Posts Tagged ‘公務員の犯罪’
公務員が自首をするときの注意-公務員が自首をする場合について解説

公務員といえども、犯罪を行ってしまい、逮捕されることがあります。
公務員が逮捕された場合、一般の人より実名報道される可能性が高くなります。
実名報道により、勤務先に事件が知られてしまい、懲戒処分を受けることになります。
実名報道によって、公務員の方ご本人だけでなく、家族の生活が壊れてしまいます。
もちろん、公務員が逮捕・勾留され、仕事に行けなくなり、結果として勤務先に事件が知られてしまうことになります。
公務員が逮捕によって受ける不利益は非常に大きいです。
そこで、状況次第では自首を検討することになります。
自首をすれば、逮捕されずに在宅捜査で進められることがあります。
しかし、とにかく警察に行って犯行を伝えるということではいけません。
慎重に自首をしないと、結局は逮捕されてしまうことになります。
刑事弁護に精通した弁護士に相談・依頼したうえで、慎重に対応することになります。
自首とは
刑法第42条第1項では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定されております。
自首は、犯人が捜査機関に対して自発的に自己の犯罪事実を申告し、その訴追を含む処分を求めることをいいます。
任意的な刑の減軽事由とされており、必ず減軽されることにはなりません。
自首で刑が減軽される根拠は、犯罪の捜査や犯人の処罰を容易にさせ、人の改悛・反省による非難・責任の減少にあります。
自首は、捜査機関に対する犯罪事実の申告を、自ら進んで自発的に行う必要があります。
申告の動機としては、必ずしも反省悔悟に出たものであることを要しません。
申告の内容としては、自己の犯罪事実の申告でなければなりません。
その申告は、犯行の重要部分を殊更隠したり、虚偽の事実を申告するものであってはなりません。
自首が成立するためには、一罪を構成する事実全体についての申告がなされなければなりません。
申告には、自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的又は黙示的に含まれていることを要します。
捜査機関に対する申告であることが必要です。
口頭による場合、犯人自身により検察官又は司法警察員の面前で犯罪事実の申告がされなければなりません。
電話による自首は、これが直ちに口頭による自首となるものではありませんが、直ちに司法警察員の面前に出頭しようとしている場合は、全体として自首とみることができます。
捜査機関に発覚する前の申告であることが必要です。
発覚とは、犯罪事実及び犯人の発覚をいいます。
犯罪事実が全く発覚していない場合はもちろん、犯罪事実は発覚していても犯人が誰であるかが発覚していない場合も、発覚する前に含まれます。
自首をどのようにするべきか
自首は刑の任意的・裁量的減軽事由です。
現実には、自首によっても裁判ではほとんど刑が減刑されないことが多いです。
しかし、自首をすることによって、証拠隠滅や逃亡のおそれを低くし、逮捕の可能性が小さくなる可能性があります。
逮捕されないことで、実名報道されるリスクも減ります。
反省の態度を示しながら、捜査に協力することを示すことで、むやみに勤務先に知られるリスクも低くなる可能性があります。自ら自首をしたことで、懲戒処分においても有利な事情として考慮されます。
そこで、弁護士に相談し、今回の事件内容であれば自首をすることで逮捕される可能性が低くなるかを検討します。
自首をすると判断したら、そのための準備をします。
事前に自首の上申書を作成し、本人の誓約書や家族の身元引受書を用意します。
警察に電話して、これから自首をすることを説明します。
弁護士と一緒に警察署に行き、自首の上申書、誓約書、身元引受書等を提出します。
本人が取調べを受けている最中は、弁護士は警察署内等で待機します。
自首はとにかくすればいいというものではないので、刑事弁護に精通した弁護士に相談・依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務員の方が自首をするケースをこれまでに多く扱ってきました。
初回面談は無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員犯罪と自首-自首とは、自首の流れ、自首のメリット・デメリット、公務員が自主をする際の注意
公務員と性的トラブルー公務員の不同意性交等罪について解説

これまでに強姦罪・強制性交等罪とされていた条文が、不同意性交等罪に改正されました。
相手との性行為について、安易に相手の同意があったと主張しても、簡単には認められないことが明確に示されることになりました。
このような性的なトラブルは公務員でも例外ではありません。
不同意性交等罪は重罪で、原則として5年以上の有期懲役で刑務所に入ることになります(刑法第177条第1項)。
相手の同意があると思って性行為に及んでも、後に相手が被害を訴えて、警察の捜査・取調べを受けることになり、逮捕されることがあります。
公務員が逮捕されたら、実名報道される可能性は高いです。
長期間身体拘束されて、起訴されて有罪となれば、公務員としての地位も失うことになります。
不同意性交等罪は、以下の各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて性交等をした者に成立します。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
性交等は、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものをいいます。
婚姻関係の有無にかかわらず成立します。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、不同意性交等罪が成立します。
16歳未満の者に対し、性交等をした者も、不同意性交等罪が成立します。この場合、不同意事由は関わりません(刑法第77条第3項)。
相手が同意していた、根拠をもって相手が同意していると思っていたら、犯罪は成立しません。
しかし、相手が同意していなかったと被害を訴えている状況で、こちらの主張を通すのは困難が伴います。
警察は必ずしも適正・公平に取調べをしてはくれません。
圧力をかけ、こちらに不利に誘導してきます。
取調べに対して慎重に対応する必要があり、刑事弁護に精通した弁護士がサポートしていかなければなりません。
起訴されてしまったら、無罪を主張していくことになります。
一度起訴されてしまうと高い確率で有罪となってしまいます。
証拠を深く分析して対応することになります。
相手が同意していなかったり、相手が同意していると安易に考えて行動してしまったら、被害者に対して示談交渉をする必要があります。
検察官が起訴をする前の、早い段階で示談を成立させなければなりません。
弁護士を通じて被害者に接触し、誠意をもって謝罪と被害弁償の話をし、示談を求めていくことになります。
相手が16歳未満であれば、不同意事由に関わらず犯罪となりますが、相手が16歳未満であることを知らなかったら不同意性交等罪は成立しません。
年齢について知っていなかったとしても、警察は違法・不当な取調べでこちらに不利に話を誘導してくることがあります。
公務員とはいえ刑事手続きについては素人であり、プロの警察官に対抗するのは非常に難しいです。
プロの弁護士のサポートを受けながら対応することになります。
当事務所では公務員の男女間トラブルの刑事事件をこれまでに多数扱ってきました。
経験のある弁護士が対応させていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。
こちらの記事もご覧ください。
公務員と不同意わいせつ罪ー不同意わいせつ事件で相談・依頼される公務員の方が増えております
公務員の懲戒処分と刑事事件-不起訴でも懲戒免職となる場合について解説

公務員の方であれば、刑事事件を起こして裁判を受け、何らかの刑罰を受ければ懲戒処分を受け、場合によっては懲戒免職となることをお分かりかと思います。
また、懲戒処分の重さも基本的には刑事処分の重さに比例しますし、そのこともおそらく想像がつくと思います。
しかし、刑事事件で不起訴処分となっても懲戒免職となるケースがあります。
今回は、最近のニュースを参考に、不起訴処分でも懲戒免職になる例について解説したいと思います。
関係ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/9d8b57bb8e1877f37def9738a8d1f4f042eeefce
(Yahoo!ニュース。令和6年10月23日閲覧)
以下、引用文
去年10月、北海道北見市で大麻を使用したとして、20代の男性消防士が懲戒免職となりました。
~中略~
北見地区消防組合によりますと、懲戒免職となった20代の男性消防士は、去年10月、北見市内で違法薬物と認識しながら大麻を譲り受けて使用したということです。
男性消防士は、今年5月31日付けで不起訴となっていましたが、北見地区消防組合は、その後の内部調査で男性消防士が大麻を使用したことを認めたことなどから、免職処分としました。
北見地区消防本部山田敏文消防長は「職員の不祥事により地域住民の信頼を大きく損ねたことを深くお詫び申し上げます。公務員である以前に社会人としてあってはならない行為であり、職員一人一人の倫理観の醸成を図るとともに、再発防止に取り組み、地域住民の信頼回復に努めてまいります」とコメントしています。
関係法令について
関係法令は、以下の通りです。紹介するのは国家公務員関係ですが、各自治体にも類似した運用をするところが多いと思われます。
懲戒処分の指針について
第2 標準例
3 公務外非行関係
(10) 麻薬等の所持等
麻薬、大麻、あへん、覚醒剤、危険ドラッグ等の所持、使用、譲渡等をした職員は、免職とする。
懲戒処分の基準においては、刑事処分での確定判決を要件としていません。また、明確に法律に違反することも要件とはしていません。
したがって、処分権者が、十分な事実が揃っていると判断し、公務員として相応しくないと判断すれば、懲戒処分は行われることになります。
弁護活動
ニュースの事例については、「内部調査」となっていますが、処分を受けた男性職員から何らかの聴き取りを行っていることが考えられます。その聞き取りが、誰に相談する間もなく行われ、対応が上手くいっていない可能性があります。
弁護士がついていれば、ウソをつくなどをお助けすることはできませんが、懲戒処分がなるべくされないような対応が可能かもしれません。さらに、捜査段階から弁護士が関わることができれば、より懲戒処分がなされない可能性が高くなるでしょう。
捜査機関や、職場は、あなたがなるべくだれにも相談していない状態で証言・証拠を取って来ようとします。そのため、心当たりがあるのであれば早めに弁護士に相談することが重要です。
まとめ
麻薬関係だけではなく、その他の関係の事件でも、不起訴になったのに処分を受ける、という可能性が出てくるかもしれません。例えば、18歳以上の異性だと思って性的な関係を持ったのに、実は18歳未満だった、というような場合もあるでしょう。そのほか、警察では自分に有利な主張が出来ていた人でも、職場での聴き取りでは自分に不利なことを言ってしまうかもしれません。
そのような場合に、どう動いていくのか、何をどう主張するのか、弁護士と一緒に考えていくことで、良い結果が得られる可能性が上がります。
刑事処分と懲戒処分の関係でお悩みの公務員の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員と懲戒処分-公務員がパパ活でお金を払って女性に会う行為をしていた場合について解説
公務員の性犯罪と面会要求―公務員の十六歳未満の者に対する面会要求等罪について解説

公務員による性犯罪事件は少なくありません。
ネットニュースでも逮捕された多数の公務員による性犯罪事件が報道されています。
公務員はその地位の重要性から、実名報道されることが多いです。
当事務所へも、公務員の方が性犯罪事件を起こして相談・依頼されるケースが多数あります。
最近は、警察がサイバーパトロールをして、ネット上から性犯罪事件を発見し、犯人特定まで行くケースも増えてきました。
「十六歳未満の者に対する面会要求等罪」が新設され、インターネットに書き込んで被害者へ面会を要求しただけで犯罪とされるようになりました。
そこから、更に重大な犯罪が発覚し、逮捕となることも珍しくありません。
昔にネットに書き込んだことについて、結構な時間が経過してからいきなり自宅に警察が来て捜査・取調べを受け、スマートフォンやパソコンが押収され、逮捕されることもあります。
安易な気持ちで行ってしまったことにより、勤務先から懲戒処分や免職となってしまい、公務員としてのこれまでの平穏な生活が壊れてしまいます。
十六歳未満の者に対する面会要求等罪は刑法第182条に定められており、わいせつの目的で、16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者に成立します。
一 威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
二 拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
三 金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
更にわいせつの目的で当該16歳未満の者と実際に面会をした者は、より重く処罰されます。
16歳未満の者と実際に会い、わいせつな行為をしたら不同意わいせつ罪、性交等をしたら不同意性交等罪が成立します。
相手が16歳未満であれば、同意があっても無効とされ、犯罪が成立します。
特に不同意性交等罪は5年以上の有期懲役刑という重い犯罪で、執行猶予が認められる可能性は低く、実刑で長期間刑務所に入ることになります。
16歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為を要求した者も、犯罪が成立します。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
実際にこれらの映像を送信させたら、不同意わいせつ罪が成立します。
公務員が犯罪を行ってしまった場合、懲戒処分を受けるなど、失うものが非常に大きく、その人や家族の人生に甚大な悪影響が生じます。
人生に取り返しの付かないことになってしまうかもしれません。
このような公務員犯罪の特質を踏まえたうえで、専門家による適切で素早い対応が必要になります。
公務員犯罪事件の弁護活動には、特殊で高度な知識と経験が求められ、どの弁護士に依頼するかによって、人生が大きく左右されることも多くあります。
公務員の方が十六歳未満の者に対する面会要求等罪を行ってしまったら、すぐに弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務員による性犯罪事件をこれまでに多数扱って解決に導いており、実績があります。
懲戒処分や免職のリスクに具体的にどのように対応すればいいか、具体的に分析したうえで解決に導いていきます。
取調べ対応、釈放対応、被害者対応、裁判対応等、検討しなければならないことは多岐に渡ります。
公務員による性犯罪事件について精通している弁護士が対応させていただきます。
まずは無料の面談を受けてみてください。
逮捕された場合は、家族等が有料の初回接見サービスを依頼されることができます。
迅速に熱心に対応させていただきます。
0120-631-881までお気軽にお電話してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は全国展開して各地に支部がございます。
刑事弁護は迅速な対応が必要となりますので、なるべく早くご連絡をお願いいたします。
こちらの記事もご覧ください
公務員による未成年者に対する性犯罪―公務員から未成年者に対して成立し得る性犯罪について解説
就職前の犯罪行為-就職前の犯罪行為が公務員の職にどのような影響を及ぼすかについて解説

現在公務員として在職している人が犯罪行為を行い、警察に逮捕されて裁判で有罪になった場合に、懲戒処分を受けることは公務員の皆様であれば容易に想像できるかと思います。
では、公務員になる前に犯罪行為を行い、それが立件されて公訴時効にかかる見込みがない場合はどうなるのでしょうか?
法的な説明と、懲戒処分等に対する対処をご説明したいと思います。
関係法令について
公務員の犯罪についての関係法令は以下の通りです。
(欠格条項)
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則で定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(懲戒の場合)
第八十二条 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
三国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
(懲戒)
第二十九条 職員が次の各号のいずれかに該当する場合には、当該職員に対し、懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
三全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
国家公務員法、地方公務員法どちらも、「職員が」非行に走った場合に懲戒をすることができると定めているので、就職前の犯罪行為によって直接的に懲戒処分をすることができるわけではありません。
しかし、
(欠格による失職)
第七十六条 職員が第三十八条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、人事院規則で定める場合を除くほか、当然失職する。
(降任、免職、休職等)
第二十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
4 職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
とあるので、公務員になった後に懲役・禁錮の有罪判決を受けるとどちらも当然失職します。
弁護活動
ここまで説明してきたように、公務員として行ったわけではない犯罪についても、直接的な懲戒の理由にはならないまでも、刑事裁判にかけられてしまえば当然失職の理由になります。結局公務員になる前の犯罪行為が分かってしまえば職場には居づらくなってしまうわけですが、発覚していなければ、まだ在職の余地はあります。そのため、公務員の方にあっては一般の方より一層刑事処分に関して気を配る必要があります。被害者がいるけれどもまだ警察に被害届などを出していない、というケースなら、なおのこと弁護活動が効果を発揮する可能性があります。
また、職場によっては懲戒処分などをちらつかせてくる可能性があるのですが、基本的には懲戒処分にはならないと考えられるので、そのような場合は職場に対して懲戒の事由には該当しない旨申し入れていくことも考えていく必要はあります。
いずれにしても、まずは公務員になる前の犯罪行為について心当たりがある段階か、警察の捜査が入った初めの段階で弁護士に相談することが有効でしょう。
まとめ
このように、公務員が就職前に行った犯罪行為でも、失職等のリスクが生じていることになります。実際にこの記事をお読みの方には、就職前に行ってしまった犯罪行為でお悩みの方もいるかもしれません。
そのような場合に、どう動いていくのか、何をどう主張するのか、弁護士と一緒に考えていくことで、良い結果が得られるかもしれません。
公務員になる前の犯罪行為でお悩みの公務員の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員の懲戒免職-公務員が非違行為を起こして懲戒免職になるケースについて解説
公務員の公益通報―公務員が公益通報をする場合に考慮するべきことについて解説

公務員であっても、内部での贈収賄などの汚職、深刻なパワハラなど告発するべき不祥事に遭遇するかもしれません。しかし、このような場合、そもそも守秘義務に違反してしまうのではないか、組織から報復を受けるのではないかと心配するかもしれません。ここでは、公務員の公益通報について解説します。
公益通報の主体
公益通報者保護法は、第2条第1項で、「公益通報」について、「次の各号に掲げる者が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、当該各号に定める事業者(法人その他の団体及び事業を行う個人をいう。以下同じ。)(以下「役務提供先」という。)又は当該役務提供先の事業に従事する場合におけるその役員(法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法令(法律及び法律に基づく命令をいう。以下同じ。)の規定に基づき法人の経営に従事している者(会計監査人を除く。)をいう。以下同じ。)、従業員、代理人その他の者について通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしている旨を、当該役務提供先若しくは当該役務提供先があらかじめ定めた者(以下「役務提供先等」という。)、当該通報対象事実について処分(命令、取消しその他公権力の行使に当たる行為をいう。以下同じ。)若しくは勧告等(勧告その他処分に当たらない行為をいう。以下同じ。)をする権限を有する行政機関若しくは当該行政機関があらかじめ定めた者(次条第二号及び第六条第二号において「行政機関等」という。)又はその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生若しくはこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者(当該通報対象事実により被害を受け又は受けるおそれがある者を含み、当該役務提供先の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある者を除く。次条第三号及び第六条第三号において同じ。)に通報すること」と定めています。
公益通報者保護法第2条第1項1号の「労働者」とは、労働基準法第9条に定める「職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者」をいいます。公務員も原則として労働者に該当します。
公務員の守秘義務との関係
国家公務員は、国家公務員法100条1項において、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」と定められています。地方公務員についても、地方公務員法で同様に定められています(地方公務員法34条1項)。これらの規定に違反して秘密を洩らしたときは、いずれも1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(国家公務員法109条12号、地方公務員法60条2号)。
それでは、職務上知ってしまった事実については、違法不当なことであっても、誰にも言えないのでしょうか。
国家公務員法の「秘密」とは、「非公知の事項であつて、実質的にもそれを秘密として保護するに価すると認められるもの」とされています(昭和52年12月19日最高裁第二小法廷決定(徴税トラの巻事件))。
また、いわゆる外務省秘密漏洩事件(昭和53年5月31日最高裁第一小法廷決定)では、「政府が右のいわゆる密約によつて憲法秩序に抵触するとまでいえるような行動をしたものではないのであつて、違法秘密といわれるべきものではなく、この点も外交交渉の一部をなすものとして実質的に秘密として保護するに値するものである。したがつて・・・秘密にあたる」と判示されています。
これらの判例が示しているように、憲法秩序に抵触したり違法なものではなく、実質的に秘密として保護に値するものが「秘密」として保護されます。
したがって、違法な事実はもはや守秘義務の対象となる「秘密」とはいえないでしょう。
また、公務員は、職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならないと定められています(刑事訴訟法239条2項)。職務上知った違法な事実については、むしろ通報することが求められます。
よって、公務員が職上違法な事実を発見したときは、その是正のために公益通報をすることができます。
参照
○公益通報者保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドライン
overview_220127_0002.pdf (caa.go.jp)
○行政機関向けQ&A(内部の職員等からの通報)
行政機関向けQ&A(内部の職員等からの通報) | 消費者庁 (caa.go.jp)
弁護士に相談を
このように公務員であっても法律上公益通報をすることができます。一方で、問題となっている具体的な事実を通報することが公益通報となるのか、法律上は可能といっても本当に大丈夫なのか、不安になることもあるかと思います。このようなときは弁護士にご相談ください。
弁護士もまた守秘義務を負っています(弁護士法第23条・弁護士職務基本規程第23条、刑法第134条第1項)。弁護士に相談いただいた内容が漏れることはありません。
お話しいただいた情報を基に、ご懸念の事実を公益通報できるのか、違法に不利益を科された場合どのようにするべきなのか、アドバイスさせていただきます。
公益通報についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員が刑事事件を起こしたらご相談くださいー公務員が刑事事件を起こした場合の流れ

公務員が犯罪を行ってしまったら、逮捕される可能性があります。
その場で現行犯逮捕されるかもしれませんし、時間が経ってから令状逮捕される可能性があります。
しかも、逮捕された場合、公務員としての地位を重視され、一般の人よりも実名報道される可能性が高まります。
逮捕されたら、その後も勾留となり、長期間身体拘束されることになるかもしれません。
実名報道されたり、長期間身体拘束されたら、勤務先に事件が知られてしまうことになります。
起訴されて禁錮以上の刑事処分を受けたら、執行猶予だったとしても自動的に公務員を失職することとなります。
起訴された段階でも休職となり、仕事に出られなくなるかもしれません。
罰金や不起訴だったとしても、懲戒処分を受ける可能性があります。
人事院が示している「懲戒処分の指針について」では、具体的な処分量定の決定に当たっては、
① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか
② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか
③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか
④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか
⑤ 過去に非違行為を行っているか
等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする、とされており、非違行為ごとに標準例が示されております。
各地方公共団体においても、懲戒処分の指針が示されております。
公務員が犯罪を行ってしまったら、すぐに弁護士に相談しましょう。
逮捕前であれば、どうすれば逮捕される可能性を低くできるかを検討します。
すぐに被害者と示談交渉をするのか、警察に自首するのか、等を個別の状況に応じて判断していきます。
逮捕されたら、早期の釈放を求めていきます。
証拠隠滅や逃亡のおそれがないこと等を、深く分析して裁判所等に主張していきます。
ご家族に身元引受人になっていただき、協力しながら釈放を求めていきます。
被害者がいる犯罪では、早期に被害者に接触して示談交渉をすることになります。
とにかく示談金を払えばいいということではなく、被害者の意向も確認しながら進めていきます。
示談が成立したら、早期に釈放となり、起訴猶予となる可能性が高まります。
犯罪をしていないにもかかわらず犯行を疑われているのであれば、より慎重な対応が必要になります。
警察官は、取調べで威圧してきたり、不当に誘導してきたりして、無理やり犯行を認めさせようとしてくることがあります。
プロである警察官に対し、公務員といえども刑事手続きについて素人であれば、取調べにきちんと対応することは容易ではありません。
刑事弁護について心得ている弁護士に相談・依頼し、対応していかなければなりません。
警察の違法・不当な取調べに対し、黙秘をしたり、抗議書面を提出したり、状況に応じて判断して毅然と対抗しなければなりません。
不起訴を目指していくことになりますが、もし起訴されたら、裁判で無罪を求めて闘っていくことになります。
公務員の方が犯罪を行ってしまった場合、一般の人よりも失うものが大きくなる可能性があります。
なるべく早く弁護士に相談・依頼し、対応していかなければなりません。
しかも、弁護士であれば誰でもいいということではなく、刑事事件についての能力が高い弁護士に相談・依頼した方が上手く解決される可能性は高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまでに数多くの刑事事件を扱い、解決に導いてきました。
公務員の刑事事件も多数扱ってきており、その対応方法についても心得ております。
公務員の方やそのご家族は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員が性犯罪事件を起こしたらご相談をー公務員の起こし得る性犯罪について解説

公務員の性犯罪事件についての当事務所へのご相談・ご依頼は少なくありません。
以前から偏った性癖があり常習的に行っている人もいますが,職場のストレスから精神に問題を生じたり,アルコールの影響で行ってしまう人も多いです。
普段真面目な公務員の方ほど,ストレスによる精神的な問題を生じたり,アルコールの飲み過ぎで記憶を失って性犯罪を行ってしまうケースがあるように感じます。
単に性的欲求から性犯罪を行ってしまったということだけで評価するのではなく,背景事情から問題を分析して改善策を検討しなければなりません。
公務員が性犯罪を行ってしまったら,逮捕される可能性があります。
公務員という社会的地位の重要性から,一般の人よりも実名報道される可能性は高まります。
逮捕・勾留され,長期間身体拘束されるかもしれません。
職場にばれたら,懲戒処分を受けることになります。
起訴されて禁錮以上の刑に処されたら,執行猶予でも自動失職となります。
公務員が犯罪を行ってしまったら,一般の人より失うものが大きくなります。
迅速で慎重な対応が必要になります。
以下では,性犯罪の中でも,公然わいせつ罪,いわゆる痴漢の条例違反,不同意わいせつ罪,不同意性交等罪について説明します。
公然わいせつ罪
公然とわいせつな行為をした者は、公然わいせつ罪が成立し,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処されます。(刑法174条)
公然わいせつ罪を行ってしまい,当事務所へご相談に来られる公務員の方は存在します。
お話を聞くと,やはり普段は真面目な方ですが,職場でのストレスが強すぎて,精神的な問題を生じてしまったのではないかと疑われるケースがあります。
いわゆる痴漢としての条例違反
各地方公共団体の迷惑行為防止条例により,いわゆる痴漢行為の処罰が定められています。
何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、衣服等の上から、又は直接身体に触れることをしたら,犯罪として処罰されます。
女性の服の上からお尻を触るようなケースが想定されています。
より程度が強くなり,服の上からでも胸を触るようなケースは次の不同意わいせつ罪となります。
不同意わいせつ罪
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意わいせつ罪が成立し,6月以上10年以下の懲役刑に処されます(刑法176条1項)。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。
16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。
公務員による不同意わいせつ罪で多いのは,アルコールによるものです。
犯行時の記憶を失っているが,逮捕されて気づいたら警察署の留置場にいたというパターンも珍しくありません。
不同意性交等罪
不同意わいせつ罪の各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、不同意性交等罪が成立し,5年以上の有期懲役刑に処されます(刑法177条)。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。
16歳未満の者に対し、性交等をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。
こちらの記事もご覧ください
公務員の勤務外での犯罪事件―公務員が公共の場で行う犯罪について、あいち刑事事件総合法律事務所が解説

公務員といえども通勤や休日などは一般市民と同じですので、その際に問題行動を起こした場合、一般市民と同様に刑罰を受けます。一方で、公務員という特別な地位にあるため、勤務先(任命権者)から懲戒処分を受けることになります。ここでは、公務員が日常生活において犯罪を起こした場合について解説します。
法律違反について
公務員であっても、贈収賄罪(刑法第197条以下)のように公務員に限って成立したり刑が重くなる犯罪でなければ、一般市民と同様に刑罰を受けます。
任命権者による懲戒処分は、所属する国や地方公共団体の定める懲戒処分の基準に従って行われます。国家公務員の場合は、人事院の定める「懲戒処分の指針」によって行われます。地方公務員についても、同様の指針が定められています。行為の悪質性や被害者との示談の成立などにより変わってきます。
問題となる犯罪について
痴漢
電車内などの公共の乗り物内や駅、商業施設などの公共の場所で他人の臀部に触るなどすると、各都道府県の迷惑防止条例違反となります。刑罰は各都道府県の迷惑防止条例により変わってきます。東京都の迷惑防止条例では、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金と定められています(東京都迷惑防止条例第8条第1項第2号・第5条第1項第1号)。
痴漢行為の内容が、胸を触ったり下着を直接触るなどした場合、より悪質な態様ですので、不同意わいせつ罪(刑法第176条第1項第5号)が成立する可能性があります。法定刑は、6月以上10年以下とより重くなっています。
任命権者による懲戒処分については、国家公務員については、停職又は減給と定められています(「懲戒処分の指針」第2 標準例 3 公務外非行関係 (13)痴漢行為)。
地方公務員については、各地方公共団体で懲戒処分の指針が定められていますが、免職が含まれているところも多いです。現に、懲戒免職となる事例も多いです。
盗撮
駅、商業施設のトイレなどで盗撮をすると、迷惑防止条例違反となります。カメラで実際に撮影するだけでなく、カメラを差し向けたり設置するだけでも犯罪となります。また、不特定多数の使うことが予定されていない従業員用のトイレで盗撮した場合や、家の外から家の中を盗撮する場合も犯罪となるように定められているところもあります。刑罰は各都道府県の迷惑防止条例により変わってきます。東京都の迷惑防止条例では、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています(東京都迷惑防止条例第8条第2項第1号・第5条第1項第2号)。
令和6年6月20日以降の行為については、性器や肛門、それらを覆っている下着などを撮影する行為は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影等処罰法)」第2条の違反となります(性的姿態等撮影罪)。法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金とより重くなっています(同条第1項)。カメラを差し向けたり設置する行為は未遂罪となります(同条第2項)。
任命権者による懲戒処分については、国家公務員については、停職又は減給と定められています(「懲戒処分の指針」第2 標準例 3 公務外非行関係 (14)盗撮行為)。
地方公務員については、各地方公共団体で懲戒処分の指針が定められていますが、免職が含まれているところも多いです。現に、懲戒免職となる事例も多いです。
まとめ
このように、公務外で犯罪を行うと、刑罰を科せられるほか、懲戒処分を受けることになります。
公務員の方で公務外で犯罪を起こしてしまいお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
公務員と公文書の保護-公務員の公文書の保護や違反した場合の刑罰について解説

神戸連続児童殺傷事件の裁判記録が破棄されていたことが発覚するなど、重要な公文書が内容を改ざんされていたり、破棄されていたことが問題となっています。
ここでは、公文書の保護について解説します。
行政における公文書の保護
公文書等の管理に関する法律は第1条で「この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。」としています。そして、行政文書の管理について、保存(第6条)や移管・廃棄(第7条)などについて定めています。もっとも、この法律に違反したからといって、罰則はありません。
公務員については、文書の破棄などをすると、懲戒処分の対象となります。国家公務員に関する「懲戒処分の指針」の「第2 標準例 1 一般含む関係」では、次のとおり定められています。
(13) 公文書の不適正な取扱い
ア 公文書を偽造し、若しくは変造し、若しくは虚偽の公文書を作成し、又は公文書を毀棄した職員は、免職又は停職とする。
イ 決裁文書を改ざんした職員は、免職又は停職とする。
ウ 公文書を改ざんし、紛失し、又は誤って廃棄し、その他不適正に取り扱ったことにより、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
裁判所における文書の保護
行政以外の公文書の保護については、三権の独立の観点から、それぞれ独自に定めています。公文書等の管理に関する法律でも、附則抄第13条で「国会及び裁判所の文書の管理の在り方については、この法律の趣旨、国会及び裁判所の地位及び権能等を踏まえ、検討が行われるものとする。」としています。
裁判所の文書の管理については、最高裁判所が定めています。
参照
その他「司法行政文書の管理」についてはこちらをご覧ください。
裁判所の職員が違反した場合、国家・地方公務員とは別に、裁判所が自らの指針・基準にのっとって懲戒処分を行います。
公文書を破棄した場合の刑罰
公文書の破棄や改ざんについては、一般的な事件と同じく刑法により処罰されます。
公用文書等毀棄罪
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、公用文書等毀棄罪に当たり、3月以上7年以下の懲役に処されます(刑法第258条)。
公文書偽造等罪
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書を偽造した者は、公文書偽造罪に問われ、1年以上10年以下の懲役を科されます(刑法第155条第1項)。公文書を変造した者も、同様に処罰されます(刑法第155条第2項)。
無印公文書を偽造又は変造した場合は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます(刑法第155条第3項)。
虚偽公文書作成等罪
公務員が、自分自身で作成できる文書であっても、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造した場合は、虚偽公文書作成罪(刑法第156条)が成立します。有印公文書の場合、1年以上10年以下の懲役に処されます。無印公文書の場合、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます。
公文書偽造等罪は公務員以外でも犯すことができますが、虚偽公文書作成罪自体公務員でなければできない犯罪です。もっとも、公務員と共同して罪を犯したのであれば、公務員の身分がなくても、共犯となります(刑法第65条第1項・60条)。
まとめ
公務員は公文書について厳正に保存せねばならず、意図的に廃棄したり改ざんすれば、重い刑罰や懲戒処分を受けることになります。
公務員の方で公文書の保護についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
こちらの記事もご覧ください
« Older Entries Newer Entries »
