1.刑事事件を起こしてしまうと
刑事事件を起こしてしまった場合、逮捕や刑事処罰をはじめとして、刑事手続の中で行われることに対する不安は尽きないと思います。
警察官が自宅を訪れて逮捕(刑事訴訟法199条1項)されてしまえば、留置所で身体拘束がされ、外部との接触や連絡を制限されてしまいます。
検察官に起訴(刑事訴訟法247条)されてしまえば刑事裁判を受けることになり、そこで実刑判決が言い渡されれば、刑務所で服役しなければなりません。
逮捕や実刑判決はそれだけで日常生活を一変させてしまうほどの影響力を持ちますが、これらの刑事手続の過程で仕事を失ってしまうリスクも無視できません。刑事手続が開始してしまうと、まず勤務先に事件のことが知られてしまうという問題が生じます。
例えば、逮捕がされてしまうと、テレビや新聞により実名報道がされて、そこから勤務先に事件のことが発覚するおそれがあります。実名は伏せられている場合や報道がされなかった場合でも、逮捕に続く勾留決定によって身体拘束が長期化し(刑事訴訟法208条1項,同条2項)、無断欠勤が続いたことで事件が発覚してしまうこともあり得ます。
2.職場に発覚した場合
勤務先に事件のことが知られてしまった場合、就業規則に定める懲戒解雇事由に該当して失職してしまうリスクが生じてきます。
懲戒解雇以外にも、身体拘束が長期化して無断欠勤が続いたことを理由に解雇されてしまう可能性や、実刑判決が下されることで、事実上、勤務先に復職することができなくなってしまう可能性もあります。
3.公務員の場合
このように、刑事手続が開始することによって失職のおそれが生じてきますが、公務員の方の場合は、よりそのリスクが大きくなります。
まず公務員の場合、民間企業に勤める場合と異なり、失職するパターンが2種類あります。1つは懲戒免職による場合で、もう1つが法律上、当然に失職する場合です。
特に注意しなければいけないのは、法律に基づく失職リスクです。公務員の場合、刑事裁判において禁錮以上の刑で有罪判決が言い渡された場合、失職の事由に該当してしまいます(国家公務員法76条,同38条1号。地方公務員法28条4項,同16条1号)。
ポイントは、法律が定める失職の事由が実刑判決ではなく、有罪判決とされていることです。つまり、執行猶予(刑法25条1項)を獲得して刑務所服役を回避できたとしても、それだけでは失職を避けることができないことを意味します。
そのため、公務員の方の場合、そもそも検察官に公判請求をされないようにする必要があるわけです。弁護士に依頼すると、被害者との示談や検察官への意見書提出といった、起訴を回避するための重要な弁護活動が行えます。
反対に、勾留決定がされていない在宅事件では、自ら弁護士を依頼しない限り弁護士はつかないため、必要な弁護活動ができないという問題が生じます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を中心に取り扱う弁護士が多数所属しています。
これまで数多くの弁護対応に取り組んできた経験や実績を活かし、逮捕や刑事処罰のリスクのみならず、それに伴う失職リスクの回避にも全力で取り組みます。
初回の法律相談は無料で行っていますので、失職に対する不安がある公務員の方やそのご家族の方は、まずは弊所にご連絡ください。