Posts Tagged ‘汚職’

公務員の職権濫用-公務員が自身の職権を濫用した場合に成立する犯罪について解説

2024-11-29

公務員の中には一般国民が持てないような強力な権限を持ち、逮捕のように国民の権利利益を強制的に制約することもできます。このような公務員がその職権を濫用すれば、公務の適正が害され、公務に対する国民の信頼も損なわれてしまいます。
近年では、警察官や刑務所職員の収容者への対応や、検察官の侮辱的な取調べが問題となっています。
ここでは、公務員が職権を濫用した場合に成立する犯罪について解説します。

職権濫用罪
職権を濫用して国民の権利利益を侵害した場合、害悪が重く、公務の適正を害するため、職権乱用を処罰する規定が定められています。特に人の身体を強制的に拘束する職権を濫用した場合は、害悪が甚大であるため、より重く処罰されます。

公務員職権濫用
公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、公務員職権濫用罪が成立し、2年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第193条)。
「職権」とは公務員の一般的職務権限に属する行為を指します。「濫用」とは、この職権の行使に仮託して、実質的、具体的に違法・不当な行為をすることをいいます。
公務員職権濫用罪は2年以下の懲役に処すると定められており、3年以下の懲役に処される強要罪(刑法第223条)より刑罰が軽くなっています。これは、公務の適正の確保という抽象的な利益を保護法益としており、また暴行や脅迫のような害悪の程度の強い行為を用いなくても犯罪が成立しうるためです。一方で、公務員職権濫用罪に該当する行為でも、暴行や、生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した場合は、強要罪のみが成立するとされています。強要罪の場合は、公務員職権濫用罪と違い未遂罪も処罰されます(刑法第223条第3項)。

特別公務員職権濫用
裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、6月以上10年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第194条)。
本罪の主体は、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、のほか、裁判所書記官などが該当します。
これらの公務員は刑事司法に関して職務上逮捕等により人を拘束する権限を有しています。このような職権を濫用することは害悪が甚大であるため、一般人でも行える逮捕監禁罪(刑法第220条。3月以上7年以下の懲役)よりも刑罰が重くなっています。

特別公務員暴行陵虐
裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、特別公務員暴行陵虐罪が成立し、7年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第195条第1項)。法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、同様に処罰されます(刑法第195条第2項)。
第1項の罪の主体は、特別公務員職権濫用罪と同じく、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、裁判所書記官などが該当しますが、人を逮捕監禁する権限を有しない者も対象になります。
暴行とは暴行罪などと同じく身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
陵辱とは辱める行為や精神的に苦痛を与える行為、加虐とは苦しめる行為や身体に対する直接の有形力の行使以外の肉体的な苦痛を加える行為などをいいます。わいせつ行為など、暴行以外の方法で精神的又は肉体的に苦痛を与える行為が該当します。
第2項の「法令により拘禁された者」とは、逮捕や勾留されている者など、法令上の規定に基づいて公権力により拘禁されている者をいいます。このような者を「看取又は護送する者」が本罪の主体となります。

特別公務員職権濫用等致死傷
特別公務員職権濫用罪や特別公務員暴行陵虐罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法第196条)。
禁錮より懲役刑の方が重いです(刑法第9条・第10条第1項)。傷害罪は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第204条)、傷害致死罪は3年以上の有期懲役(刑法第205条)に処されます。特別公務員職権濫用罪は6月以上10年以下と、短期については傷害罪より重いため、特別公務員職権濫用致傷罪の場合は6月以上15年以下の懲役刑が科されます。
特別公務員暴行陵虐罪は7年以下の懲役又は禁錮と、傷害罪より軽いため、特別公務員暴行陵虐致傷罪は1月以上15年以下の懲役刑が科されます。
致死罪はどちらも3年以上20年以下の懲役となります。

懲戒処分
国家公務員の懲戒処分の基準である「懲戒処分の指針について」では、このような職権濫用については標準例に載せられていません。しかし、「懲戒処分の指針について」では、「なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取扱いを参考としつつ判断する。」とされています。このような職権濫用は公務員と公務に対する国民の信頼を大きく損ねますので、強い非難に値し、重い懲戒処分が下されるでしょう。

おわりに
以上のように、公務員が職権濫用をすると、重い刑罰や懲戒処分を下される可能性が高いです。そのため、早期に弁護士に相談して対応を決めるべきです。
公務員の方で職権濫用が心配な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

こちらの記事もご覧ください。
汚職の罪

公務員の外国での反罪―公務員が外国で犯罪を犯した場合の法の適用や処罰について解説

2024-05-30

外国で犯罪に当たる行為を行えば、その国の法律に従い捜査され、逮捕や裁判などが行われます。しかし、犯罪によっては、日本の法律により処罰できる場合があります。日本の公務員の場合には、特別な例外があります。

日本の法律に違反したとき

国外犯

刑法は原則として、日本国内において罪を犯した者を対象としています(刑法第1条第1項)。船舶や航空機内は「旗国主義」により、その国の管轄権に服しますので、日本船舶や日本航空機内での行為は、日本の刑法が適用の対象となります(同条第2項)。

一方で、法益の保護を実質的にするために、一定の犯罪については、国外で行われたものであっても日本の法律を適用する必要があります。

内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助(刑法第2条第2号)や通貨偽造及び行使等(刑法第2条第4号)といった、我が国に重大な害悪を与えるような行為をした者には日本国外においても適用されます(刑法第2条柱書)。

贈賄(刑法第3条第6号)や殺人(刑法第3条第7号)といった、重大な犯罪については日本国外において罪を犯した日本国民にも適用されます(刑法第3条)。児童買春なども同様に適用されます(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第10条)

なお、殺人(刑法第3条の2第2号)など日本国民に対して重大な害悪を与える犯罪では、日本国外において日本国民に対して罪を犯した日本国民以外の者にも適用されます(刑法第3条の2)。

公務員については、

第101条(看守者等による逃走援助)の罪及びその未遂罪

第156条(虚偽公文書作成等)の罪

第193条(公務員職権濫用)、第195条第2項(特別公務員暴行陵虐)及び第197条から第197条の4まで(収賄、受託収賄及び事前収賄、第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっせん収賄)の罪並びに第195条第2項の罪に係る第196条(特別公務員職権濫用等致死傷)の罪

について、日本国外において罪を犯した場合も適用されます(刑法第4条)。

犯罪人引渡し条約

以上のように、法律上は日本国外にて日本の法律に違反した者を処罰できるようになっています。

しかし、現実的には、その国で犯罪に当たるような行為をしたのであれば、その国が処罰する理由がありますし、他国に勝手に処罰されるわけにはいきません(国家管轄権)。

もっとも、この理屈は自国民が被害にあった場合の相手国にも当てはまるので、どこの国も外国で犯罪をされては何もできないことになりかねません。そこで、国家間で犯罪人引渡し条約を締結して、条約締結国間では犯罪人を引き渡すように約束をしています。日本はアメリカ合衆国と大韓民国の2か国のみと犯罪人引渡し条約を締結しています。

なお、条約がなくても、具体的な事案で国家間の交渉により犯罪人を引き渡すことがあります。

先に外国で確定判決を受けていても、同一の行為についてさらに日本の法律に基づいて処罰することができます(刑法第5条)。

外国の法律に違反したとき

一般的な法律違反

滞在国で犯罪となるような行為をすると、捜査され、逮捕されます。この場合、日本大使館や総領事館といった在外公館に連絡を求めることができます。在外公館と連絡を取ることで、職員と面会したり、弁護士や通訳に関する情報が提供されたり、家族との連絡の支援を受けることができます。

外務公務員(外交官)の外交特権

外務公務員(外交官)については、さまざまな特権があります。

「外交関係に関するウィーン条約」では、外交官については、以下のように定められています。

第二十九条 外交官の身体は、不可侵とする。外交官は、いかなる方法によつても抑留し又は拘禁することができない。接受国は、相応な敬意をもつて外交官を待遇し、かつ、外交官の身体、自由又は尊厳に対するいかなる侵害をも防止するためすべての適当な措置を執らなければならない。
第三十条 1 外交官の個人的住居は、使節団の公館と同様の不可侵及び保護を享有する。
2 外交官の書類、通信及び、・・・その財産も、同様に、不可侵を享有する。
第三十一条 1 外交官は、接受国の刑事裁判権からの免除を享有する。・・・

外交官は逮捕・勾留されたり、個人的な住居が捜索を受けることがなく、また、刑事裁判を受けることがありません。

接受国ができるのは、「ペルソナ・ノン・グラータ」であること又は受け入れがたい者であることを通告し(第9条第1項)、派遣国がその者の任務を終了させて帰国させるよう求めることだけです。

我が国に派遣されている外交官が交通違反金を踏み倒す事態が生じていることなどが問題となっています。

もっとも、こうした外交特権は、派遣国の判断で放棄できます。外交特権が放棄された場合、一般の外国人と同様にその国の法律により逮捕されたり、起訴されます。

まとめ

以上のように、国外での犯罪について、公務員とそのほかの人では違いがあります。

公務員の方で日本国外での刑事事件についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

こちらの記事もご覧ください

公務員の身分と犯罪ー公務員の身分、公務員によって行われる犯罪、公務員が犯罪を起こした時の流れ

公務員の汚職の罪-警察官が勾留中の女性に抱きつくなどした事件を基に特別公務員暴行陵虐罪について解説

2024-03-25

【事例】

勾留中の30代女性に抱きつくなどしたとして、千葉県警は15日、特別公務員暴行陵虐の疑いで当時船橋署留置管理課に勤務していた男性警部補(54)を書類送検し、減給100分の10(6カ月)の懲戒処分とした。警部補は同日依願退職した。県警で今年、懲戒処分を受けた職員は3人目。

 書類送検容疑は昨年11月上旬ごろ、同署留置施設内で、勾留中の女性に抱きつき、12月13日には護送中の車内で同じ女性の手を握った疑い。

 県警監察官室によると、警部補は留置管理施設内で、女性が居室外のロッカーに着衣をしまう際、後ろから抱きついた。手を握った際、警部補は隣に座っていた。いずれも複数人で業務を行っている中で行われたが気付いた人はいなかった。

 1月下旬、女性から留置業務の担当官に申告があり発覚した。県警の調べに対し警部補は対応する中で特別な感情を抱いてしまったとしている。警部補は2月、本部警務課に異動になった。警部補は「このような行為を行い、関係者や警察組織に申し訳ない気持ちでいっぱい。職を辞して責任を取る」と話している。

 同室の首席監察官は「被留置者の適切な処遇を行うべき警察官が、このような行為に及んだことは警察業務の信頼を損なうもので誠に遺憾。被害者と県民に深くおわび申し上げる」とコメントした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ffbce62e93eb5f676e2e0a6a2e0891b2ca8e060

千葉日報3/17(金)15:37配信

(個人名などを修正しています)

公務員の中でも裁判官や検察官、警察官は逮捕のように国民の権利利益を強制的に制約する公権力の行使をも行うことができます。このような公務員がその職権を濫用すれば、公務の適正が害され、公務に対する国民の信頼も損なわれてしまいます。そのため、公務員が職権を濫用して汚職をすることに対しては、重い刑罰が科されます。

汚職の罪には贈収賄罪も含まれますが、これらは公務の適正とそれに対する国民の信頼を脅かすものです。一方、人を逮捕するなど身体拘束をする権限を有する者が、その権限を悪用して暴行やわいせつ行為を行う罪が特別公務員暴行陵虐罪です。

特別公務員暴行陵虐罪

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、特別公務員暴行陵虐罪が成立し、7年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第195条第1項)。法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、同様に処罰されます(刑法第195条第2項)。

第1項の罪の主体も、特別公務員職権濫用罪と同じく、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、裁判所書記官などが該当しますが、人を逮捕監禁する権限を有しない者も対象になります。

暴行とは暴行罪などと同じく身体に対する不法な有形力の行使をいいます。

陵辱とは辱める行為や精神的に苦痛を与える行為、加虐とは苦しめる行為や身体に対する直接の有形力の行使以外の肉体的な苦痛を加える行為などをいいます。わいせつ行為など、暴行以外の方法で精神的又は肉体的に苦痛を与える行為が該当します。

第2項の「法令により拘禁された者」とは、逮捕や勾留されている者など、法令上の規定に基づいて公権力により拘禁されている者をいいます。このような者を「看取又は護送する者」が本罪の主体となります。

【事例】では警部補が勾留中の女性に抱きつくなどしており、特別公務員暴行陵虐罪が成立します。

特別公務員暴行陵虐罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法第196条)。

傷害罪は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第204条)、傷害致死罪は3年以上の有期懲役(刑法第205条)に処されます。したがって、致傷罪は1月以上15年以下の懲役、致死罪は3年以上20年以下の懲役となります。

懲戒処分

特別公務員暴行陵虐罪は相当重い罪で、公務員への信頼を大きく損ねかねないことですが、懲戒処分の指針では、特別公務員暴行陵虐罪に当たる非違行為をした場合は挙げられていないところが見受けられます。このような行政庁では、暴行やわいせつをした場合の基準を参照して処分が決められるものと考えられます。

参考

人事院「懲戒処分の指針について」

https://www.jinji.go.jp/seisaku/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html

こちらの記事もご覧ください

汚職の罪

おわりに

以上のように、特別公務員暴行陵虐事件は刑事・懲戒とも重い処分を科される可能性が高いです。そのため、早期に弁護士に相談して対応を決めるべきです。

特別公務員暴行陵虐事件でお悩みの方は、あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

日本の公務員に関する贈収賄罪についてー贈収賄罪の各種類型について解説

2024-03-11

公務員犯罪の代表格として,贈収賄罪があります。

ニュースでも大きく報道されております。

今回は,日本の公務員に関する贈収賄罪について解説いたします。

収賄罪(刑法第197条第1項前段)

公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

受託収賄罪(刑法第197条第1項後段)

公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときにおいて,請託を受けたときは,受託収賄罪が成立します。

請託とは,公務員がその職務に関する事項について依頼を受けてこれを承諾することをいいます。

7年以下の懲役となります。

事前収賄罪(刑法第197条第2項)

公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、事前収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

第三者供賄罪(刑法第197条の2)

公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは,第三者供賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

加重収賄罪(刑法第197条の3第1項・第2項)

公務員が収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、加重収賄罪が成立します。

公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、加重収賄罪が成立します。

1年以上の有期懲役となります。

事後収賄罪(刑法第197条の3第3項)

公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、事後収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

あっせん収賄罪(刑法第197条の4)

公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、あっせん収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

没収及び追徴(刑法第197条の5)

犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収されます。

その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴されます。

贈賄罪(刑法第198条)

上記の各種収賄罪に関する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をしたら、贈賄罪となります。

3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,贈収賄罪を含めた公務員犯罪事件をこれまで多数扱ってきました。

贈収賄事件に関わってしまった方,逮捕されてしまった方のご家族は,ぜひ当事務所まで相談・依頼をしてください。

初回法律相談は無料です。

有料の初回接見についても,迅速に対応させていただきます。

特に,贈収賄を行っていないにも関わらず,警察から犯行を疑われている場合は,ぜひ早めに相談・依頼をしてください。

犯行を否定していても,警察は取調べにおいて圧力や誘導で認めさせようとしてきます。

そんな言い分は通じない,証拠はもうそろっている,反省していないのか,罪が重くなるぞ,勤務先や家族に対しても徹底的に調べ上げることになるぞ,等と言って脅してきます。

プロである警察に対して,素人の一般人が対抗するのは非常に厳しく難しいです。

当事務所は刑事弁護に精通した弁護士がそろっております。

弁護士によるサポートを受けながら,毅然として対抗していかなければなりません。

まずは無料の法律相談を早めに受けてみてください。

懇切丁寧に対応させていただきます。

こちらの記事もご覧ください

賄賂罪

公務員と職務と賄賂

加重収賄罪と弁護活動-加重収賄罪の意味、加重収賄罪が疑われたときの弁護活動、懲戒処分

東京オリンピックの汚職事件-組織委員会理事がみなし公務員として収賄罪で起訴された事件について解説

東京オリンピックの汚職事件-組織委員会理事が収賄罪で起訴された事件で問題となる賄賂について解説

東京オリンピックの汚職事件-組織委員会理事が収賄罪で起訴された事件で問題となる賄賂について解説

2023-12-11

東京オリンピックのテスト大会の受注企業が談合したとして多くの関係者が逮捕・起訴された事件や、IOC委員への贈答品疑惑など、東京オリンピックをめぐる汚職事件はまだ終わりそうにありません。日本において最初に捜査が始まったのは組織委理事の関与する贈収賄で、組織委理事や大企業の幹部が逮捕され、起訴されました。また、元総理大臣をはじめ多くの人々が事情聴取を受けたとされています。その中では様々な人や組織から利益が提供されています。ここでは、何が賄賂に当たるかについて解説します。

「賄賂」とは

刑法第197条以下に規定される「賄賂」は、公務員の職務行為と対価関係にある利益を言います。この対価関係は、職務行為に対するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価関係のあることは必要とされていません(昭和33年9月30日最高裁第三小法廷判決)。職務に関するものであれば、交付時期や利益の多寡にかかわらず、賄賂となります。

賄賂の内容は金銭に限られず、人の欲望や需要を満たす一切の利益が含まれます。判例では、芸妓の演芸や、酒食の饗応、異性間の情交、公私の職務等の有利な地位の保証、株式の取得の利益、など、様々なものが賄賂と認定されています。このような利益を公務員に提供すれば公務員の職務の公正は害され、あるいは公務員の職務の公正に対する社会の信頼は損なわれてしまうため、処罰する必要があります。

職務行為との対価

名目が委託費用など別のものであっても、公務員の職務行為と対価関係にある利益であれば賄賂に該当します。

東京オリンピックの贈収賄事件についても、既に元理事に賄賂を供与したとして起訴されていた者についての判決(東京地裁令和5年7月12日判決)によれば、元理事が代表取締役を務める会社との間のコンサルティング契約に基づき毎月のコンサルティングフィーを支払う形で行われたことについて、賄賂に該当することを前提に、被告人が違法性の認識を有していたかについて検討しています。

一方で、賄賂は職務行為との対価である必要がありますので、職務とは無関係な利益の提供は賄賂には当たりません。参考人として聴取を受けた元総理大臣は贈賄で有罪判決を受けた企業幹部の属する会社から現金の提供を受けたという報道がありましたが、これは病気に対する見舞金の可能性もあると言われていました。

また、単なる社交儀礼上の贈答は「賄賂」にあたりません。

賄賂に当たるか

「賄賂」に該当することも犯罪を構成する事実ですので、検察官が証明する必要があります。証明の程度は、合理的な疑いを超えるものでなければなりません。職務と関係ないものである可能性や社交儀礼の趣旨で贈られた可能性があれば、有罪とすることはできません。

先ほど、職務に関するものであれば、交付時期や利益の多寡にかかわらず、賄賂となると書きましたが、そもそも職務に関するかどうかを判断するにあたって、交付時期や利益の多寡にも注目せざるを得ません。その他、当事者の従前の関係や他にそのような利益を提供される理由があったといえるかどうかなどが考慮されます。

東京オリンピック組織委員会元理事は、コンサル契約に基づいてコンサル料が支払われたもので賄賂ではないと主張しているそうですが、これまでの収支はどうであったか、コンサル依頼があったとしてもそれ自体職務に関係するものか、依頼があった後の活動実態はどうだったか、などを考慮して、賄賂かどうかが判断されるでしょう。

贈収賄事件についてはこちらの記事もご覧ください。

賄賂罪

まとめ

このように、事件によっては自身が受け取ったものが「賄賂」となるのかが重大な問題となります。ご自身の行ったことが収賄にあたるかどうかお悩みの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

東京オリンピックの汚職事件-組織委員会理事がみなし公務員として収賄罪で起訴された事件について解説

2023-12-07

東京オリンピックのテスト大会の受注企業が談合したとして多くの関係者が逮捕・起訴された事件や、IOC委員への贈答品疑惑など、東京オリンピックをめぐる汚職事件はまだ終わりそうにありません。日本において最初に捜査が始まったのは組織委理事の関与する贈収賄で、組織委理事や大企業の幹部が逮捕され、起訴されました。オリンピック組織委員会自体は民間団体とされていますが、ここでは、組織委理事の行為が収賄に問われている理由について解説します。

「公務員」に当たるか

刑法第197条第1項は、「公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処する。」と定めています。

この「公務員」については、刑法第7条第1項に定められています。同条項では「この法律において『公務員』とは、国又は地方公共団体の職員その他法令により公務に従事する議員、委員その他の職員をいう。」と定められています。

「法令」には、法律や条例だけでなく、行政内部の通達や訓令も含まれます。

「公務に従事する」とは、職務権限の定めがある必要はなく、その公務に従事する資格が上記の「法令」に根拠を有し、これにより公務を行うことをいいます。

「公務」は必ずしも公権力の行使など強制力を行使するものに限られません。

「議員、委員、その他の職員」が刑法上の公務員に当たり、単に機械的、肉体的な業務に従事する者は含まれません。「議員」は国会議員や地方議会の議員、「委員」とは、国又は地方公共団体において任命、委嘱、選挙等により一定の事務を委任・嘱託される非常勤の者をいいます。「その他の職員」とは、議員、委員のほか、国又は地方公共団体の期間として公務に従事するすべての者をいいます。

刑法第7条にこのように定義されているほか、特別法では、その職務の性質を鑑みて、刑法やその他の罰則については公務員とみなす規定が設けられています。これを「みなし公務員規定」といいます。

オリンピックの組織委員会の役員や職員についても、次のように「みなし公務員規定」が定められています。

令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法

(組織委員会の役員及び職員の地位)

第二十八条 組織委員会の役員及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

この規定により、組織員会の理事も「法令により公務に従事する職員」すなわち公務員として扱われます。

刑法第7条やみなし公務員規定により「公務員」に当たる者が賄賂罪に該当する行為を行えば、この罪に問われます。

なお、報道によれば、起訴された元理事はみなし公務員だとは知らなかった旨供述していたとのことです。しかしながら、法律を知らなかったとしても、そのことによって罪を犯す意思がなかったとすることはできないと定められています(刑法第38条第1項)。犯罪の成立には故意が必要ですが、故意とは犯罪事実(構成要件該当事実)を認識・認容していたことをいいます。

自身が「みなし公務員」であるという犯罪事実を認識・認容していたといえるためには、自分がどのような職業についているかを認識・認容していたかが重要となります。

公共サービス改革法の公共サービスに従事していた者が「みなし公務員」として収賄の罪に問われた事件(神戸地裁令和元年7月5日判決)では、国家公務員倫理教本を教材とした講習が行われるなどしてみなし公務員となる実質的根拠となる事実を認識していたと認められるから、収賄罪の主体としての立場に関する故意に欠けることはないとされました。

東京オリンピックの贈収賄事件についても、既に元理事に賄賂を供与したとして起訴されていた者についての判決(東京地裁令和5年7月12日判決)によれば、「組織委員会が公益財団と認定され、多くの公的な資金や人員(公務員)が投入されていたことは周知の事実であり、被告人において、同大会に係る特別措置法のみなし公務員規定を知っていたか否かにかかわらず、組織委員会の理事が公的立場にあり、その職務に関して金銭の支払をすれば違法の評価を受けることは当然に認識し得たといえる。」とされています。

贈収賄事件についてはこちらの記事もご覧ください。

賄賂罪

まとめ

このように、事件によっては自身が「みなし公務員」となるのか、故意があったといえるのかが重大な問題となります。ご自身の行ったことが収賄にあたるかどうかお悩みの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

公務員の職種と成立する犯罪の違いー公務員の職種により成立するかどうかが決まる犯罪について解説

2023-11-20

一口に公務員といっても、法律によって認められている権限が異なるなど様々な種類があります。ここでは、公務員の職種によって成立する犯罪について解説します。

公務員の種類

公務員によって成立する犯罪が異なる場合、公務員の名称ではなく認められている権限によって決められます。

特別公務員職権濫用罪、特別公務員暴行陵虐罪、特別公務員職権濫用等致死傷罪

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、6月以上10年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第194条)。また、これらの者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、7年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第195条1項)。法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、同様に処罰されます(刑法第195条2項)。

これらの罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法第196条)。

これらの罪の主体は、公務員全般ではなく、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、のほか、裁判所書記官などに限られます。

これらの公務員は刑事司法に関して職務上逮捕等により人を拘束する権限を有しています。このような職権を濫用することは害悪が甚大であるため、逮捕監禁罪(刑法第220条。3月以上7年以下の懲役)よりも刑罰が重くなっています。

税関職員によるあへん煙輸入等罪

税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を購入し、又はこれらの輸入を許したときは、1年以上10年以下の懲役に処されます(刑法第138条)。

この「税関職員」は、税関において勤務する職員のすべてを差すのではなく、税関において輸入に関する事務に従事する公務員であると解されています。

虚偽診断書等作成罪、秘密漏示罪

医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡診断書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処されます(刑法第160条)。また、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を洩らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されます(刑法第134条第1項)。

国公立病院の医師は、公務員にあたりますが、公務員であっても他の資格で業務に従事する者は、各法令により処罰されます。

なお、秘密漏示については、公務員であればそもそも公務員としての守秘義務を負っています(国家公務員法第100条第1項、地方公務員法第34条第1項)。これらに違反すると、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処され(国家公務員法第109条第12号、地方公務員法第60条第2号)、秘密漏示罪より重く処罰されます。そのため、秘密漏示罪ではなくこれらの罪により処罰されることになります。。

身分のない者による共犯

以上に述べたような公務員でないからといって、全く犯罪が成立しないとはいえません。

刑法第65条は、「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。」と定められています。法律上定められた公務員の職種でなくても、実行行為を分担したとか、分け前に預かったような場合、共犯者となり、定められた身分を持つ者と同様に処罰されます。

公務員の身分によって成立する犯罪については、こちらもご覧ください

汚職の罪

まとめ

以上のように、公務員の職種によって、成立する犯罪が異なることがあります。ご自身の行った行為が犯罪にあたるかどうか不安の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

加重収賄罪と弁護活動-加重収賄罪の意味、加重収賄罪が疑われたときの弁護活動、懲戒処分

2023-11-16

【事例(フィクション)】

県職員として勤務する公務員のAさんは、所属部署の仕事を通じて親しくなった業者に、県の内部資料を横流しし、その謝礼として高級飲食店で接待を受けたという容疑で逮捕されました。

Aさんに前科前歴はありません。

【加重収賄罪とは】

公務員特有の犯罪として、加重収賄罪というものがあります。

公務員が、その職務上不正な行為をしたことに関し、賄賂を収受したときは、加重収賄罪として、1年以上の懲役に処されます(刑法197条の3第2項)。

事例の容疑でいうと、県の内部資料の横流しは県職員の職務上不正な行為ですし、その後謝礼として受けた高級飲食店での接待は賄賂にあたるので、Aさんがその後起訴されて有罪判決となれば、加重収賄罪の刑罰を受けることになります。

加重収賄罪以外の贈収賄事件や汚職事件についてはこちらをご覧ください。
汚職の罪

賄賂罪

【弁護活動】

賄賂を受け取ったという犯罪には、賄賂を渡すという贈賄をした人も必ず存在し、両者間での口裏合わせその他の罪証隠滅行為を懸念し、裁判所が勾留決定をすることが多いです。

事案の性質上、被疑者の方の早期の身柄解放はなかなか難しいことが多いですが、起訴後の保釈請求等、弁護士としては身柄解放の努力をしていくこととなります。

また、逮捕勾留されやすく、身体拘束下で取調べがされることが多い犯罪であるからこそ、こまめに接見をして取調べ対応について適切なアドバイスをする弁護士の存在は必要不可欠です。

起訴された場合の公判活動については、被告人の方が加重収賄をしたことに間違いないのであれば、酌んでもらうべき情状を弁護士がしっかり主張し、執行猶予や減刑を目指します。

事例の場合であれば、横流しされた内部資料の重要性や、実際に県に生じた不利益の程度等にもよりますが、一般的には、事案の中で悪質ではない点、県への被害弁償の努力、失職等の社会的制裁を受けたこと、情状証人による監督の約束等の情状面をしっかり主張立証して、執行猶予を求める方針になろうかと思います。

一方、加重収賄罪にあたることを争う場合、例えば自分は内部資料の横流しをしていないとして無罪を主張する場合は、弁護士において証拠を精査し、関係者の証言の穴を突いたり、被告人にとって有利な事実を主張立証し、冤罪を阻止することを目指します。

【刑罰以外の処分等】

公務員の方は、起訴されると、休職をさせられることがあります(地方公務員法28条2項2号、国家公務員法79条2号)。

そして起訴され、有罪判決で禁錮以上の刑となれば、執行猶予が付いたとしても、失職することになります(地方公務員法28条4項・16条1号、国家公務員法76条・38条1号)。

事例の場合、加重収賄罪には懲役という禁固以上の刑しかないので、有罪判決なら失職となります。

また、公務員の方が犯罪にあたる行為をすると、刑事罰とは別に懲戒処分を受けることにもなります。

懲戒処分は、重い順に、免職、停職、減給、戒告と種類があります。

事例のような加重収賄罪にあたる行為をしてしまった場合は、懲戒免職は避けられないでしょう。

もっとも、冤罪の場合は、嫌疑不十分の不起訴や無罪判決を得られれば、懲戒免職を避けられる可能性があります(判断者が異なるので一概には言えませんが。)。

懲戒処分についてはこちらもご覧ください。

公務員の懲戒処分

【おわりに】

加重収賄罪は、一般的に、国民・住民の公務員への信用を大きく損なう重大事件として扱われており、同罪の疑いをかけられた被疑者・被告人の方は、身体拘束、刑事罰、懲戒処分等のリスクは非常に大きいといえます。

こういったリスクを回避・軽減するためには、弁護士による適切なアドバイスや活動が必要です。

実際に加重収賄行為をしてしまった方も、冤罪の方も、できるだけ早めに弁護士に相談することをおすすめします。

汚職の罪

2023-08-06

公務員は全体の奉仕者として、公共の利益のために職務を行うものであり、一般国民が持てないような職権を持ち、逮捕のように国民の権利利益に強制的に介入する公権力の行使などを行います。このような公務員がその職権を濫用すれば、公務の適正が害され、公務に対する国民の信頼も損なわれてしまいます。そのため、公務員が職権を濫用することに対しては、重い刑罰が科されます。

この記事では、公務員の汚職について解説します。

職権濫用罪

職権を濫用して国民の権利利益を侵害した場合、害悪が重く、公務の適正を害するため、職権乱用を処罰する規定が定められています。特に人の身体を強制的に拘束する権限を濫用した場合は、害悪が甚大であるため、より重く処罰されます。

公務員職権濫用

公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、公務員職権濫用罪が成立し、2年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法193条)。

「職権」とは公務員の一般的職務権限に属する行為を指します。「濫用」とは、この職権の行使に仮託して、実質的、具体的に違法・不当な行為をすることをいいます。

公務員職権濫用罪は2年以下の懲役に処すると定められており、3年以下の懲役に処される強要罪(刑法223条)より刑罰が軽くなっています。これは、公務の適正の確保という抽象的な利益を保護法益とするためです。

公務員職権濫用罪に該当する行為でも、暴行や、生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した場合は、強要罪のみが成立するとされています。強要罪の場合は、未遂罪も処罰されます(刑法223条3項)。

特別公務員職権濫用

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、6月以上10年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法194条)。

本罪の主体は、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、のほか、裁判所書記官などが該当します。

これらの公務員は刑事司法に関して職務上逮捕等により人を拘束する権限を有しています。このような職権を濫用することは害悪が甚大であるため、逮捕監禁罪(刑法220条。3月以上7年以下の懲役)よりも刑罰が重くなっています。

特別公務員暴行陵虐

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、特別公務員暴行陵虐罪が成立し、7年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法195条1項)。法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、同様に処罰されます(刑法195条2項)。

1項の罪の主体も、特別公務員職権濫用罪と同じく、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、裁判所書記官などが該当しますが、人を逮捕監禁する権限を有しない者も対象になります。

暴行とは暴行罪などと同じく身体に対する不法な有形力の行使をいいます。

陵辱とは辱める行為や精神的に苦痛を与える行為、加虐とは苦しめる行為や身体に対する直接の有形力の行使以外の肉体的な苦痛を加える行為などをいいます。わいせつ行為など、暴行以外の方法で精神的又は肉体的に苦痛を与える行為が該当します。

2項の「法令により拘禁された者」とは、逮捕や勾留されている者など、法令上の規定に基づいて公権力により拘禁されている者をいいます。このような者を「看取又は護送する者」が本罪の主体となります。

特別公務員職権濫用罪や特別公務員暴行陵虐罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法196条)。

傷害罪は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法204条)、傷害致死罪は3年以上の有期懲役(刑法205条)に処されます。

特別公務員職権濫用罪は6月以上10年以下と、短期については傷害罪より重いため、特別行員職権濫用致傷罪の場合は6月以上15年以下の刑が科されます。

その他の致傷罪は1月以上15年以下の懲役、致死罪は3年以上20年以下の懲役となります。

賄賂罪

公務員がその職務に関し賄賂を収受し、またはその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の懲役に処されます(刑法197条1項)。

賄賂罪の保護法益は、「公務員の職務の公正とこれに対する社会一般の信頼」とされています(平成7年2月22日最高裁大法廷判決等)。公務員の職務は法令に則り、施策の必要性等を慎重に検討され、公正に行われなければなりません。このような公務員の職務を賄賂で歪められるのは許されないことです。また、公務員の職務が賄賂で左右できるものだと社会一般の人々に思われてしまうこと自体、社会一般の人々の公務員の職務への信頼を損なうものとなり、行政処分への不服従などをもたらしかねず、社会の根幹を揺るがすものとなります。そのため、賄賂罪は厳しく処罰されるのです。

収賄にあたって請託を受けた場合は、職務と賄賂との対価関係がより明白となり、職務の公正に対する社会の信頼を害する程度が高まるため、受託収賄罪が成立し、7年以下の懲役と刑が重くなります。

公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、またはその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合、事前収賄罪が成立し、5年以下の懲役に処されます(刑法197条2項)。

公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、またはその供与の要求若しくは約束をしたときは、第三者供賄罪が成立し、5年以下の懲役に処されます(刑法197条の2)。

公務員が単純収賄や受託収賄、事前収賄、第三者供賄の罪を犯し、その結果不正な行為をし、または相当の行為をしなかったときは、加重収賄罪が成立し、1年以上の有期懲役に処されます(刑法第197条の3第1項)。公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、もしくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、同様に処されます(刑法第197条の3第2項)。賄賂を受け取ったうえで不正な行為をしたり相当な行為をしなかったのですから、職務の公正を現実に害しており、職務の公正に対する社会の信頼を大きく害しているため、このように重い処罰となっています。

公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、またはその要求若しくは約束をしたときは、事後収賄罪が成立し、5年以下の懲役に処されます((刑法第197条の3第3項)。

公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、またはその要求若しくは約束をしたときは、あっせん収賄罪が成立し5年以下の懲役に処されます(刑法第197条の4)。

賄賂の没収

犯人や賄賂であることを認識している第三者が受け取った賄賂は没収します。費消されたり、接待など性質上没収できない場合は、その価額を金銭的に評価して没収します(刑法第197条の5)。これは賄賂を収受した者たちに不正な利益を残さないようにするためです。

おわりに

以上のように、公務員の汚職事件は重い刑罰を科される可能性が高いです。そのため、早期に弁護士に相談して対応を決めるべきです。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら