
公務員の方であれば、自転車の飲酒運転が最近になって刑罰の対象になってきたこと、特にここ数カ月、自転車の飲酒運転での懲戒処分が多くなされていることは御存知ではないかと思います。
今回は、自転車の飲酒運転の事例について検討します。
実際の事例
長野県教育委員会は、自転車の酒気帯び運転の疑いで警察に検挙された北信地区の小学校の養護教諭を停職1カ月の処分としました。
(中略)2軒の飲食店で飲酒した後、自転車を運転。警察官に呼び止められ、酒気帯び運転の疑いで検挙されました。
始めは自転車を押して歩いていましたが、「早く帰りたい」との理由で自転車に乗ってしまったということです。
県教委は、児童生徒を指導し、模範となるべき立場にある教育公務員と極めて不適切であり、教育に対する社会的信頼を著しく損なうものであるとして、養護教諭の女性を停職1カ月の処分としました。
なお、養護教諭の女性は6月、長野簡易裁判所から道路交通法違反(自転車の酒気帯び運転)の罪で罰金10万円の略式命令を受け、納付しました。
(Yahoo!ニュース。令和7年9月19日閲覧。)
関係法令
上記の行為に関して、2軒の飲食店で飲酒をしていたことから、アルコールの数値もそれなりの数字になっていたこと、お酒を飲んでいることを忘れていなかったこと、お酒の影響があることが当該養護教諭の女性からしても良く分かっていたことが考えられます。
そうなると、自転車の酒気帯び運転(あるいは酒酔い運転)の罪が成立することにおそらく争いはありません。
処分基準に関しては、以下のようになっています。
懲戒基準
長野県の教職員懲戒基準は以下の通りです。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyoiku02/kyoshokuin/shishin/chokai/documents/chokaishishin050824.pdf
(令和7年9月18日閲覧)
酒気帯び運転をした職員 免職又は停職
となっています。
ただし、上記の懲戒基準においては、自転車であるのか、自動車であるのかについての区別は見当たりませんでした。
懲戒処分の改訂が遅れているだけなのか、それとも自転車であっても自動車と同じ処分を下す可能性を残すために意図的にそうなっているのかは不明ですし、自動車か自転車かの区別をする運用なのかは自治体等によっても異なると考えられます。
処分軽減のために出来ることは何か
まず、上記のように、自治体として自転車の飲酒運転に対する態度が定まっていないところもあるでしょう。その場合、当該案件に特有の事情に加えて、自動車の場合との区別をすべきであることを訴えていくことが有効です。弁護士、特に刑事弁護を豊富に扱っている弁護士は、そういった制度の目的や射程に即した議論が得意です。
他方、自転車の飲酒運転についても自動車と同じように処罰するべきであるというような態度の自治体も有り得ます。
この場合、処分が軽くなるように活動を行っていくことはもちろんですが、それでも重い処分がなされてしまう可能性が出てきます。そうなると、処分取り消し訴訟などで戦っていく必要があり、基本的には弁護士を代理人にすることになります。
いずれにしても、自転車の飲酒運転に対しては厳しい態度で臨むことが社会全体の流れとなっていますので、処分軽減に向けては弁護士への相談や依頼を検討するべきでしょう。
まとめ
自転車での飲酒運転については懲戒処分での扱いも厳しくなっている流れですし、懲戒処分においては個別の事情に関する主張も重要です。
処分を軽減するためにどうすれば良いかお悩みの方は、一度弁護士へ相談に来ていただくことをお勧めします。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が、全力でサポートいたします。
