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公務員が盗撮事件を起こしてしまったらぜひご相談をー公務員が盗撮事件を起こした場合について解説
公務員が盗撮事件を起こしてしまう事件が少なくありません。
当事務所でも、多数の公務員の盗撮事件のご相談・ご依頼が来ております。
公務員というお仕事はストレスが多く、うつ病のような症状が出て、ストレス解消のために盗撮を繰り返してしまうケースがあります。
性欲だけが犯行の原因ではないことが多いです。
性的姿態等撮影罪
「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」において、「性的姿態等撮影罪」が規定されております。
性的姿態等撮影罪の主なものは、やはり盗撮です。
正当な理由がないのに、ひそかに、性的姿態等のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いた対象性的姿態等を撮影する行為をしたら、性的姿態等撮影罪が成立します。
性的姿態等は、以下のものをいいます。
・人の性的な部位である性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部
・人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるもの)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
・わいせつな行為又は性交等(性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)がされている間における人の姿態
未遂も罰せられます。
3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。
つまりは、盗撮して人の裸や下着を撮影したら犯罪として処罰されることになります。
盗撮事件が起きたら
盗撮事件が発覚したら、逮捕される可能性があります。
逮捕されたら、長期間身体拘束されるかもしれません。
公務員という立場を重視され、実名報道されることもあります。
職場に知られ、懲戒処分を受けることになります。
前科のある常習者は、起訴されて正式裁判となり、執行猶予が付いたとしても懲役刑を受けて、自動失職となります。
人事院が発表している「懲戒処分の指針について」では、盗撮行為について以下のように規定されております。
「盗撮行為
公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。」
弁護士に相談を
盗撮事件が起きたら、捜査機関の取調べを受けることになります。
きちんと取調べに対応して、問題のある調書が作成されないようにしなければなりません。
逮捕・勾留されたら、釈放を求めて身体拘束解放活動をすることになります。
証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張することになります。
そして何より、被害者との示談交渉をすることになります。
謝罪と示談金の支払いをし、示談が成立したら、不起訴となる可能性が高まります。
懲戒処分の可能性を見据えて、病院への通院や家族の監督等、再犯防止を含めた対応を検討することになります。
これらはいずれも迅速に対応しなければなりません。
人生に大きな悪影響が生じてしまうかもしれませんので、慎重な対応が必要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの公務員事件や盗撮事件を扱って解決に導いてきました。
公務員としての地位を踏まえて、盗撮事件で具体的にどのような対応が必要かを心得ております。
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公務員の盗撮事件ー公務員が盗撮をした場合に成立する犯罪と懲戒処分について解説
公務員の懲戒免職-公務員が非違行為を起こして懲戒免職になるケースについて解説
公務員は全体の奉仕者であり、国民生活を守る立場にあります。このような公務員が違法な行為をすることは、国民の信頼を裏切ることになります。公務員が違法な行為をした場合、懲戒処分を受け、場合によっては懲戒免職と言う厳しい処分が下されます。
ここでは、公務員が懲戒免職となるケースについて解説します。
懲戒免職
公務員の懲戒処分に関して、国家公務員では、人事院が「懲戒処分の指針」を定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。
「懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。
第1 基本事項
本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。
具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。
地方公務員については、各地方公共団体が懲戒処分の指針について定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。
窃盗
公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となりました。サイズが少し大きいだけで処分が重すぎるなど、懲戒免職が重すぎるという批判もあります。
しかしながら、窃盗罪自体、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)という、重い刑罰が定められている犯罪です。
人事院の「懲戒処分の指針」でも、「他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。」とされています。
痴漢・盗撮
痴漢行為や盗撮行為については、国家公務員の「懲戒処分の指針」では、停職又は減給と定められています。
しかし、地方公務員については、各地方公共団体の定める指針では、免職まで含めている場合が多いです。
参照:「さいたま市職員の懲戒処分の指針」について
実際の処分についても、近年では基本的に免職とされています。
刑罰としても、痴漢は態様によっては迷惑防止条例違反では済まず、不同意わいせつ(刑法第176条第1項第5号)にあたり、6月以上10年以下という重い刑罰を科されます。
盗撮についても、迷惑防止条例違反だけでなく、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影処罰法)の違反(性的姿態等撮影罪)に該当すれば、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という重い刑を科されます(同法第2条第1項)。
交通違反
交通違反の中でも、飲酒運転は特に重い懲戒処分が下されます。また、事故後の措置義務違反は、公務員が保身に走ったとして、重く処分されます。
国家公務員に関する「懲戒処分の指針」でも、
○酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
○酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
○飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。
○人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
○人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
と定められています。
飲酒運転や措置義務違反をすると、重い懲戒処分を下されます。
まとめ
このように、公務員の懲戒処分は、想像よりも重く定められています。
公務員の方で懲戒処分についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員のコンビニコーヒー窃盗事件-公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説
公務員と薬物-公務員が薬物事件を起こしてしまった場合の流れについて解説
覚せい剤、コカイン、大麻などの違法薬物については、使ったり、所持したりすることが法律で禁止されています。一般の人でも、このような違法薬物の所持、使用で検挙されて有罪となった場合、当然ながら刑罰を受け、場合によっては職場を解雇されたり、事件が実名報道されてしまうかもしれません。
では、公務員が薬物事件を起こした場合に、一般の人と違うところや一般の人よりも気をつけるべきことはあるのでしょうか?
以下、公務員が薬物事件を起こしてしまった場合の流れや対処について説明します。
事案
国家公務員Aさんは、普段は真面目に仕事をしているものの、数年前に悪い友達から誘われたのをきっかけに、覚醒剤を使用するようになっていた。だいたい、1カ月に2回くらいの頻度で、覚醒剤をあぶって吸引する方法で使用していた。
ある日、Aさんは、覚醒剤を使っていた仲間の一人が逮捕されたことを知った。その仲間の一人が自分のことを警察で話すかどうかは分からないが、絶対に話さない保証はないとAさんは思った。また、その仲間の携帯電話に、覚醒剤に関するAさんとのLINEメッセージが残っていることは明らかだった。
ある日、自分も捕まるのではないか、と心配になったAさんは、今後の対応について相談をするため、法律事務所を訪れた。
(上記はフィクションであり、弊所を含めた特定の法律事務所や、特定の人物、団体等とは一切関係ありません。)
関連法令
第四十一条の二 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第四十二条第五号に該当する者を除く。)は、十年以下の懲役に処する。
3 公務外非行関係
(10) 麻薬等の所持等
麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。
(欠格による失職)
第七十六条 職員が第三十八条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、人事院規則で定める場合を除くほか、当然失職する。
(欠格条項)
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則で定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(降任、免職、休職等)
第二十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、
4 職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
まず、覚醒剤を自分が使うために所持していた、譲受をした、と言う場合、多くは執行猶予付きの懲役刑となります。つまり、覚醒剤を所持、譲受をしただけでは、基本的に直ちに刑務所に行くことはありません。また、起訴された後は、保釈と言って、保釈保証金を用意できれば起訴後比較的早い段階で留置場から出ることもできるでしょう。
しかし、懲戒処分の指針によれば、薬物の所持等は免職になります。法定刑には懲役しかないので、裁判で有罪となれば国家公務員でも地方公務員でも当然失職となります。
これに加えて、一般人ならば、薬物の単純所持や譲受だけでは報道などをされる可能性が低いですが、公務員であれば、報道がされてしまう可能性が非常に高くなります。
対処法
一般の方でも、刑事裁判にかけられて有罪となってしまえば、仕事をクビになることは多いかもしれません。今回のようなケースだと、公務員の方に特有のリスクとしては、むしろ報道なのかもしれません。裁判の場でも、「公務員という法を特に遵守すべき立場にあったのにもかかわらず、犯罪行為をしたことは厳しい非難に値する」などと言われてしまい、一般の人よりも量刑が重くなる可能性がありますが、余程所持量が多くない限り、本来執行猶予となるものが実刑とまでなってしまう可能性は高くありません。
実名報道を防ぐという意味では、逮捕・勾留されてしまう前に退職する等の方法のほか、弁護士の方から実名報道を防ぐよう捜査機関等に働きかけるというのが考えられます。個別の事案によってその他に有効な方法があるかも知れませんので、一度弁護士に相談をすることをお勧めします。
もちろん、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談・ご依頼いただければ、身柄解放、裁判対応などについても、十分な質と量をご提供することができます。
刑事事件、薬物事件を起こしてしまってお悩みの公務員の方や、そのご家族の方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の懲戒処分の流れー公務員が罪を犯した場合の懲戒処分の内容や手続きの流れについて解説
公務員のコンビニコーヒー窃盗事件-公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説
公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となっています。ここでは、公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説します。
犯罪について
まず、支払った代金を超えてコーヒーを注いだ場合、いかなる犯罪が成立するでしょうか。
実際の犯行の内容としては、大きいサイズを注ぐ真意を隠して小さいサイズを注文してそのサイズの代金しか支払っていないので、お店をだましていたと言え、詐欺罪(刑法第246条第1項)ではないかと思うかもしれません。
しかし、詐欺罪が成立するには、犯人の欺罔行為(騙す行為)により相手方が錯誤(勘違い)に陥り、これにより処分行為(商品を渡す、お金を払う、など)を行う必要があります。一連の事案のような行為では、お店の方は大きいサイズで注いでよいなどという処分行為はしていないため、詐欺罪は成立しません。また、当初は代金通りの量を注ぐつもりだったが、いざコーヒーマシンの前に立ってから気持ちが変わった場合、欺罔行為がないことになります。騙すつもりがあったのかどうか、いつからそのつもりだった菅亜土認定するのは極めて困難であり、詐欺罪に問うのは困難です。
一方で、この種の事案では支払った金額分を超える量のコーヒーについては持っていく正当な理由がなく、これを勝手に持ち去ったといえるので、「他人の財物を窃取した」といえ、窃盗罪(刑法第235条)が成立します。
窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金、詐欺罪は10年以下の懲役と定められており、窃盗罪が成立する場合は、罰金刑で済む可能性があります。実際、諸般で被害金額が低い事件では罰金刑となることが多いです。この場合、略式手続き(刑事訴訟法第461条以下)により、裁判所に行かずに書面だけで刑事手続きを終了させることができます。
もっとも、最終的に略式手続きで罰金刑に終わるような事件であっても、繰り返し行い常習性があると判断された場合、捜査中に逮捕や勾留をされて、長期間身体拘束を受けることもあります。
懲戒処分
公務員の場合、犯罪を行うと、非違行為をしたとして、懲戒処分を受けることとなります。
国家公務員の「懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。
第1 基本事項
本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。
具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。
3 公務外非行関係
(中略)
(7) 窃盗・強盗
ア 他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。
イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。
(8) 詐欺・恐喝
人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。
窃盗という犯罪事態、免職又は停職という重い処分が標準となっています。
金額的には多くはないとしても、常習的に行われているのであれば、処分は重くなります。
まとめ
このように、コンビニのコーヒーの大きいサイズを勝手に注いでも懲戒免職となることがあります。
コンビニの商品を多く持って行ったなどでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の窃盗事件-公務員が窃盗事件を起こしてしまった場合の、問題となる犯罪、懲戒処分について解説
公務員が交通犯罪をしてしまったらぜひご相談を―公務員が交通犯罪を起こした場合について解説
普段は真面目な公務員の方でも、交通犯罪を行ってしまい、懲戒処分を受けてしまうことがあります。
起訴されて正式裁判となったら、罰金処分の可能性は低く、執行猶予でも禁錮以上の刑に処せられ、自動的に失職となることもあります。
人事院が示している「懲戒処分の指針について」では、以下のように規定されております。
「4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転
ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。
イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。
ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反
著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。
(注) 処分を行うに際しては、過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。」
飲酒運転
特に飲酒運転をすると重い処分となります。
酒酔い運転は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で運転することです。
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(道路交通法第65条・第117条の2第1項第1号)。
酒気帯び運転は、身体に保有するアルコールの程度が血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上で運転することです(道路交通法施行令第44条の3)。
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(道路交通法第65条・第117条の2の2第1項第3号)。
飲酒運転をして人身事故を起こしたら、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が成立します。
飲酒運転により、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、過失運転致死傷罪として7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金となります(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)第5条)。
アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為をして人身事故を起こしたら、危険運転致死傷罪となります。
人を負傷させた者は15年以下の懲役となり、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役となります(自動車運転処罰法第2条第1号)。
人身事故を起こし、救護措置や警察への連絡をせずに逃げたら、更に轢き逃げとなり、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(道路交通法第117条第2項)。
過失運転致死傷罪
過失運転致傷罪の「自動車の運転上必要な注意」とは、運転者が自動車を運転する上で守るべき注意義務をいいます。
発生した事故から見て、どのような措置を取っていれば事故の発生を回避することができたかを、事故の具体的状況に即して検討します。
運転者に対してそのような措置を講じるべき義務を課すことが、可能で相当かどうかを検討して、義務を怠っていると評価できる場合に、犯罪が成立することになります。
まずは、運転者に過失があるかどうかが検討されることになります。
人身事故が起きても、過失がなければ、犯罪とはなりません。
運転者に過失がなく、被害者に大きな過失があれば、運転者は刑事処分を受けません。
例えば、横断歩道の無い車道に急に歩行者が走ってきて衝突してしまったとしたら、歩行者の過失が大きく、運転者は衝突を回避することができなかったことから、犯罪は成立しないことになります。
致死傷という結果だけでなく、過失の評価が重要となります。
過失が大きければ、それだけ刑事処分も重いものとなります。
しかし、飲酒をした上で自動車を運転したとなれば、それ自体正常な運転に影響を及ぼすものであり、前方不注意や信号無視といった不注意をしやすくなってしまいます。
公務員の方が交通犯罪をしてしまったら、ぜひご相談ください。
懲戒処分や失職の可能性がある状態で、どのような対応をすればいいかをご説明いたします。
早い対応が必要となりますので、ぜひお気軽にお早めにご連絡ください。
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公務員と自動車による人身事故-公務員が自動車を運転中に人身事故を起こしてしまった場合について解説
公務員に多いお酒による犯罪-公務員のお酒が関わる犯罪について解説
普段は真面目な公務員の方でも、お酒に酔って犯罪を行ってしまう事件が多いです。
当事務所にも、アルコールによる事件を起こしてしまって、数多くの相談・依頼を受けております。
暴力犯罪
お酒に酔って暴れて他人や物に暴力をしてしまうことがあります。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、暴行罪として2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます(刑法第208条)。
人の身体を傷害した者は、傷害罪として15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(刑法第204条)。
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、傷害致死罪として3年以上の有期懲役に処されます(刑法第205条)。
他人の物を損壊した者は、器物損壊罪として3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処されます(刑法第261条)。
性犯罪
アルコールで酔ってしまい、わいせつな性犯罪を行ってしまうことがあります。
公然とわいせつな行為をした者は、公然わいせつ罪として6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます(刑法第174条)。
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪として6月以上10年以下の有期懲役刑に処されます(刑法第176条第1項)。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
上記各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意性交等罪として5年以上の有期懲役刑に処されます(刑法第177条第1項)。
飲酒運転
気の緩みから飲酒運転をしてしまい、発覚することが少なくありません。
酒気を帯びて車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態)にあったものは、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2第1項第1号・第65条第1項)。
酒気を帯びて車両等を運転した者で、その運転をした場合において身体に保有するアルコールの程度が、血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上であれば、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2の2第1項第3号・第65条第1項・道路交通法施行令第44条の3)。
飲酒運転の結果、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)。
危険運転致死傷罪として、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処されます(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条第1号)。
また、飲酒運転をしてしまうと、免職など重い懲戒処分を下されてしまいます(参照:人事院「懲戒処分の指針について」)。
アルコールで人生を台無しにしてしまうことになります。
失職や懲戒解雇等で職を失ってしまうことになりかねません。
事件を起こしてしまったら、なるべく早いご相談をしてください。
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公務員の飲酒運転-公務員が飲酒運転をしたときに成立する犯罪や懲戒処分について解説
公立学校教員の刑事事件-公立学校教員の飲酒運転のケースを基に成立する犯罪や懲戒処分について解説
【事例(フィクション)】
公立学校で教員として勤務するAさんは、飲酒をした後に自動車を運転してしまい、その後職務質問で警察から呼気検査を求められ、検査の結果、呼気中に基準値を超えるアルコールが検知され、酒気帯び運転で検挙されました。
Aさんは逮捕はされませんでしたが、在宅捜査中です。
Aさんは、酒気帯び状態で自動車の運転をしたことは認めています。
Aさんに前科前歴はありません。
【被疑者の方が公立学校教員の場合のリスク】
公立学校に勤務する教員は、地方公務員となります。
公立学校教員の方が刑事事件の被疑者となった場合、刑事手続き上の逮捕・勾留や刑事罰のリスクだけでなく、地方公務員法上の懲戒処分や、失職等のリスクにもさらされることとなってしまいます。
以下、弁護活動も含め、順に説明していきます。
【飲酒運転の刑事罰】
アルコール濃度が血液1mlにつき0.3mg又は呼気1リットルにつき0.15mg以上の状態で自動車を運転すると、酒気帯び運転として、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法117条の2の2第1項第3号・道路交通法施行令44条の3)。
酒気帯び運転の場合、初犯は罰金となることが多いですが、身体のアルコール濃度、運転した理由、距離等の事情次第で悪質と判断されれば、初犯でも公判請求され、執行猶予が付く可能性が高いとはいえ懲役の前科がつくこともあり得ます。
なお、身体のアルコール濃度を問わず、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で自動車を運転すると、酒酔い運転として、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金というより重い刑に処されます(道路交通法117条の2第1項第1号)。
【弁護活動】
①今後のAさんの刑事処分が決まるにあたって、取調べ対応は重要です。できるだけ弁護士が取調べの初期からついて、継続的にアドバイスができるようにするのが望ましいです。
②検察官が起訴するかどうか、起訴の場合は略式起訴か公判請求かを決める前に、弁護士から、酌むべき事情を主張する意見書を提出し、刑事処分の軽減を図ることも考えられます。
③もしAさんが公判請求された場合は、弁護士が酌むべき事情を主張立証し、執行猶予が付いて実刑は回避できるように、また事情次第では懲役より軽い罰金となることを裁判所に求めるなどして、処罰軽減のため公判活動をすることになります。
【刑事罰以外の処分等】
地方公務員の方は、起訴されると、休職をさせられることがあります(地方公務員法28条2項2号)。
そして起訴され、有罪判決で禁錮以上の刑となれば、執行猶予が付いたとしても、失職することになります(地方公務員法28条4項・16条1号)。
事例の場合、Aさんに前科前歴はなく、一般的には罰金の可能性が高いので、そうなればこの規定による失職はありません。
しかし、上で述べたとおり、事情次第では初犯でも公判請求されて執行猶予付き懲役刑となることはあり得るので、油断はできません。
また、地方公務員の方が犯罪にあたる行為をすると、刑事罰とは別に懲戒処分を受けることにもなります。
懲戒処分は、重い順に、免職、停職、減給、戒告と種類があります。
東京都教育委員会が公表している「懲戒処分の指針」によると
「具体的な量定の決定に当たっては、
① 非違行為の態様、被害の大きさ及び司法の動向など社会的重大性の程度
② 非違行為を行った職員の職責、過失の大きさ及び職務への影響など信用失墜の度合い
③ 日常の勤務態度及び常習性など非違行為を行った職員固有の事情等のほか、適宜、非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。
個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる量定にかかわらず免職等の処分をすることもあり得る。」
としつつ、標準例では「酒気帯び運転をした職員は、免職又は停職とする。」とされています。
Aさんの場合、免職又は停職のリスクがあることとなりますが、上の指針からわかるとおり懲戒処分の選択は総合判断なので、あきらめずに処分軽減の余地があるか、弁護士に相談することをおすすめします。
【おわりに】
酒気帯び運転をしてしまった公立学校教員の方は、刑事罰、失職、懲戒処分等のリスクにさらされますが、こういったリスクを回避・軽減するためには、弁護士による適切なアドバイスや活動が必要ですので、できるだけ早めに弁護士に相談することをおすすめします。
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公務員と特定秘密―特定秘密保護法を中心に公務員の秘密保持について解説
国際情勢の複雑化や情報の重要性が増加するに従い、秘密情報の保護が重要になってきました。こうした秘密情報の漏洩に公務員が関与することも見受けられます。そこで、秘密情報の保護を徹底するため、特定秘密保護法などにより厳格な規制が行われています。ここでは、特定秘密保護法を中心に、公務員の秘密保持について解説します。
公務員の守秘義務一般について
国家公務員は、国家公務員法100条1項において、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と定められています。地方公務員についても、地方公務員法で同様に定められています(地方公務員法34条1項)。
この「秘密」とは、「非公知の事項であつて、実質的にもそれを秘密として保護するに価すると認められるもの」とされています(昭和52年12月19日最高裁第二小法廷決定(徴税トラの巻事件))。
また、いわゆる外務省秘密漏洩事件(昭和53年5月31日最高裁第一小法廷決定)では、「政府が右のいわゆる密約によつて憲法秩序に抵触するとまでいえるような行動をしたものではないのであつて、違法秘密といわれるべきものではなく、この点も外交交渉の一部をなすものとして実質的に秘密として保護するに値するものである。したがつて・・・秘密にあたる」と判示されています。
憲法秩序に抵触するような違法秘密でなく、実質的に秘密として保護に値するものが「秘密」として保護されます。
これらの規定に違反して秘密を洩らしたときは、いずれも1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(国家公務員法109条12号、地方公務員法60条2号)。
特定秘密保護法
先ほどの守秘義務は、公務員の扱う秘密全般に関するものです。
一方、「特定秘密の保護に関する法律(特定秘密保護法)」では、「国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、デジタル社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的」としています(特定秘密保護法第1条)。
特定秘密の指定等
特定秘密保護法では、「当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要であるもの」が特定秘密として指定されます(特定秘密保護法3条1項)。
別表には以下の事項があげられています。
別表(第三条、第五条―第九条関係)
一 防衛に関する事項
イ 自衛隊の運用又はこれに関する見積り若しくは計画若しくは研究
ロ 防衛に関し収集した電波情報、画像情報その他の重要な情報
ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ 防衛力の整備に関する見積り若しくは計画又は研究
ホ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物の種類又は数量
ヘ 防衛の用に供する通信網の構成又は通信の方法
ト 防衛の用に供する暗号
チ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの仕様、性能又は使用方法
リ 武器、弾薬、航空機その他の防衛の用に供する物又はこれらの物の研究開発段階のものの製作、検査、修理又は試験の方法
ヌ 防衛の用に供する施設の設計、性能又は内部の用途(ヘに掲げるものを除く。)
二 外交に関する事項
イ 外国の政府又は国際機関との交渉又は協力の方針又は内容のうち、国民の生命及び身体の保護、領域の保全その他の安全保障に関する重要なもの
ロ 安全保障のために我が国が実施する貨物の輸出若しくは輸入の禁止その他の措置又はその方針(第一号イ若しくはニ、第三号イ又は第四号イに掲げるものを除く。)
ハ 安全保障に関し収集した国民の生命及び身体の保護、領域の保全若しくは国際社会の平和と安全に関する重要な情報又は条約その他の国際約束に基づき保護することが必要な情報(第一号ロ、第三号ロ又は第四号ロに掲げるものを除く。)
ニ ハに掲げる情報の収集整理又はその能力
ホ 外務省本省と在外公館との間の通信その他の外交の用に供する暗号
三 特定有害活動の防止に関する事項
イ 特定有害活動による被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「特定有害活動の防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ 特定有害活動の防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ 特定有害活動の防止の用に供する暗号
四 テロリズムの防止に関する事項
イ テロリズムによる被害の発生若しくは拡大の防止(以下この号において「テロリズムの防止」という。)のための措置又はこれに関する計画若しくは研究
ロ テロリズムの防止に関し収集した国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報
ハ ロに掲げる情報の収集整理又はその能力
ニ テロリズムの防止の用に供する暗号
適正評価
行政機関の職員や都道府県警察の職員等で、特定秘密の取扱いの業務を新たに行う見込みがある者は、行政機関の長や警察本部長により、特定秘密の取扱業務を行った場合にこれを洩らすおそれがないことについての評価を実施されることになります(特定秘密保護法第12条第1項・第15条第1項)。適正評価は、テロリズムと関連する事項や犯罪などに関する事項だけでなく、飲酒や経済的な状況などについても調査されます(同法第12条第2項各号・第15条第2項)。
行政機関の長などを除いて、この適正評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを洩らすおそれがないと認められた者でなければ、特定秘密の取扱業務を行うことはできません(同法第11条)。
罰則
特定秘密の取り扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を洩らしたときは、10年以下の懲役に処され、情状によりさらに1000万円以下の罰金に処されます。特定秘密の取り扱いの業務に従事しなくなった後に漏らした場合も同様です(特定秘密保護法23条1項)。
また、行政機関の長が内閣に提示したり(同法4条5項)、外国の政府や国際機関に提供したり(9条)、国会両議院や裁判所など公益上必要の認められる相手に提供したり(10条)、内閣総理大臣が特定秘密の指定及び解除並びに適正評価の実施のため特定秘密である情報を含む資料の提出を求めること(18条4項後段)により、特定秘密が第三者に提供されることがあります。これらの提供の目的である業務により当該特定秘密を知得したものがその特定秘密を洩らしたときは、5年以下の懲役に処され、又は情状によりさらに500万円以下の罰金に処されます(同法23条2項)。
これらの罪は未遂も処罰します(同法23条3項)。また、過失により漏らした場合も処罰されます(23条1項の罪については2年以下の禁錮又は50万円以下の罰金。23条2項の罪ついては1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金)。
懲戒処分
特定秘密をはじめとした秘密漏洩に対しては厳しい懲戒処分が下されます。
人事院の「懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)」によると、「1 一般服務関係 イ 情報セキュリティ対策のけ怠による秘密漏えい」については、停職・減給・戒告処分の対象となります。「ア 故意の秘密漏えい」は免職又は停職となり、特に「自己の不正な利益を図る目的」の場合は、必ず免職となります。
秘密保持の例外
以上のように、特定秘密については、公務員は厳格に扱わなければなりません。
一方で、「特定秘密」と指定されたとしても、これを一切口外できないとなると、不当・違法な行為が行われているにもかかわらず秘密にされてしまい、かえって我が国や国民の利益を損ねてしまいかねません。
そもそも、「秘密」とは前述の「徴税トラの巻事件」や「外務省秘密漏洩事件」の判示のように実質的にもそれを秘密として保護するに値するものである必要があります。犯罪に該当したり憲法秩序を脅かすような重大な違反については、保護に値しないといえるでしょう。また、公務員は、職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならないと定められています(刑事訴訟法239条2項)。
したがって、「特定秘密」とされていても公務員が第三者に開示できる場合があると考えられます。
もちろん、「特定秘密」とされている以上、それを第三者に開示するとなると、大きなリスクに直面することになります。
このような状況でお悩みのときは弁護士にご相談ください。
弁護士もまた守秘義務を負っています(弁護士法第23条・弁護士職務基本規程第23条、刑法第134条第1項)。弁護士に相談いただいた内容が漏れることはありません。
お話しいただいた情報を基に、ご懸念の情報が「秘密」に該当するのか、開示できるあるいは開示するべき情報なのか、開示する場合どのようにするべきなのか、アドバイスさせていただきます。
「特定秘密」についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の起訴休職-公務員が事件を起こしてしまい、起訴された場合どうなるかについて解説
公務員が刑事事件を起こしたり、起こした疑いをかけられて起訴、つまり公判請求をされると、多くの場合「起訴休職」などと言って、被告人となった公務員は裁判期間中休職させられることになります。
以下、公務員が公判請求され刑事裁判にかけられた場合の流れや対処について説明します。
事案
国家公務員Aさんは、普段は真面目に仕事はしているものの、プライベートでは自分の性欲を満たすために盗撮行為や痴漢行為を繰り返していた。手口としては警察に発見しにくい場所を選んで行うなど、容易には発覚しにくいもので、Aさんは自身の犯行が警察等に発覚することなく長年にわたって痴漢や盗撮行為を繰り返していた。
ある日、そのようなAさんの努力もむなしく、Aさんは電車内での痴漢と盗撮行為により現行犯逮捕されてしまった。逮捕されてから数日は、私選弁護人と家族の尽力により、職場に事件を起こしたことや逮捕されたことが発覚することはなかった。現行犯逮捕された事件については、示談が成立して不起訴になる可能性に賭けたいというAさんの意向で、私選弁護人が示談に動いた。結局、示談が成立はしたものの、あまりにも過去の余罪が多かったこともあり、検察官は現行犯逮捕された事件で起訴することを決定した。
起訴されたことで、警察から監督官庁に通報がなされ、Aさんは起訴休職を命じられることになった。
(上記はフィクションであり、弊所を含めた特定の法律事務所や、特定の人物、団体等とは一切関係ありません。)
関連法令
第二十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
② 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを休職することができる。
二 刑事事件に関し起訴された場合
(本人の意に反する休職の場合)
第七十九条 職員が、左の各号の一に該当する場合又は人事院規則で定めるその他の場合においては、その意に反して、これを休職することができる。
一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二 刑事事件に関し起訴された場合
(休職の効果)
第八十条 前条第一号の規定による休職の期間は、人事院規則でこれを定める。休職期間中その事故の消滅したときは、休職は当然終了したものとし、すみやかに復職を命じなければならない。
④ 休職者は、職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。休職者は、その休職の期間中、給与に関する法律で別段の定めをしない限り、何らの給与を受けてはならない。
(刑事裁判との関係)
第八十五条 懲戒に付せらるべき事件が、刑事裁判所に係属する間においても、人事院又は人事院の承認を経て任命権者は、同一事件について、適宜に、懲戒手続を進めることができる。(以下略)
国家公務員、地方公務員問わず、公務員の場合、起訴されると、刑事裁判での認否に関わらず、強制的に休職させられることがあります。もちろん、休職中は仕事ができませんし、原則として給与は支給されません(国家公務員法第80条第4項参照)。
また、刑事裁判は有罪判決が下るまで無罪推定として被告人を扱うのが大原則なのですが、国家公務員法では、刑事裁判が継続中の事件であっても懲戒手続を進めることができる旨定められています(国家公務員法第85条)。そのため、特に事案がある程度単純で本人が罪を認めている事件などであれば、起訴されたり判決が出る前に懲戒手続がすすめられ、懲戒処分が下されることがあります。
対処法
このように、示談をすれば通常不起訴となる可能性が高い部類の事件であっても、常習性の程度やその他情状によっては、不起訴となることなく、起訴されてしまうことも有り得ます。
もちろん通常通りの刑事弁護活動や示談交渉の能力も重要ですが、公務員の方の事件の場合、民間で働いている方が事件を起こした場合では考えられないような手続もあります。刑事事件や懲戒手続で良い結果を出していくためには、刑事弁護だけではなく、懲戒手続等にも熟知した弁護士が必要です。
刑事事件を起こしてしまうと、どうしても弁護人だけが頼りになってしまうところがあります。安心のできる刑事弁護を受けたい公務員の方や、そのご家族の方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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公務員の懲戒処分の流れー公務員が罪を犯した場合の懲戒処分の内容や手続きの流れについて解説
公務員と自動車による人身事故-公務員が自動車を運転中に人身事故を起こしてしまった場合について解説
普段は真面目に仕事をして生活している公務員の方々でも,自動車による人身事故を起こしてしまうことがあります。
公務員が人身事故を起こしてしまったら,失職や懲戒処分を受けることになります。
失職
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」には,以下のように規定されております。
「(過失運転致死傷)
第5条 自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」
国家公務員法・地方公務員法では,執行猶予だとしても,禁錮以上の刑に処せられたら,公務員としての身分を失うと規定されております。
つまり,正式起訴されたら,罰金処分の可能性が低いことから,失職となってしまいます。
検察官は,正式起訴をするかどうかの判断で,注意義務違反の大きさと被害の大きさを総合的に考慮しています。
被害の大きさは基本的には客観的証拠に基づき評価されてくるので,争いの余地は小さいと思われます。
しかし,注意義務違反について,取調べで違法・不当な働きかけがあり,過剰に悪質性が大きい内容の供述調書が作成されてしまうことがあります。
警察官から取調べで,威圧されたり,誘導されたりすることが珍しくありません。
まずは取調べで毅然とした対応をして,注意義務違反が過剰に大きく評価されないようにしなければなりません。
そのためには,刑事事件について能力のある弁護士を付けて対応していく必要があります。
取調べで具体的にどのように話すかを打ち合わせし,違法・不当な働きかけがあったら抗議や黙秘で対抗することになります。
懲戒処分
刑事処分が罰金処分以下だったとしても,勤務先から懲戒処分を受けることになります。
人事院が示している「懲戒処分の指針について」では,以下のように記載されております。
「4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係
(1) 飲酒運転
ア 酒酔い運転をした職員は,免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ,又は人に傷害を負わせた職員は,免職とする。
イ 酒気帯び運転をした職員は,免職,停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ,又は人に傷害を負わせた職員は,免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は,免職)とする。
ウ 飲酒運転をした職員に対し,車両若しくは酒類を提供し,若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は,飲酒運転をした職員に対する処分量定,当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して,免職,停職,減給又は戒告とする。
(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)
ア 人を死亡させ,又は重篤な傷害を負わせた職員は,免職,停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は,免職又は停職とする。
イ 人に傷害を負わせた職員は,減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は,停職又は減給とする。
(3) 飲酒運転以外の交通法規違反
著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は,停職,減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は,停職又は減給とする。
(注) 処分を行うに際しては,過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとする。」
飲酒運転や轢き逃げが加わると,特に重い処分となります。
懲戒処分では,過失の程度や事故後の対応等も情状として考慮の上判断するものとされておりますので,やはり個々の事故の状況の分析や被害者対応が必要になってきます。
被害者への傷害についても,重篤なものかどうかの評価を慎重にする必要があります。
過失の程度について,殊更重く評価されないように主張していかなければなりません。
事故後の対応等で一番重要なのは,被害者への賠償です。
任意保険で対人・対物無制限で補償されているかどうかがまず重要です。
そのうえで,任意保険の賠償金とは別に,示談金をお支払いして示談が成立したら,刑事処分と懲戒処分で有利に評価される可能性が高まります。
被害者に対して誠意を持って謝罪と話し合いをしていく必要があります。
そのためには,刑事事件について経験と能力のある弁護士に依頼することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,公務員の自動車による人身事故の事件もこれまでに数多く扱って解決してきました。
まずは無料の面談でご相談ください。
刑事事件ではスピードが重要ですので,なるべく早くご相談されることをお勧めいたします。
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