不起訴ないし無罪を獲得することができないかを十分に検討する必要があります。

⑷ 懲戒処分を受ける可能性がある

Aさんのように、公務員の場合、欠格事由とは別に、懲戒処分を受ける可能性があります(国家公務員法82条1項3号。地方公務員については地方公務員法29条1項3号を参照)。

国家公務員の場合、懲戒処分の基準として、人事院事務総長が「懲戒処分の指針」(平成12年3月31日職職―68)というものを発しています(地方公務員の場合、基本的に各都道府県ごとに基準が定められています)。

この指針において、「麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。」(第2・3⑽)とされています。そこで、Aさんが、仮に、欠格事由には当たらない場合であっても、こうした処分を受ける可能性があります。

ここで注意すべきなのは、刑事責任については、不起訴かどうかは検察庁が、無罪かどうかは裁判所が判断するのに対し、懲戒事由に該当するかどうかは任命権者が行うものなので、事実認定が同じになるとは必ずしも限りません。

場合によっては、不起訴や無罪がどのような理由に基づくものなのかを、任命権者に対して説明する必要があるかもしれません。

そこで、薬物犯罪の容疑がかかったり、薬物犯罪をしてしまったという場合、刑事処分だけでなく、公務員の地位に関してどのような対応をしていくか、なるべく早い段階で弁護士に相談をし、アドバイスをもらう必要があります。

最後に

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を中心に扱う弁護士が依頼者に分かりやすくサポートします。

薬物犯罪をしてしまい、今後どのような対応をすべきかご心配な公務員の方は、まずは弊所までご相談ください。

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