公務員が犯罪などを行ってしまった場合、懲戒処分を受ける可能性があります。
公務員への懲戒処分は、犯罪などを行った公務員に対して、任命権者が公務員関係における秩序を維持する目的のため、公務員に科する処分です。
懲戒事由
公務員の懲戒事由は、主に以下の3つです(国家公務員法第82条第1項・地方公務員法第29条第1項参照)。
・職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
・全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合
公務員犯罪との関係では、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」が問題となってきます。
懲戒処分の中身
懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告があります。
免職は、職員の身分を剥奪し、公務員関係から排除する処分です。
失職することになります。
停職は、一定の期間、職員としての身分を保有させたまま職務に従事させない処分です。
その間の給与は支払われません。
減給は、一定の額を給与から減額する処分です。
経済的な不利益を受けることになります。
戒告は、その責任を確認し、将来を戒める処分です。
注意されることになり、懲戒処分を受けた事実が残ることになります。
懲戒処分を受けると、期末・勤勉手当、退職手当、昇任、昇格、昇給などにも影響します。
懲戒処分にはあたらなくても、職員の自覚と反省を促すための実務上の措置として、訓告、厳重注意、口頭注意、等が行われることがあります。
懲戒処分は、公表されることがあります。
懲戒処分の手続は、懲戒処分書と処分説明書を併せて職員に交付することになります。
懲戒処分の効力は、職員に懲戒処分書を交付したときに発生します。
具体的な懲戒処分の内容の決定
職員に懲戒事由があるときに、懲戒処分を行うか、いかなる懲戒処分を選ぶか、については任命権者・懲戒権者の裁量に任されています。
人事院では、懲戒処分がより一層厳正に行われるよう、任命権者が懲戒処分に付すべきと判断した事案について、処分量定を決定するに当たっての参考に供することを目的として、懲戒処分の指針が示されております。
具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとされます。
公務員犯罪と懲戒については、こちらの記事もご覧ください。
おわりに
公務員が犯罪を行ってしまったらすぐにご相談ください
公務員が犯罪を行ってしまった場合、懲戒処分などによる悪影響は他の一般の人よりも大きいです。
出来るだけ不利益を小さくするために、早期に弁護士に相談しましょう。
捜査・取調べへの対応や、被害者への対応などについて、具体的にどのようにすればいいか、懇切丁寧に説明させていただきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの公務員の方々の相談に対応し、事件を扱ってきました。
中には、事件が発覚してしまったショックで、思考停止に陥り、時間が経過するまま対応を放置するような人もいます。
時間が経てば経つほど状況は不利になっていく可能性が大きいですので、なるべく早い対応が必要になってきます。
ご本人だけの問題ではなく、ご家族にも悪影響が大きくなってしまいますので、なるべく早くご相談ください。
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