1.発覚の経緯
犯罪が捜査機関に発覚する原因、いわゆる捜査の端緒は様々です。
犯罪被害者による被害届の提出はもちろんのこと、警察官による職務質問(警察官職務執行法2条1項)から事件が発覚することもあれば、犯罪行為に及んでしまった方が自首(刑事訴訟法245条)をすることで発覚することもあります。
捜査機関への通報も典型的な捜査の端緒になります。路上での人身事故を目撃した人による通報や、被害者から痴漢被害の申告を受けた鉄道会社による通報などがその例です。
捜査の端緒の一つに告発(刑事訴訟法239条1項)があります。告発は事件を起こした本人による自首や被害者による告訴(刑事訴訟法230条)とは区別され、第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求めることを指します。
2.犯罪が発覚した場合
刑事事件を起こしてしまった場合、真っ先に懸念されるのは、警察に犯罪事実が発覚するか否かであると思われます。捜査機関が介入した場合、
- 警察官に逮捕(刑事訴訟法199条1項)される
- 検察官に起訴(刑事訴訟法247条)されて刑事裁判を受けることになる
といった不利益が生じるおそれがあります。
しかし先ほども述べたとおり、捜査の端緒は複数考えられるため、起こしてしまった刑事事件が捜査機関に発覚するか、その可能性がどれほどあるかを自ら判断するのは困難です。安易に警察へは発覚しないだろうと考えて放置してしまうと、ある日突然逮捕されてしまうということもあり得ます。
犯罪が捜査機関に発覚するかの正確な見通しを立てるには、刑事事件の取扱いに長けた弁護士に相談することが重要です。早期に弁護士に相談をすることによって、その後の取調べへの対応や自首に向けた準備を円滑に進めることもできます。
3.公務員が刑事事件を起こしてしまったら
公務員の方が刑事事件を起こしてしまった場合は、
- 逮捕された際に氏名や大まかな住所地にとどまらず、詳細な所属先まで報道されてしまうリスクがあること
- 事案によっては内部告発(公務員の告発義務について刑事訴訟法239条2項)が捜査の端緒になり得ること
- 刑事処分の内容如何によっては当然に失職すること(国家公務員法76条,同38条1号。地方公務員法28条4項,同16条1号)
なども考慮する必要があります。
それゆえ、刑事事件を起こしてしまった公務員の方は、速やかに弁護士に相談することが肝要です。とりわけ内部告発については、その性質上、秘密裏に行われるため、自己判断で刑事事件化しないと決めつけてしまうのは危険です。
弁護士へ早期に相談・依頼を行い、内部告発リスクが具体的にどの程度ありそうかといったアドバイスを受けるとともに、場合によっては自ら所属先に申告し、刑事事件化や懲戒処分がされない方向で交渉を行っていくため、内部調査でどのようなことを話すべきかといった事前打ち合わせを行うといった弁護活動が重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に扱う弁護士事務所として、これまで数多くの弁護対応を手掛けてきました。
公務員の方が直面する特有の問題についても、懇切丁寧な助言とサポートを行います。初回の法律相談は無料で行っていますので、捜査機関への発覚が心配な方は、まずはご相談ください。