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公務員と懲戒処分-公務員がパパ活でお金を払って女性に会う行為をしていた場合について解説

2024-09-17

公務員がパパ活行為を行って処分を受けた、というようなニュースが出ることがあります。このようなニュースは、基本的にパパ活でお金をもらって男性と会っていた女性側が、副業禁止規定違反に違反して懲戒処分を受けるケースのものです。

 今回は、公務員がパパ活でお金を払って女性に会う行為をしており、それが勤務先に発覚した場合について考察してみます。

人事院 懲戒処分の指針について

国家公務員の懲戒処分については、概ね人事院が出している「懲戒処分の指針について」という基準に基づいて行われます。地方公務員については各自治体で異なりますが、概ね「懲戒処分の指針について」と同様の処分基準があります。

 公務外非行の懲戒事由については、以下のようになっています(本記事と関係が薄いと思われるものは省略)。

(1) 放火

(2) 殺人

(3) 傷害

(4) 暴行・けんか

(5) 器物損壊

(6) 横領

(7) 窃盗・強盗

(8) 詐欺・恐喝

(9) 賭博

(10) 麻薬等の所持等

(11) 酩酊による粗野な言動等

(12) 淫行

   18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員は、免職又は停職とする。

(13) 痴漢行為

(14) 盗撮行為

 本記事と関係があると思われるのが、(12)の淫行になります。パパ活の女性が成人であれば、基本的には「懲戒処分の指針について」に規定された懲戒事由には該当しません。

 しかしながら、「懲戒処分の指針について」の基本事項には、「本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。」となっているので、該当するものがないからといって必ず処分がないとは限りません。例えば、不同意性交等(刑法第177条第1項)は「懲戒処分の指針について」には挙げられていませんが、悪質な性犯罪であり、法定刑も5年以上の有期懲役刑という重大な犯罪ですので、この事実が認められれば懲戒免職となります。また、パパ活において性交をすると買春となりますが、成人間でも売買春自体は違法な行為です(売春防止法第3条)。そのため、このような行為を繰り返しているのであれば、懲戒処分の対象となり得ます。地方公務員の方の場合では、それぞれ具体的に処分基準を見る必要があります。

弁護活動

 ここまで説明してきたように、基本的には懲戒処分の基準に該当してこない行為ですが、近年好ましくないとされている行為であるので、懲戒処分の方向に動かないとも限りません。その場合、懲戒処分がなされないように、なされるとしても軽い処分にとどまるように弁護していく必要があります。

 具体的には、弁護士が状況を聴き取った上、不利な事実(例えば、実際にその「パパ活」で女性を何回も「買って」いる等)が出ないように対応をアドバイスする、処分基準に則した処分を行うように意見書を作成する、過去の処分例に即して処分を行うよう申し入れる、といったところです。

 たしかに、懲戒処分がなされるかなされないかに関わらず、職場に居づらくなるのであればあまり意味がないと思われるかもしれませんが、懲戒処分を受ければ公表される可能性があるなど、再就職にも大きく影響が出る可能性があります。

まとめ

このように、公務員がパパ活で女性にお金を払って会う場合でも、懲戒処分がなされる可能性がないとは言えませんし、もしかすると懲戒処分をする、という状況になってしまっていてお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合に、何をどう主張するのか、事実を詳細に聴き取って陳述をして頂き、弁護士の方でも意見を出すことで懲戒処分を防ぐことができるかもしれません。

パパ活が発覚してお悩みの公務員の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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公務員と副業-公務員が副業をした場合の懲戒手続きについて解説

公務員と副業-公務員が副業をした場合の懲戒手続きについて解説

2024-09-12

公務員が副業を行ったとして懲戒免職になった、停職になった、というニュースが出ることがあります。

特に、コロナウイルス騒ぎが出始めて以降、公務員が風俗店等で働くニュースも増えてきたように思います(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231226/k10014300781000.html など。)

医師、大学教授等専門性が高い職務や、国会、地方議員などを除いた一般的な公務員が副業を行った際の処分はどうなるのか、解説します。

関連法令等

公務員の副業については、国家公務員法第103条、第104条、及び地方公務員法第38条に定めがあります。特に国家公務員法第103条に反して営利企業の地位についた場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます。(国家公務員法第109条13号)。このように公務員の副業を原則として禁止するのには、職務専念義務、守秘義務、信用失墜行為の禁止等が一般に理由として挙げられます。

国家公務員について人事院の定める「懲戒処分の指針」では、処分基準は、以下のようになっています。

人事院 懲戒処分の指針について

第2 標準例 1 一般服務関係

(10) 兼業の承認等を得る手続のけ怠

 営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続を怠り、これらの兼業を行った職員は、減給又は戒告とする。

なお、懲戒処分の指針の「第1 基本事項」では、

個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外とすることもあり得るところである。例えば、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、

 ① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき

 ② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき

 ③ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき

 ④ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき

 ⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたとき

 がある。

とも規定しています。都道府県、市町村等の自治体も、それぞれの地方公務員について処分基準を定めています。処分基準は様々でしょうが、概ねこれに沿う物が多いといえるでしょう。

兼業の発覚経緯

 兼業の発覚経緯としては、税金関係の調査から発覚する場合や、住民からの通報が考えられるでしょう。

弁護活動

 上記のように、許可を得ずに副業を行った場合、処分自体は一応軽いものにとどまるケースもあれば、思いがけず免職などの重い処分を受けてしまう可能性もないとはいえないでしょう。

 趣味に近い活動が副業にあたるのではないか、ということが問題になった場合は、処分の軽減を訴える他、そもそも処分に値しないことを主張することもあり得るでしょう。

 逆に、風俗店で勤務していた、などの場合は、停職がベースになっている場合でも、情状によっては免職など重い処分がなされることもないとは言えません。重い処分が見込まれる場合は、従事していた期間や動機などについて、適切な説明をしていく必要が出てきます。

 弁護士としては、主に上記を裏付けるような主張をしていくアドバイスをしていき、場合によってはそのアドバイスに沿った証拠を収集していくことをサポートしていくことになります。

まとめ

このように、公務員が許可を得ずに副業をした場合、非常に重い処分が下される可能性もある反面、軽い処分に落ち着かせることができる可能性も出てきます。

公務員の方で副業についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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公務員と服務規律

公務員が交通事故において注意すること―公務員が交通事故を起こした場合について解説

2024-09-09

公務員が交通事故を起こした場合、刑罰だけでなく懲戒処分も受ける可能性があります。道路交通については様々な規制がありますが、公務員は全体の奉仕者としてこれを強く遵守する必要があり、違反があればより重い処分を受けることになります。

ここでは、公務員が交通事故に関して注意するべき事柄について説明します。

公務員が注意するべきこと

飲酒運転

飲酒運転により悲惨な事故が相次いだことから、飲酒運転をして事故を起こした場合の処罰が重くなりました。行政庁でも、飲酒運転に対しては重い処分を下すようになっています。

酒気を帯びて自動車などの車両等を運転してはいけません(道路交通法第65条第1項)し、このようなおそれのある者に車両等を提供してはいけません(第2項)し、酒類を提供してはいけません(第3項)。また、運転者が酒気を帯びていることを知りながら、運転者に対し、車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、酒気帯び運転する車両に同乗してはなりません(第4項)。

その運転をした場合において酒に酔つた状態」すなわち酒酔い運転は、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態を言います。この状態で車両等を運転したり、このおそれがある者に車両等を提供した者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2第1項第1号、第2号・第65条第1項、第2項)。酒類を提供してその相手が酒酔い運転をしたり、運転者が酒酔い状態であることを知りながら、運転者に対し、車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、酒酔い運転する車両に同乗した場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2の2第1項第5号、第6号・第65条第3項、4項)。

呼気1リットル当たり0.15ミリグラムのアルコールを保有する状態で車両等を運転すれば、酒気帯び運転となります(道路交通法施行令第44条の3)。この状態で車両等を運転したり、このおそれがある者に車両等を提供した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の2の2第1項第3号、第4号・第65条第1項、2項)。酒類を提供してその相手が酒気帯び運転をしたり、運転者が酒気帯び状態であることを知りながら、運転者に対し、車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、酒気帯び運転する車両に同乗した場合、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条の3の2第1項第2号、第3号・第65条第3項、4項)。

国家公務員の「懲戒処分の指針」では、飲酒運転は非常に重い処分が下されます。

第2 標準例

4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係

(1) 飲酒運転

ア 酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。

イ 酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。

ウ 飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。

酒酔い運転をした職員は、免職または停職という非常に重い処分を下されます。このうえで人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職のみとなります。

酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給となります。人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職、後述の措置義務違反もしていれば免職のみとなります。

飲酒運転をした職員に対し、車両や酒類を提供したり、飲酒をすすめたり、飲酒を知りながら車両に同情した場合も、関与の程度などを考慮して、同様の処分を受けます。

措置義務違反

交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません(措置義務。道路交通法第72条第1項前段)。また、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければなりません(報告義務。同項後段)。

交通事故が起きれば、どちらに過失があるかわからない状況であったり、被害者が大丈夫と言っても、まず負傷者を助けたり警察に報告することが必要です。

車両等の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、措置義務違反をしたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(道路交通法第117条第1項)。この場合において、この人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(第2項)

措置義務違反をした場合は、通常よりも重い懲戒処分を下されます。

飲酒運転の項でもあげていますが、酒気帯び運転をして、人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた上で、措置義務違反をした職員は、免職のみとなります。

第2 標準例

4 飲酒運転・交通事故・交通法規違反関係

(2) 飲酒運転以外での交通事故(人身事故を伴うもの)

ア 人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。

イ 人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

(3) 飲酒運転以外の交通法規違反

著しい速度超過等の悪質な交通法規違反をした職員は、停職、減給又は戒告とする。この場合において物の損壊に係る交通事故を起こして措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

まとめ

このように、飲酒運転や交通事故が起きた場合の措置義務違反は、非常に重い懲戒処分を下されることになります。

公務員の方で交通事故について心配な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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公務員が交通犯罪をしてしまったらぜひご相談をー公務員が交通犯罪を起こした場合について解説

公務員が刑事事件を起こしたらご相談くださいー公務員が刑事事件を起こした場合の流れ

2024-09-05

公務員が犯罪を行ってしまったら、逮捕される可能性があります。

その場で現行犯逮捕されるかもしれませんし、時間が経ってから令状逮捕される可能性があります。

しかも、逮捕された場合、公務員としての地位を重視され、一般の人よりも実名報道される可能性が高まります。

逮捕されたら、その後も勾留となり、長期間身体拘束されることになるかもしれません。

実名報道されたり、長期間身体拘束されたら、勤務先に事件が知られてしまうことになります。

起訴されて禁錮以上の刑事処分を受けたら、執行猶予だったとしても自動的に公務員を失職することとなります。

起訴された段階でも休職となり、仕事に出られなくなるかもしれません。

罰金や不起訴だったとしても、懲戒処分を受ける可能性があります。

人事院が示している「懲戒処分の指針について」では、具体的な処分量定の決定に当たっては、

 ① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

 ② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

 ③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

 ④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

 ⑤ 過去に非違行為を行っているか

 等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする、とされており、非違行為ごとに標準例が示されております。

各地方公共団体においても、懲戒処分の指針が示されております。

公務員が犯罪を行ってしまったら、すぐに弁護士に相談しましょう。

逮捕前であれば、どうすれば逮捕される可能性を低くできるかを検討します。

すぐに被害者と示談交渉をするのか、警察に自首するのか、等を個別の状況に応じて判断していきます。

逮捕されたら、早期の釈放を求めていきます。

証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと等を、深く分析して裁判所等に主張していきます。

ご家族に身元引受人になっていただき、協力しながら釈放を求めていきます。

被害者がいる犯罪では、早期に被害者に接触して示談交渉をすることになります。

とにかく示談金を払えばいいということではなく、被害者の意向も確認しながら進めていきます。

示談が成立したら、早期に釈放となり、起訴猶予となる可能性が高まります。

犯罪をしていないにもかかわらず犯行を疑われているのであれば、より慎重な対応が必要になります。

警察官は、取調べで威圧してきたり、不当に誘導してきたりして、無理やり犯行を認めさせようとしてくることがあります。

プロである警察官に対し、公務員といえども刑事手続きについて素人であれば、取調べにきちんと対応することは容易ではありません。

刑事弁護について心得ている弁護士に相談・依頼し、対応していかなければなりません。

警察の違法・不当な取調べに対し、黙秘をしたり、抗議書面を提出したり、状況に応じて判断して毅然と対抗しなければなりません。

不起訴を目指していくことになりますが、もし起訴されたら、裁判で無罪を求めて闘っていくことになります。

公務員の方が犯罪を行ってしまった場合、一般の人よりも失うものが大きくなる可能性があります。

なるべく早く弁護士に相談・依頼し、対応していかなければなりません。

しかも、弁護士であれば誰でもいいということではなく、刑事事件についての能力が高い弁護士に相談・依頼した方が上手く解決される可能性は高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでに数多くの刑事事件を扱い、解決に導いてきました。

公務員の刑事事件も多数扱ってきており、その対応方法についても心得ております。

公務員の方やそのご家族は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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公務員の犯罪

公務員が性犯罪事件を起こしたらご相談をー公務員の起こし得る性犯罪について解説

2024-09-02

公務員の性犯罪事件についての当事務所へのご相談・ご依頼は少なくありません。

以前から偏った性癖があり常習的に行っている人もいますが,職場のストレスから精神に問題を生じたり,アルコールの影響で行ってしまう人も多いです。

普段真面目な公務員の方ほど,ストレスによる精神的な問題を生じたり,アルコールの飲み過ぎで記憶を失って性犯罪を行ってしまうケースがあるように感じます。

単に性的欲求から性犯罪を行ってしまったということだけで評価するのではなく,背景事情から問題を分析して改善策を検討しなければなりません。

公務員が性犯罪を行ってしまったら,逮捕される可能性があります。

公務員という社会的地位の重要性から,一般の人よりも実名報道される可能性は高まります。

逮捕・勾留され,長期間身体拘束されるかもしれません。

職場にばれたら,懲戒処分を受けることになります。

起訴されて禁錮以上の刑に処されたら,執行猶予でも自動失職となります。

公務員が犯罪を行ってしまったら,一般の人より失うものが大きくなります。

迅速で慎重な対応が必要になります。

以下では,性犯罪の中でも,公然わいせつ罪,いわゆる痴漢の条例違反,不同意わいせつ罪,不同意性交等罪について説明します。

公然わいせつ罪

公然とわいせつな行為をした者は、公然わいせつ罪が成立し,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます。(刑法174条)

公然わいせつ罪を行ってしまい,当事務所へご相談に来られる公務員の方は存在します。

お話を聞くと,やはり普段は真面目な方ですが,職場でのストレスが強すぎて,精神的な問題を生じてしまったのではないかと疑われるケースがあります。

いわゆる痴漢としての条例違反

各地方公共団体の迷惑行為防止条例により,いわゆる痴漢行為の処罰が定められています。

何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、衣服等の上から、又は直接身体に触れることをしたら,犯罪として処罰されます。

女性の服の上からお尻を触るようなケースが想定されています。

より程度が強くなり,服の上からでも胸を触るようなケースは次の不同意わいせつ罪となります。

不同意わいせつ罪

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪が成立し,6月以上10年以下の懲役刑に処されます(刑法176条1項)。

一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。

二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。

三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。

四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。

五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。

六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。

七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。

八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。

16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。

公務員による不同意わいせつ罪で多いのは,アルコールによるものです。

犯行時の記憶を失っているが,逮捕されて気づいたら警察署の留置場にいたというパターンも珍しくありません。

不同意性交等罪

不同意わいせつ罪の各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意性交等罪が成立し,5年以上の有期懲役刑に処されます(刑法177条)。

行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。

16歳未満の者に対し、性交等をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。

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公務員と性犯罪

公務員の勤務外での犯罪事件―公務員が公共の場で行う犯罪について、あいち刑事事件総合法律事務所が解説

2024-08-30

公務員といえども通勤や休日などは一般市民と同じですので、その際に問題行動を起こした場合、一般市民と同様に刑罰を受けます。一方で、公務員という特別な地位にあるため、勤務先(任命権者)から懲戒処分を受けることになります。ここでは、公務員が日常生活において犯罪を起こした場合について解説します。

法律違反について

公務員であっても、贈収賄罪(刑法第197条以下)のように公務員に限って成立したり刑が重くなる犯罪でなければ、一般市民と同様に刑罰を受けます。

任命権者による懲戒処分は、所属する国や地方公共団体の定める懲戒処分の基準に従って行われます。国家公務員の場合は、人事院の定める「懲戒処分の指針」によって行われます。地方公務員についても、同様の指針が定められています。行為の悪質性や被害者との示談の成立などにより変わってきます。

問題となる犯罪について

痴漢

電車内などの公共の乗り物内や駅、商業施設などの公共の場所で他人の臀部に触るなどすると、各都道府県の迷惑防止条例違反となります。刑罰は各都道府県の迷惑防止条例により変わってきます。東京都の迷惑防止条例では、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金と定められています(東京都迷惑防止条例第8条第1項第2号・第5条第1項第1号)。

痴漢行為の内容が、胸を触ったり下着を直接触るなどした場合、より悪質な態様ですので、不同意わいせつ罪(刑法第176条第1項第5号)が成立する可能性があります。法定刑は、6月以上10年以下とより重くなっています。

任命権者による懲戒処分については、国家公務員については、停職又は減給と定められています(「懲戒処分の指針」第2 標準例 3 公務外非行関係 (13)痴漢行為)。

地方公務員については、各地方公共団体で懲戒処分の指針が定められていますが、免職が含まれているところも多いです。現に、懲戒免職となる事例も多いです。

盗撮

駅、商業施設のトイレなどで盗撮をすると、迷惑防止条例違反となります。カメラで実際に撮影するだけでなく、カメラを差し向けたり設置するだけでも犯罪となります。また、不特定多数の使うことが予定されていない従業員用のトイレで盗撮した場合や、家の外から家の中を盗撮する場合も犯罪となるように定められているところもあります。刑罰は各都道府県の迷惑防止条例により変わってきます。東京都の迷惑防止条例では、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています(東京都迷惑防止条例第8条第2項第1号・第5条第1項第2号)。

令和6年6月20日以降の行為については、性器や肛門、それらを覆っている下着などを撮影する行為は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影等処罰法)」第2条の違反となります(性的姿態等撮影罪)。法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金とより重くなっています(同条第1項)。カメラを差し向けたり設置する行為は未遂罪となります(同条第2項)。

任命権者による懲戒処分については、国家公務員については、停職又は減給と定められています(「懲戒処分の指針」第2 標準例 3 公務外非行関係 (14)盗撮行為)。

地方公務員については、各地方公共団体で懲戒処分の指針が定められていますが、免職が含まれているところも多いです。現に、懲戒免職となる事例も多いです。

まとめ

このように、公務外で犯罪を行うと、刑罰を科せられるほか、懲戒処分を受けることになります。

公務員の方で公務外で犯罪を起こしてしまいお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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公務員と服務規律

公務員と痴漢ー公務員が痴漢をしてしまった場合に成立する犯罪について解説

2024-08-26

公務員の方で、痴漢事件を起こしてしまい、当事務所に相談・依頼されるケースが少なくありません。

日頃のストレスから、常習的に電車内等で行ってしまっている方もいます。

アルコールで酔ってしまい、女性に痴漢をしてしまうこともあります。

迷惑防止条例違反

いわゆる痴漢としては、各地方公共団体で作成されている条例の迷惑行為防止条例違反が問題になりやすいです。

服の上からでもお尻を触ったりするときに問題となります。

例えば、北海道迷惑行為防止条例では、以下のように規定されております。

「(卑わいな行為の禁止)

第2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。

ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。

(罰則)

第11条 第2条の2、第6条又は第9条第1項の規定のいずれかに違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

2 常習として、第2条の2、第6条又は第9条第1項の規定のいずれかに違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。」

不同意わいせつ罪

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪(刑法第176条第1項)が成立します。

一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。

二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。

三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。

四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。

五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。

六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。

七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。

八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

いわゆる痴漢としての不同意わいせつ罪は、服の上からでも胸や女性器等を触った場合に問題となります。

6月以上10年以下の懲役刑に処されることになり、罰金刑はありません。

痴漢事件を起こしたら

痴漢をしてしまったら、現行犯であればその場で逮捕、もしくは後に自宅や職場に警察官が来て令状逮捕されることがあります。

逮捕・勾留により、長期間身体拘束される可能性があります。

公務員という立場を重視され、一般の人では実名報道されないとしても、公務員として実名報道されてしまうことも少なくありません。

起訴されて刑事裁判を受けることになり、懲役刑の刑事処分となったら、執行猶予が付いたとしても自動失職となってしまいます。

不同意わいせつ罪では罰金刑がないため、基本的に起訴されて正式裁判となります。

迷惑行為防止条例違反で略式罰金処分となったとしても、勤務先から懲戒処分を受けることになります。

人事院が公表している「懲戒処分の指針について」では、「公共の場所又は乗物において痴漢行為をした職員は、停職又は減給とする。」と規定されております。

地方公共団体の場合さらに厳しい基準が設けられており、免職となることも多々あります。

痴漢事件を起こしてしまった公務員の方は、ぜひ早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談してください。

初回面談は無料です。

逮捕された場合は、有料の初回接見サービスがありますので、ご依頼いただけたらなるべく早く対応させていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務員の痴漢事件をこれまでに多数扱ってきました。

経験と実績が豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にぜひご相談ください。

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公務員と性犯罪

公務員と公文書の保護-公務員の公文書の保護や違反した場合の刑罰について解説

2024-08-22

神戸連続児童殺傷事件の裁判記録が破棄されていたことが発覚するなど、重要な公文書が内容を改ざんされていたり、破棄されていたことが問題となっています。

ここでは、公文書の保護について解説します。

行政における公文書の保護

公文書等の管理に関する法律は第1条で「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」としています。そして、行政文書の管理について、保存(第6条)や移管・廃棄(第7条)などについて定めています。もっとも、この法律に違反したからといって、罰則はありません。

公務員については、文書の破棄などをすると、懲戒処分の対象となります。国家公務員に関する「懲戒処分の指針」の「第2 標準例 1 一般含む関係」では、次のとおり定められています。

(13) 公文書の不適正な取扱い

ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。

イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。

ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。

裁判所における文書の保護

行政以外の公文書の保護については、三権の独立の観点から、それぞれ独自に定めています。公文書等の管理に関する法律でも、附則抄第13条で「国会及び裁判所の文書の管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。」としています。

裁判所の文書の管理については、最高裁判所が定めています。

参照

標準文書保存期間基準(保存期間表)

その他「司法行政文書の管理」についてはこちらをご覧ください。

裁判所の職員が違反した場合、国家・地方公務員とは別に、裁判所が自らの指針・基準にのっとって懲戒処分を行います。

公文書を破棄した場合の刑罰

公文書の破棄や改ざんについては、一般的な事件と同じく刑法により処罰されます。

公用文書等毀棄罪

公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、公用文書等毀棄罪に当たり、3月以上7年以下の懲役に処されます(刑法第258条)。

公文書偽造等罪

行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書を偽造した者は、公文書偽造罪に問われ、1年以上10年以下の懲役を科されます(刑法第155条第1項)。公文書を変造した者も、同様に処罰されます(刑法第155条第2項)。

無印公文書を偽造又は変造した場合は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます(刑法第155条第3項)。

虚偽公文書作成等罪

公務員が、自分自身で作成できる文書であっても、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造した場合は、虚偽公文書作成罪(刑法第156条)が成立します。有印公文書の場合、1年以上10年以下の懲役に処されます。無印公文書の場合、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます。

公文書偽造等罪は公務員以外でも犯すことができますが、虚偽公文書作成罪自体公務員でなければできない犯罪です。もっとも、公務員と共同して罪を犯したのであれば、公務員の身分がなくても、共犯となります(刑法第65条第1項・60条)。

まとめ

公務員は公文書について厳正に保存せねばならず、意図的に廃棄したり改ざんすれば、重い刑罰や懲戒処分を受けることになります。

公務員の方で公文書の保護についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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公文書偽造

公務員が盗撮事件を起こしてしまったらぜひご相談をー公務員が盗撮事件を起こした場合について解説

2024-08-05

公務員が盗撮事件を起こしてしまう事件が少なくありません。

当事務所でも、多数の公務員の盗撮事件のご相談・ご依頼が来ております。

公務員というお仕事はストレスが多く、うつ病のような症状が出て、ストレス解消のために盗撮を繰り返してしまうケースがあります。

性欲だけが犯行の原因ではないことが多いです。

性的姿態等撮影罪

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」において、「性的姿態等撮影罪」が規定されております。

性的姿態等撮影罪の主なものは、やはり盗撮です。

正当な理由がないのに、ひそかに、性的姿態等のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いた対象性的姿態等を撮影する行為をしたら、性的姿態等撮影罪が成立します。

性的姿態等は、以下のものをいいます。

・人の性的な部位である性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部

・人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるもの)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分

・わいせつな行為又は性交等(性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの)がされている間における人の姿態

未遂も罰せられます。

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処されます。

つまりは、盗撮して人の裸や下着を撮影したら犯罪として処罰されることになります。

盗撮事件が起きたら

盗撮事件が発覚したら、逮捕される可能性があります。

逮捕されたら、長期間身体拘束されるかもしれません。

公務員という立場を重視され、実名報道されることもあります。

職場に知られ、懲戒処分を受けることになります。

前科のある常習者は、起訴されて正式裁判となり、執行猶予が付いたとしても懲役刑を受けて、自動失職となります。

人事院が発表している「懲戒処分の指針について」では、盗撮行為について以下のように規定されております。

「盗撮行為

公共の場所若しくは乗物において他人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体の盗撮行為をし、又は通常衣服の全部若しくは一部を着けていない状態となる場所における他人の姿態の盗撮行為をした職員は、停職又は減給とする。」

弁護士に相談を

盗撮事件が起きたら、捜査機関の取調べを受けることになります。

きちんと取調べに対応して、問題のある調書が作成されないようにしなければなりません。

逮捕・勾留されたら、釈放を求めて身体拘束解放活動をすることになります。

証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張することになります。

そして何より、被害者との示談交渉をすることになります。

謝罪と示談金の支払いをし、示談が成立したら、不起訴となる可能性が高まります。

懲戒処分の可能性を見据えて、病院への通院や家族の監督等、再犯防止を含めた対応を検討することになります。

これらはいずれも迅速に対応しなければなりません。

人生に大きな悪影響が生じてしまうかもしれませんので、慎重な対応が必要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの公務員事件や盗撮事件を扱って解決に導いてきました。

公務員としての地位を踏まえて、盗撮事件で具体的にどのような対応が必要かを心得ております。

まずは無料の面談を受けてみてください。

逮捕されたら、ご家族の方はまずは有料の初回接見をご依頼ください。

懇切丁寧にご対応いたします。

刑事弁護はスピードが重要となりますので、なるべく早くご連絡ください。

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公務員の盗撮事件ー公務員が盗撮をした場合に成立する犯罪と懲戒処分について解説

公務員の懲戒免職-公務員が非違行為を起こして懲戒免職になるケースについて解説

2024-08-01

公務員は全体の奉仕者であり、国民生活を守る立場にあります。このような公務員が違法な行為をすることは、国民の信頼を裏切ることになります。公務員が違法な行為をした場合、懲戒処分を受け、場合によっては懲戒免職と言う厳しい処分が下されます。

ここでは、公務員が懲戒免職となるケースについて解説します。

懲戒免職

公務員の懲戒処分に関して、国家公務員では、人事院が「懲戒処分の指針」を定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。

懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。

第1 基本事項

本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

具体的な処分量定の決定に当たっては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。

また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。

地方公務員については、各地方公共団体が懲戒処分の指針について定めており、これに基づいて懲戒処分が行われます。

窃盗

公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となりました。サイズが少し大きいだけで処分が重すぎるなど、懲戒免職が重すぎるという批判もあります。

しかしながら、窃盗罪自体、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)という、重い刑罰が定められている犯罪です。

人事院の「懲戒処分の指針」でも、「他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。」とされています。

痴漢・盗撮

痴漢行為や盗撮行為については、国家公務員の「懲戒処分の指針」では、停職又は減給と定められています。

しかし、地方公務員については、各地方公共団体の定める指針では、免職まで含めている場合が多いです。

参照:「さいたま市職員の懲戒処分の指針」について

https://www.city.saitama.lg.jp/006/005/004/p002699.html

実際の処分についても、近年では基本的に免職とされています。

刑罰としても、痴漢は態様によっては迷惑防止条例違反では済まず、不同意わいせつ(刑法第176条第1項第5号)にあたり、6月以上10年以下という重い刑罰を科されます。

盗撮についても、迷惑防止条例違反だけでなく、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影処罰法)の違反(性的姿態等撮影罪)に該当すれば、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金という重い刑を科されます(同法第2条第1項)。

交通違反

交通違反の中でも、飲酒運転は特に重い懲戒処分が下されます。また、事故後の措置義務違反は、公務員が保身に走ったとして、重く処分されます。

国家公務員に関する「懲戒処分の指針」でも、

○酒酔い運転をした職員は、免職又は停職とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職とする。

○酒気帯び運転をした職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において人を死亡させ、又は人に傷害を負わせた職員は、免職又は停職(事故後の救護を怠る等の措置義務違反をした職員は、免職)とする。

○飲酒運転をした職員に対し、車両若しくは酒類を提供し、若しくは飲酒をすすめた職員又は職員の飲酒を知りながら当該職員が運転する車両に同乗した職員は、飲酒運転をした職員に対する処分量定、当該飲酒運転への関与の程度等を考慮して、免職、停職、減給又は戒告とする。

○人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせた職員は、免職、停職又は減給とする。この場合において措置義務違反をした職員は、免職又は停職とする。

○人に傷害を負わせた職員は、減給又は戒告とする。この場合において措置義務違反をした職員は、停職又は減給とする。

と定められています。

飲酒運転や措置義務違反をすると、重い懲戒処分を下されます。

まとめ

このように、公務員の懲戒処分は、想像よりも重く定められています。

公務員の方で懲戒処分についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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公務員のコンビニコーヒー窃盗事件-公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説

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