
談合は昔から問題となってきましたが、公共入札において、本来談合を規制するべき立場であるはずの公務員が予定価格を教えるなどして談合に関与することも問題となってきました。
本来公の入札等の公正を保持するべき公務員自らこのような談合に関与しては、入札等の公正を確保できず、行政への信頼を損ねることになるため、重い処罰がくだされることになります。一方で、単に事業者と入札の手続きを進めていたに過ぎないのに談合に関わっていたと疑われてしまう可能性もあります。
ここでは、談合を疑われたときにどうするかについて解説します。
入札談合への規制
入札談合等関与行為防止法
事業者が談合をすれば、刑法の談合罪(刑法第96条の6第2項。3年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金又は併科)や独占禁止法の不当な取引制限禁止の違反(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第2条第6項・第3条・第89条第1項第1号。5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金)に該当します。
一方で、公務員が談合の唆しや情報提供など談合に関与した場合、「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」(入札談合等関与行為防止法)により規制されます。
この法律は、「公正取引委員会による各省各庁の長等に対する入札談合等関与行為を排除するために必要な改善措置の要求、入札談合等関与行為を行った職員に対する損害賠償の請求、当該職員に係る懲戒事由の調査、関係行政機関の連携協力等入札談合等関与行為を排除し、及び防止するための措置について定めるとともに、職員による入札等の公正を害すべき行為についての罰則を定め」ています(同法第1条)。
「職員」(同法第2条第5項。国若しくは地方公共団体の職員又は特定法人(同法第2条第2項に定められており、国や地方公共団体が持ち分の多数を有して実質支配している法人)の役員若しくは職員)が、その所属する国等が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、5年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金に処されます(同法第8条)。
懲戒処分
懲戒処分の内容
公務員が談合等に関与した場合、重い懲戒処分を下されます。
国家公務員に関する、人事院の「懲戒処分の指針について」によれば、「第2 標準例 1 一般服務関係 (11)入札談合等に関与する行為」において「国が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。」と定められています。
談合への関与を疑われたら
官製談合とされる行為には、予定価格などの入札情報を事業者に教えることが多いです。公務員の方から予定価格そのものを教えるだけでなく、参加予定の事業者から見積りをとってそれを他の事業者と共有する場合もあります。
一方で、単に参加希望の事業者とやりとりをしていただけで官製談合を行っていたと疑われることもあります。事業者が、あの職員から価格を聞かされたと捜査機関に話してしまうかもしれません。あるいは、捜査機関から、事業者の方は認めていると言われて追い詰められるかもしれません。
それでも、談合と言われるようなことをしていないのであれば、取調べではその通りに主張してください。
供述調書は内容を確認することができます。その際に、供述調書の削除や追加、訂正もすることができます(刑事訴訟法第198条第4項)。自分の言っていることと供述調書の記載が違っていたら、遠慮なく訂正してください。
そもそも、被疑者・被告人には何も話さなくていいという黙秘権もあります(憲法第38条第1項、刑事訴訟法第198条第2項・第311条第1項)。捜査官が話を全く聞いてくれないときなどは、黙秘権の行使も検討するべきです。
供述調書についても、訂正に応じてもらえたかどうかに関わりなく、署名押印を拒否することができます(刑事訴訟法第198条第5項但書)。
弁護士は、任意性(刑事訴訟法第319条第1項)や信用性が疑われる供述調書を裁判の証拠から排除するよう裁判官に求めることができます。また、弁護士は他の人の供述調書を検討して証拠とすることを拒否したり、証人尋問で事業者に尋問をすることもできます。これにより、他の人の話は信用できないことを裁判官に示すことができます。
こうした弁護活動により、官製談合の疑いを晴らすことができる可能性があります。
身に覚えのない官製談合の疑いに対しては、弁護士の弁護活動が重要となります。
まとめ
このように、公務員が官製談合をしたと疑われると、弁護士による弁護を受けることが重要になります。
公務員の方で官製談合の疑いをかけられお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
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