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公務員と痴漢ー公務員が痴漢をしてしまった場合に成立する犯罪について解説

公務員の方で、痴漢事件を起こしてしまい、当事務所に相談・依頼されるケースが少なくありません。
日頃のストレスから、常習的に電車内等で行ってしまっている方もいます。
アルコールで酔ってしまい、女性に痴漢をしてしまうこともあります。
迷惑防止条例違反
いわゆる痴漢としては、各地方公共団体で作成されている条例の迷惑行為防止条例違反が問題になりやすいです。
服の上からでもお尻を触ったりするときに問題となります。
例えば、北海道迷惑行為防止条例では、以下のように規定されております。
「(卑わいな行為の禁止)
第2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
(罰則)
第11条 第2条の2、第6条又は第9条第1項の規定のいずれかに違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 常習として、第2条の2、第6条又は第9条第1項の規定のいずれかに違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」
不同意わいせつ罪
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪(刑法第176条第1項)が成立します。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
いわゆる痴漢としての不同意わいせつ罪は、服の上からでも胸や女性器等を触った場合に問題となります。
6月以上10年以下の懲役刑に処されることになり、罰金刑はありません。
痴漢事件を起こしたら
痴漢をしてしまったら、現行犯であればその場で逮捕、もしくは後に自宅や職場に警察官が来て令状逮捕されることがあります。
逮捕・勾留により、長期間身体拘束される可能性があります。
公務員という立場を重視され、一般の人では実名報道されないとしても、公務員として実名報道されてしまうことも少なくありません。
起訴されて刑事裁判を受けることになり、懲役刑の刑事処分となったら、執行猶予が付いたとしても自動失職となってしまいます。
不同意わいせつ罪では罰金刑がないため、基本的に起訴されて正式裁判となります。
迷惑行為防止条例違反で略式罰金処分となったとしても、勤務先から懲戒処分を受けることになります。
人事院が公表している「懲戒処分の指針について」では、「公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。」と規定されております。
地方公共団体の場合さらに厳しい基準が設けられており、免職となることも多々あります。
痴漢事件を起こしてしまった公務員の方は、ぜひ早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談してください。
初回面談は無料です。
逮捕された場合は、有料の初回接見サービスがありますので、ご依頼いただけたらなるべく早く対応させていただきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務員の痴漢事件をこれまでに多数扱ってきました。
経験と実績が豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にぜひご相談ください。
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公務員と公文書の保護-公務員の公文書の保護や違反した場合の刑罰について解説

神戸連続児童殺傷事件の裁判記録が破棄されていたことが発覚するなど、重要な公文書が内容を改ざんされていたり、破棄されていたことが問題となっています。
ここでは、公文書の保護について解説します。
行政における公文書の保護
公文書等の管理に関する法律は第1条で「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」としています。そして、行政文書の管理について、保存(第6条)や移管・廃棄(第7条)などについて定めています。もっとも、この法律に違反したからといって、罰則はありません。
公務員については、文書の破棄などをすると、懲戒処分の対象となります。国家公務員に関する「懲戒処分の指針」の「第2 標準例 1 一般含む関係」では、次のとおり定められています。
(13) 公文書の不適正な取扱い
ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。
イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。
ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
裁判所における文書の保護
行政以外の公文書の保護については、三権の独立の観点から、それぞれ独自に定めています。公文書等の管理に関する法律でも、附則抄第13条で「国会及び裁判所の文書の管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。」としています。
裁判所の文書の管理については、最高裁判所が定めています。
参照
その他「司法行政文書の管理」についてはこちらをご覧ください。
裁判所の職員が違反した場合、国家・地方公務員とは別に、裁判所が自らの指針・基準にのっとって懲戒処分を行います。
公文書を破棄した場合の刑罰
公文書の破棄や改ざんについては、一般的な事件と同じく刑法により処罰されます。
公用文書等毀棄罪
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、公用文書等毀棄罪に当たり、3月以上7年以下の懲役に処されます(刑法第258条)。
公文書偽造等罪
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書を偽造した者は、公文書偽造罪に問われ、1年以上10年以下の懲役を科されます(刑法第155条第1項)。公文書を変造した者も、同様に処罰されます(刑法第155条第2項)。
無印公文書を偽造又は変造した場合は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます(刑法第155条第3項)。
虚偽公文書作成等罪
公務員が、自分自身で作成できる文書であっても、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造した場合は、虚偽公文書作成罪(刑法第156条)が成立します。有印公文書の場合、1年以上10年以下の懲役に処されます。無印公文書の場合、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます。
公文書偽造等罪は公務員以外でも犯すことができますが、虚偽公文書作成罪自体公務員でなければできない犯罪です。もっとも、公務員と共同して罪を犯したのであれば、公務員の身分がなくても、共犯となります(刑法第65条第1項・60条)。
まとめ
公務員は公文書について厳正に保存せねばならず、意図的に廃棄したり改ざんすれば、重い刑罰や懲戒処分を受けることになります。
公務員の方で公文書の保護についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員が盗撮事件を起こしてしまったらぜひご相談をー公務員が盗撮事件を起こした場合について解説

公務員が盗撮事件を起こしてしまう事件が少なくありません。
当事務所でも、多数の公務員の盗撮事件のご相談・ご依頼が来ております。
公務員というお仕事はストレスが多く、うつ病のような症状が出て、ストレス解消のために盗撮を繰り返してしまうケースがあります。
性欲だけが犯行の原因ではないことが多いです。
性的姿態等撮影罪
「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」において、「性的姿態等撮影罪」が規定されております。
性的姿態等撮影罪の主なものは、やはり盗撮です。
正当な理由がないのに、ひそかに、性的姿態等のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いた対象性的姿態等を撮影する行為をしたら、性的姿態等撮影罪が成立します。
性的姿態等は、以下のものをいいます。
・人の性的な部位である性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部
・人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるもの)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
・わいせつな行為又は性交等(性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)がされている間における人の姿態
未遂も罰せられます。
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。
つまりは、盗撮して人の裸や下着を撮影したら犯罪として処罰されることになります。
盗撮事件が起きたら
盗撮事件が発覚したら、逮捕される可能性があります。
逮捕されたら、長期間身体拘束されるかもしれません。
公務員という立場を重視され、実名報道されることもあります。
職場に知られ、懲戒処分を受けることになります。
前科のある常習者は、起訴されて正式裁判となり、執行猶予が付いたとしても懲役刑を受けて、自動失職となります。
人事院が発表している「懲戒処分の指針について」では、盗撮行為について以下のように規定されております。
「盗撮行為
公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。」
弁護士に相談を
盗撮事件が起きたら、捜査機関の取調べを受けることになります。
きちんと取調べに対応して、問題のある調書が作成されないようにしなければなりません。
逮捕・勾留されたら、釈放を求めて身体拘束解放活動をすることになります。
証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張することになります。
そして何より、被害者との示談交渉をすることになります。
謝罪と示談金の支払いをし、示談が成立したら、不起訴となる可能性が高まります。
懲戒処分の可能性を見据えて、病院への通院や家族の監督等、再犯防止を含めた対応を検討することになります。
これらはいずれも迅速に対応しなければなりません。
人生に大きな悪影響が生じてしまうかもしれませんので、慎重な対応が必要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの公務員事件や盗撮事件を扱って解決に導いてきました。
公務員としての地位を踏まえて、盗撮事件で具体的にどのような対応が必要かを心得ております。
まずは無料の面談を受けてみてください。
逮捕されたら、ご家族の方はまずは有料の初回接見をご依頼ください。
懇切丁寧にご対応いたします。
刑事弁護はスピードが重要となりますので、なるべく早くご連絡ください。
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公務員の盗撮事件ー公務員が盗撮をした場合に成立する犯罪と懲戒処分について解説
公務員の懲戒免職-公務員が非違行為を起こして懲戒免職になるケースについて解説

公務員は全体の奉仕者であり、国民生活を守る立場にあります。このような公務員が違法な行為をすることは、国民の信頼を裏切ることになります。公務員が違法な行為をした場合、懲戒処分を受け、場合によっては懲戒免職と言う厳しい処分が下されます。
ここでは、公務員が懲戒免職となるケースについて解説します。
懲戒免職
公務員の懲戒処分に関して、国家公務員では、人事院が「懲戒処分の指針」を定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。
「懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。
第1 基本事項
本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。
具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。
地方公務員については、各地方公共団体が懲戒処分の指針について定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。
窃盗
公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となりました。サイズが少し大きいだけで処分が重すぎるなど、懲戒免職が重すぎるという批判もあります。
しかしながら、窃盗罪自体、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)という、重い刑罰が定められている犯罪です。
人事院の「懲戒処分の指針」でも、「他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。」とされています。
痴漢・盗撮
痴漢行為や盗撮行為については、国家公務員の「懲戒処分の指針」では、停職又は減給と定められています。
しかし、地方公務員については、各地方公共団体の定める指針では、免職まで含めている場合が多いです。
参照:「さいたま市職員の懲戒処分の指針」について
実際の処分についても、近年では基本的に免職とされています。
刑罰としても、痴漢は態様によっては迷惑防止条例違反では済まず、不同意わいせつ(刑法第176条第1項第5号)にあたり、6月以上10年以下という重い刑罰を科されます。
盗撮についても、迷惑防止条例違反だけでなく、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影処罰法)の違反(性的姿態等撮影罪)に該当すれば、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という重い刑を科されます(同法第2条第1項)。
交通違反
交通違反の中でも、飲酒運転は特に重い懲戒処分が下されます。また、事故後の措置義務違反は、公務員が保身に走ったとして、重く処分されます。
国家公務員に関する「懲戒処分の指針」でも、
○酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
○酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
○飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。
○人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
○人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
と定められています。
飲酒運転や措置義務違反をすると、重い懲戒処分を下されます。
まとめ
このように、公務員の懲戒処分は、想像よりも重く定められています。
公務員の方で懲戒処分についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員のコンビニコーヒー窃盗事件-公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説
公務員と薬物-公務員が薬物事件を起こしてしまった場合の流れについて解説

覚せい剤、コカイン、大麻などの違法薬物については、使ったり、所持したりすることが法律で禁止されています。一般の人でも、このような違法薬物の所持、使用で検挙されて有罪となった場合、当然ながら刑罰を受け、場合によっては職場を解雇されたり、事件が実名報道されてしまうかもしれません。
では、公務員が薬物事件を起こした場合に、一般の人と違うところや一般の人よりも気をつけるべきことはあるのでしょうか?
以下、公務員が薬物事件を起こしてしまった場合の流れや対処について説明します。
事案
国家公務員Aさんは、普段は真面目に仕事をしているものの、数年前に悪い友達から誘われたのをきっかけに、覚醒剤を使用するようになっていた。だいたい、1カ月に2回くらいの頻度で、覚醒剤をあぶって吸引する方法で使用していた。
ある日、Aさんは、覚醒剤を使っていた仲間の一人が逮捕されたことを知った。その仲間の一人が自分のことを警察で話すかどうかは分からないが、絶対に話さない保証はないとAさんは思った。また、その仲間の携帯電話に、覚醒剤に関するAさんとのLINEメッセージが残っていることは明らかだった。
ある日、自分も捕まるのではないか、と心配になったAさんは、今後の対応について相談をするため、法律事務所を訪れた。
(上記はフィクションであり、弊所を含めた特定の法律事務所や、特定の人物、団体等とは一切関係ありません。)
関連法令
第四十一条の二 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
3 公務外非行関係
(10) 麻薬等の所持等
麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。
(欠格による失職)
第七十六条 職員が第三十八条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、人事院規則で定める場合を除くほか、当然失職する。
(欠格条項)
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則で定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(降任、免職、休職等)
第二十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、
4 職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
まず、覚醒剤を自分が使うために所持していた、譲受をした、と言う場合、多くは執行猶予付きの懲役刑となります。つまり、覚醒剤を所持、譲受をしただけでは、基本的に直ちに刑務所に行くことはありません。また、起訴された後は、保釈と言って、保釈保証金を用意できれば起訴後比較的早い段階で留置場から出ることもできるでしょう。
しかし、懲戒処分の指針によれば、薬物の所持等は免職になります。法定刑には懲役しかないので、裁判で有罪となれば国家公務員でも地方公務員でも当然失職となります。
これに加えて、一般人ならば、薬物の単純所持や譲受だけでは報道などをされる可能性が低いですが、公務員であれば、報道がされてしまう可能性が非常に高くなります。
対処法
一般の方でも、刑事裁判にかけられて有罪となってしまえば、仕事をクビになることは多いかもしれません。今回のようなケースだと、公務員の方に特有のリスクとしては、むしろ報道なのかもしれません。裁判の場でも、「公務員という法を特に遵守すべき立場にあったのにもかかわらず、犯罪行為をしたことは厳しい非難に値する」などと言われてしまい、一般の人よりも量刑が重くなる可能性がありますが、余程所持量が多くない限り、本来執行猶予となるものが実刑とまでなってしまう可能性は高くありません。
実名報道を防ぐという意味では、逮捕・勾留されてしまう前に退職する等の方法のほか、弁護士の方から実名報道を防ぐよう捜査機関等に働きかけるというのが考えられます。個別の事案によってその他に有効な方法があるかも知れませんので、一度弁護士に相談をすることをお勧めします。
もちろん、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談・ご依頼いただければ、身柄解放、裁判対応などについても、十分な質と量をご提供することができます。
刑事事件、薬物事件を起こしてしまってお悩みの公務員の方や、そのご家族の方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の懲戒処分の流れー公務員が罪を犯した場合の懲戒処分の内容や手続きの流れについて解説
賄賂(わいろ)って何?ー公務員の賄賂罪について解説

刑法197条1項前段は、「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。」としています(単純収賄罪)。
このブログでは、刑法でいう賄賂とは、どういうものを指すのか解説します。
【賄賂の目的物】
賄賂とは、公務員の職務行為に対する対価としての不正な報酬をいいます。
賄賂の典型的な目的物としては、金銭が真っ先に思いつくでしょうし、ニュースでは職務行為の対価として物品を受取ったという収賄罪の事案もよく見かけます。
それでは、形が無いものについてはどうなのでしょうか。
判例によれば、「賄賂は、財物のみに限らず、又有形たると無形たるとを問はず、苟も人の需用若くは慾望を充たすに足るべき一切の利益を包含するものとす」とされています。
判例が賄賂になるとしてきた利益には、債務の肩代わり、芸者の花代などの饗応接待、ゴルフクラブの会員権、値上がり確実な未公開株式を一般人では買えないような公開価格で取得できる利益、思うように土地を売却できない状況で土地を時価相当額で買取ってもらった場合の換金の利益といった財産的利益のほか、就職のあっせんの約束、異性間の情交などがあります。
【社交儀礼の贈与は賄賂にあたるのか】
日本には、お中元、お歳暮などの季節の贈り物、手土産、餞別、お祝いといった様々な呼び方での贈答が文化としてあります。
このような社交儀礼としての贈与は、賄賂にあたるのでしょうか。
例えば、贈与が多少公務員の職務と関連していても、受取る側の公務員が、送った側の人との間で元々私的な交友関係があり、主にそのような関係に基づきされた贈与であれば、賄賂にはあたりません。
問題となるのは、職務行為との対価関係はあるけれど、贈り物の金額、価値といった程度が社交儀礼の範囲にとどまる場合です。
判例は、社交上の儀礼程度の中元・歳暮といった贈物であっても、職務に関して収受される以上、収賄罪が成立するとし、基本的には、職務行為との対価関係さえあれば、金額の多寡を問わず社交儀礼程度の贈与も賄賂にあたるとしてきました。
なお、公立中学校の教諭が新しく担任となった生徒の親から、5000円分の贈答用小切手を受取った事例で、最高裁は、その親が元々季節の贈答や学年初めの挨拶を慣行としていたことから、この小切手の贈与は父兄からの慣行的儀礼として行われたと考える余地があり、担任教諭としての教育指導という職務行為そのものに関する対価的給付と断ずることはできないとし、収賄罪の成立を否定していますが、この判例は、贈り物の金額が社交儀礼の範囲にとどまるからということだけでなく、父兄の慣行などの諸事情を考慮し、職務行為に対する対価であることを否定したものと思われます。
【政治献金と賄賂】
一般的に政治献金と言われる、政治家個人や、後援会・政党といった政治団体への寄付は、時に賄賂との境界が問題となります。
金品を受け取った側が、「政治献金として受取ったので、賄賂ではない」と主張することはよくあります。
政治献金が賄賂にあたるか否かの問題は、寄付の目的・趣旨、金額、人的関係等の諸事情を考慮した上で、結局は、政治家の職務との対価関係があるか否かがポイントとなります。
判例は、献金者の利益にかなう政治活動を一般的に期待して行われるだけなら賄賂にはあたらないとする一方、政治家の職務権限の行使に関して具体的な利益を期待する趣旨なら賄賂にあたるとしています。
なお、政治献金については、政治資金規正法により、寄附者が個人か企業などの団体か、寄附先が政治家個人か政党等の政治団体かに応じた規制や、届出の義務などの規制がされており、この点からも注意が必要です。
【収賄罪関係でご心配の際は】
他人から受取る金品そのほかの利益が賄賂にあたるかどうかは、時に判断が難しいことがあります。
賄賂を受取ってしまったのではないかとご心配の方、賄賂とは思わず受取ったものが賄賂にあたるとして収賄の容疑をかけられた方は、専門的見地からのアドバイスができる弁護士にご相談ください。
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公務員のコンビニコーヒー窃盗事件

公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となっています。ここでは、公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説します。
犯罪について
まず、支払った代金を超えてコーヒーを注いだ場合、いかなる犯罪が成立するでしょうか。
実際の犯行の内容としては、大きいサイズを注ぐ真意を隠して小さいサイズを注文してそのサイズの代金しか支払っていないので、お店をだましていたと言え、詐欺罪(刑法第246条第1項)ではないかと思うかもしれません。
しかし、詐欺罪が成立するには、犯人の欺罔行為(騙す行為)により相手方が錯誤(勘違い)に陥り、これにより処分行為(商品を渡す、お金を払う、など)を行う必要があります。一連の事案のような行為では、お店の方は大きいサイズで注いでよいなどという処分行為はしていないため、詐欺罪は成立しません。また、当初は代金通りの量を注ぐつもりだったが、いざコーヒーマシンの前に立ってから気持ちが変わった場合、欺罔行為がないことになります。騙すつもりがあったのかどうか、いつからそのつもりだった菅亜土認定するのは極めて困難であり、詐欺罪に問うのは困難です。
一方で、この種の事案では支払った金額分を超える量のコーヒーについては持っていく正当な理由がなく、これを勝手に持ち去ったといえるので、「他人の財物を窃取した」といえ、窃盗罪(刑法第235条)が成立します。
窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金、詐欺罪は10年以下の懲役と定められており、窃盗罪が成立する場合は、罰金刑で済む可能性があります。実際、諸般で被害金額が低い事件では罰金刑となることが多いです。この場合、略式手続き(刑事訴訟法第461条以下)により、裁判所に行かずに書面だけで刑事手続きを終了させることができます。
もっとも、最終的に略式手続きで罰金刑に終わるような事件であっても、繰り返し行い常習性があると判断された場合、捜査中に逮捕や勾留をされて、長期間身体拘束を受けることもあります。
懲戒処分
公務員の場合、犯罪を行うと、非違行為をしたとして、懲戒処分を受けることとなります。
国家公務員の「懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。
第1 基本事項
本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。
具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。
3 公務外非行関係
(中略)
(7) 窃盗・強盗
ア 他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。
イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。
(8) 詐欺・恐喝
人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。
窃盗という犯罪事態、免職又は停職という重い処分が標準となっています。
金額的には多くはないとしても、常習的に行われているのであれば、処分は重くなります。
まとめ
このように、コンビニのコーヒーの大きいサイズを勝手に注いでも懲戒免職となることがあります。
コンビニの商品を多く持って行ったなどでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の窃盗事件-公務員が窃盗事件を起こしてしまった場合の、問題となる犯罪、懲戒処分について解説
公務員が交通犯罪をしてしまったらぜひご相談を―公務員が交通犯罪を起こした場合について解説

普段は真面目な公務員の方でも、交通犯罪を行ってしまい、懲戒処分を受けてしまうことがあります。
起訴されて正式裁判となったら、罰金処分の可能性は低く、執行猶予でも禁錮以上の刑に処せられ、自動的に失職となることもあります。
人事院が示している「懲戒処分の指針について」では、以下のように規定されております。
「4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転
ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反
著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(注) 処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。」
飲酒運転
特に飲酒運転をすると重い処分となります。
酒酔い運転は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転することです。
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(道路交通法第65条・第117条の2第1項第1号)。
酒気帯び運転は、身体に保有するアルコールの程度が血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上で運転することです(道路交通法施行令第44条の3)。
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(道路交通法第65条・第117条の2の2第1項第3号)。
飲酒運転をして人身事故を起こしたら、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が成立します。
飲酒運転により、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、過失運転致死傷罪として7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)第5条)。
アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為をして人身事故を起こしたら、危険運転致死傷罪となります。
人を負傷させた者は15年以下の懲役となり、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役となります(自動車運転処罰法第2条第1号)。
人身事故を起こし、救護措置や警察への連絡をせずに逃げたら、更に轢き逃げとなり、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(道路交通法第117条第2項)。
過失運転致死傷罪
過失運転致傷罪の「自動車の運転上必要な注意」とは、運転者が自動車を運転する上で守るべき注意義務をいいます。
発生した事故から見て、どのような措置を取っていれば事故の発生を回避することができたかを、事故の具体的状況に即して検討します。
運転者に対してそのような措置を講じるべき義務を課すことが、可能で相当かどうかを検討して、義務を怠っていると評価できる場合に、犯罪が成立することになります。
まずは、運転者に過失があるかどうかが検討されることになります。
人身事故が起きても、過失がなければ、犯罪とはなりません。
運転者に過失がなく、被害者に大きな過失があれば、運転者は刑事処分を受けません。
例えば、横断歩道の無い車道に急に歩行者が走ってきて衝突してしまったとしたら、歩行者の過失が大きく、運転者は衝突を回避することができなかったことから、犯罪は成立しないことになります。
致死傷という結果だけでなく、過失の評価が重要となります。
過失が大きければ、それだけ刑事処分も重いものとなります。
しかし、飲酒をした上で自動車を運転したとなれば、それ自体正常な運転に影響を及ぼすものであり、前方不注意や信号無視といった不注意をしやすくなってしまいます。
公務員の方が交通犯罪をしてしまったら、ぜひご相談ください。
懲戒処分や失職の可能性がある状態で、どのような対応をすればいいかをご説明いたします。
早い対応が必要となりますので、ぜひお気軽にお早めにご連絡ください。
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外国で犯罪に当たる行為を行えば、その国の法律に従い捜査され、逮捕や裁判などが行われます。しかし、犯罪によっては、日本の法律により処罰できる場合があります。日本の公務員の場合には、特別な例外があります。
日本の法律に違反したとき
国外犯
刑法は原則として、日本国内において罪を犯した者を対象としています(刑法第1条第1項)。船舶や航空機内は「旗国主義」により、その国の管轄権に服しますので、日本船舶や日本航空機内での行為は、日本の刑法が適用の対象となります(同条第2項)。
一方で、法益の保護を実質的にするために、一定の犯罪については、国外で行われたものであっても日本の法律を適用する必要があります。
内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助(刑法第2条第2号)や通貨偽造及び行使等(刑法第2条第4号)といった、我が国に重大な害悪を与えるような行為をした者には日本国外においても適用されます(刑法第2条柱書)。
贈賄(刑法第3条第6号)や殺人(刑法第3条第7号)といった、重大な犯罪については日本国外において罪を犯した日本国民にも適用されます(刑法第3条)。児童買春なども同様に適用されます(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第10条)
なお、殺人(刑法第3条の2第2号)など日本国民に対して重大な害悪を与える犯罪では、日本国外において日本国民に対して罪を犯した日本国民以外の者にも適用されます(刑法第3条の2)。
公務員については、
①第101条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪
②第156条(虚偽公文書作成等)の罪
③第193条(公務員職権濫用)、第195条第2項(特別公務員暴行陵虐)及び第197条から第197条の4まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第195条第2項の罪に係る第196条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪
について、日本国外において罪を犯した場合も適用されます(刑法第4条)。
犯罪人引渡し条約
以上のように、法律上は日本国外にて日本の法律に違反した者を処罰できるようになっています。
しかし、現実的には、その国で犯罪に当たるような行為をしたのであれば、その国が処罰する理由がありますし、他国に勝手に処罰されるわけにはいきません(国家管轄権)。
もっとも、この理屈は自国民が被害にあった場合の相手国にも当てはまるので、どこの国も外国で犯罪をされては何もできないことになりかねません。そこで、国家間で犯罪人引渡し条約を締結して、条約締結国間では犯罪人を引き渡すように約束をしています。日本はアメリカ合衆国と大韓民国の2か国のみと犯罪人引渡し条約を締結しています。
なお、条約がなくても、具体的な事案で国家間の交渉により犯罪人を引き渡すことがあります。
先に外国で確定判決を受けていても、同一の行為についてさらに日本の法律に基づいて処罰することができます(刑法第5条)。
外国の法律に違反したとき
一般的な法律違反
滞在国で犯罪となるような行為をすると、捜査され、逮捕されます。この場合、日本大使館や総領事館といった在外公館に連絡を求めることができます。在外公館と連絡を取ることで、職員と面会したり、弁護士や通訳に関する情報が提供されたり、家族との連絡の支援を受けることができます。
外務公務員(外交官)の外交特権
外務公務員(外交官)については、さまざまな特権があります。
「外交関係に関するウィーン条約」では、外交官については、以下のように定められています。
第二十九条 外交官の身体は、不可侵とする。外交官は、いかなる方法によつても抑留し又は拘禁することができない。接受国は、相応な敬意をもつて外交官を待遇し、かつ、外交官の身体、自由又は尊厳に対するいかなる侵害をも防止するためすべての適当な措置を執らなければならない。
第三十条 1 外交官の個人的住居は、使節団の公館と同様の不可侵及び保護を享有する。
2 外交官の書類、通信及び、・・・その財産も、同様に、不可侵を享有する。
第三十一条 1 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。・・・
外交官は逮捕・勾留されたり、個人的な住居が捜索を受けることがなく、また、刑事裁判を受けることがありません。
接受国ができるのは、「ペルソナ・ノン・グラータ」であること又は受け入れがたい者であることを通告し(第9条第1項)、派遣国がその者の任務を終了させて帰国させるよう求めることだけです。
我が国に派遣されている外交官が交通違反金を踏み倒す事態が生じていることなどが問題となっています。
もっとも、こうした外交特権は、派遣国の判断で放棄できます。外交特権が放棄された場合、一般の外国人と同様にその国の法律により逮捕されたり、起訴されます。
まとめ
以上のように、国外での犯罪について、公務員とそのほかの人では違いがあります。
公務員の方で日本国外での刑事事件についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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公務員に多いお酒による犯罪-公務員のお酒が関わる犯罪について解説

普段は真面目な公務員の方でも、お酒に酔って犯罪を行ってしまう事件が多いです。
当事務所にも、アルコールによる事件を起こしてしまって、数多くの相談・依頼を受けております。
暴力犯罪
お酒に酔って暴れて他人や物に暴力をしてしまうことがあります。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、暴行罪として2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます(刑法第208条)。
人の身体を傷害した者は、傷害罪として15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(刑法第204条)。
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、傷害致死罪として3年以上の有期懲役に処されます(刑法第205条)。
他人の物を損壊した者は、器物損壊罪として3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処されます(刑法第261条)。
性犯罪
アルコールで酔ってしまい、わいせつな性犯罪を行ってしまうことがあります。
公然とわいせつな行為をした者は、公然わいせつ罪として6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます(刑法第174条)。
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪として6月以上10年以下の有期懲役刑に処されます(刑法第176条第1項)。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
上記各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意性交等罪として5年以上の有期懲役刑に処されます(刑法第177条第1項)。
飲酒運転
気の緩みから飲酒運転をしてしまい、発覚することが少なくありません。
酒気を帯びて車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあったものは、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2第1項第1号・第65条第1項)。
酒気を帯びて車両等を運転した者で、その運転をした場合において身体に保有するアルコールの程度が、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上であれば、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2の2第1項第3号・第65条第1項・道路交通法施行令第44条の3)。
飲酒運転の結果、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
危険運転致死傷罪として、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第1号)。
また、飲酒運転をしてしまうと、免職など重い懲戒処分を下されてしまいます(参照:人事院「懲戒処分の指針について」)。
アルコールで人生を台無しにしてしまうことになります。
失職や懲戒解雇等で職を失ってしまうことになりかねません。
事件を起こしてしまったら、なるべく早いご相談をしてください。
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