官製談合に関与した公務員はどうなる?刑事処分・懲戒処分を解説

公務員

官製談合(かんせいだんごう)」は、公共入札における公正な競争を妨げ、行政への信頼を損なう重大な背信行為とされています。一度関与してしまうと、公務員としてのキャリアを失いかねないだけでなく、刑事罰を受ける可能性もあります。
本ブログでは、官製談合とは何かということと、関与した公務員に科される「刑事処分」と「懲戒処分」について主に解説していきます。

官製談合とは何か?

通常、民間事業者同士が話し合って受注者や価格等を決めることを「談合(不当な取引制限)」と呼びます。民間事業者同士の談合は、刑法の談合罪や、独占禁止法によって規制されています。
この談合に、公共入札における発注側である公務員(官)が主導的、あるいは補助的に関与することを「官製談合」と呼びます。

主な形態
• 談合の明示的な指示: 事業者に談合を行わせる。
• 受注者に関する意向の表明: 受注者をあらかじめ指名する。
• 発注に係る秘密情報の漏洩: 事業者に対して公開されていない予定価格等の情報を漏洩する。
• 特定の入札談合の幇助: 特定の事業者を入札参加者として指名する、発注方法を変更するなどにより談合を幇助する。

こういった行為は、以下に解説するとおり、厳しい刑事処分と懲戒処分の対象となる可能性があります。「昔からの慣習だから」、「予算を使い切るため」、「地元の事業者を育てるため」などといった言い訳は通用しないので、注意しましょう。

公務員に科される「刑事処分」

官製談合に関与した公務員は、主に以下の法律によって処罰されます。

① 入札談合等関与行為防止法違反

正式名称は「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」です。

• 対象: 国若しくは地方公共団体の職員又は特定法人の役員若しくは職員。
• 罰則: 5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金。
• 処罰される行為: その所属する国等が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったとき。

② 刑法(加重収賄罪)

金品等の利益を受け取って談合への関与をした場合、より重い罪に問われます。

• 罰則: 1年以上の有期拘禁刑(最高20年)。
• 内容: 職務に関して賄賂を受け取り、かつ不正な行為(価格漏洩など)をした場合に適用されます。

注意:刑事処分の結果次第では、当然に失職することがあります。国家公務員法と地方公務員法によると、起訴されて拘禁刑以上の刑が確定すると、たとえ執行猶予が付いたとしても、欠格により失職します。
談合への関与の態様が悪質になればなるほど、罰金刑では済まず、拘禁刑以上で失職となる可能性が高まります。
加重収賄罪の嫌疑で刑事事件となった場合は、同罪は罰金刑の定めがなく、起訴されて有罪となれば拘禁刑以上で失職は確定的です。

行政上の「懲戒処分」

刑事罰とは別に、公務員としての身分に関する処分が行われます。各自治体や省庁の懲戒処分指針に基づきますが、官製談合は「職務上の重大な義務違反」とみなされます。

処分の目安

人事院が公開している懲戒処分の指針では、「国が入札等により行う契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格等の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行った職員は、免職又は停職とする。」とされています。

免職(クビ): 最も重い処分です。悪質な談合関与をしたり、見返り(賄賂)を受け取っていた場合は、免職の可能性が高いでしょう。
• 停職: 一定期間、職務に従事させず給与も支給されません。補助的な関与であっても、停職以上となるケースが多いです。

なお、「免職又は停職とする」というのは絶対ではありません。事案が軽微である場合や、その他酌むべき諸事情がある場合、停職より軽い減給や戒告となる可能性はあり得ます。

弁護士に相談すべき理由

以上のとおり、官製談合は、刑事処分(拘禁刑以上なら失職にもなる)、懲戒処分ともに重い処分が下され得ます。
談合に関与していないのに関与を疑われ刑事事件になった場合は、不起訴(嫌疑不十分)や無罪判決のため、取調べ対応や公判準備が非常に重要であり、法律の専門家である弁護士への相談は必須と言えるでしょう。
談合に関与してしまった場合でも、刑事処分と懲戒処分のリスクを軽減するため、やはり弁護士に相談すべきです。

弊所 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、非常に多くの公務員の方からの依頼を受けており、刑事弁護の観点だけでなく、懲戒処分のことも視野に入れた幅広いアドバイスが可能です。
官製談合の疑いをかけられた公務員の方は、ぜひ弊所へご相談ください。

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