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公務員のコンビニコーヒー窃盗事件

2024-06-19

公務員がコンビニのセルフ式のコーヒーマシンで、支払った金額で注げるサイズより大きなサイズを注いで、警察に逮捕されたり懲戒免職処分を受けた事件が相次ぎ、話題となっています。ここでは、公務員がコンビニのセルフ式コーヒーの支払った金額より大きなサイズを注いだ事件について解説します。

犯罪について

まず、支払った代金を超えてコーヒーを注いだ場合、いかなる犯罪が成立するでしょうか。

実際の犯行の内容としては、大きいサイズを注ぐ真意を隠して小さいサイズを注文してそのサイズの代金しか支払っていないので、お店をだましていたと言え、詐欺罪(刑法第246条第1項)ではないかと思うかもしれません。

しかし、詐欺罪が成立するには、犯人の欺罔行為(騙す行為)により相手方が錯誤(勘違い)に陥り、これにより処分行為(商品を渡す、お金を払う、など)を行う必要があります。一連の事案のような行為では、お店の方は大きいサイズで注いでよいなどという処分行為はしていないため、詐欺罪は成立しません。また、当初は代金通りの量を注ぐつもりだったが、いざコーヒーマシンの前に立ってから気持ちが変わった場合、欺罔行為がないことになります。騙すつもりがあったのかどうか、いつからそのつもりだった菅亜土認定するのは極めて困難であり、詐欺罪に問うのは困難です。

一方で、この種の事案では支払った金額分を超える量のコーヒーについては持っていく正当な理由がなく、これを勝手に持ち去ったといえるので、「他人の財物を窃取した」といえ、窃盗罪(刑法第235条)が成立します。

窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金、詐欺罪は10年以下の懲役と定められており、窃盗罪が成立する場合は、罰金刑で済む可能性があります。実際、諸般で被害金額が低い事件では罰金刑となることが多いです。この場合、略式手続き(刑事訴訟法第461条以下)により、裁判所に行かずに書面だけで刑事手続きを終了させることができます。

もっとも、最終的に略式手続きで罰金刑に終わるような事件であっても、繰り返し行い常習性があると判断された場合、捜査中に逮捕や勾留をされて、長期間身体拘束を受けることもあります。

懲戒処分

公務員の場合、犯罪を行うと、非違行為をしたとして、懲戒処分を受けることとなります。

国家公務員の「懲戒処分の指針」では、懲戒処分の基本事項について以下のように定めています。

第1 基本事項

本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な懲戒処分の種類を掲げたものである。

具体的な処分量定の決定に当たっては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとする。

また、「第2 標準例」において、各非違行為の標準的な懲戒処分について定めています。

3 公務外非行関係

(中略)

(7) 窃盗・強盗

ア 他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。

イ 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した職員は、免職とする。

(8) 詐欺・恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。

窃盗という犯罪事態、免職又は停職という重い処分が標準となっています。

金額的には多くはないとしても、常習的に行われているのであれば、処分は重くなります。

まとめ

このように、コンビニのコーヒーの大きいサイズを勝手に注いでも懲戒免職となることがあります。

コンビニの商品を多く持って行ったなどでご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

こちらの記事もご覧ください。

公務員の窃盗事件-公務員が窃盗事件を起こしてしまった場合の、問題となる犯罪、懲戒処分について解説

公務員と国家賠償-公立学校の生徒が教師の不適切な指導により重い障害を負った事件を基に、公務員と国家賠償について解説

2024-04-08

【事例】

2016年に、都立高校の水泳の授業中に教諭から無理な飛び込みの指示を受け、プールの底に頭を打ち付けて重いけがをしたとして、当時3年生だった元男子生徒が東京都に損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は3億8000万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。

2016年7月、東京・江東区の都立高校で水泳の授業中に、元男子生徒は、体育教諭からデッキブラシを越えてプールに飛び込むよう指示され、頭をプールの底に打ち付けて、首の頸髄を損傷し、両手足に重度のまひが残る大けがをしました。

元男子生徒と家族は「事故は担当教諭による不適切な体育指導が原因で起きた」「18歳の男子高校生が何の落ち度もないまま、突然、夢見ていた将来を奪われた精神的な苦痛は甚大だ」と訴えて、東京都に対し、およそ4億2800万円の損害賠償を求めて裁判を起こしていました。

裁判では都に賠償義務があることは争いがなく、金額が争点となっていましたが、東京地裁はきょうの判決で3億8000万円あまりの賠償を命じました。判決後、元男子生徒は「事故からおよそ8年が過ぎ、この間に母が亡くなり、大きな支えを失ってしまいました」とコメント。そのうえで、教諭からは直接の謝罪がなく、「判決が出ても許すことはできません」などとしています。

元男子生徒に危険な飛び込みの指示をした体育教諭は、その後、業務上過失傷害の罪に問われ、2021年に東京地裁から罰金100万円の判決が言い渡されています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8067d866f3bdcfa6439c7818248d9388de352dea

3月26日火曜日13:18配信

(個人名などは修正しています)

刑罰と懲戒処分

公務員が一般市民に被害を与えた場合、犯罪に当たれば刑罰を受けます。また、非違行為として任命権者から懲戒処分を受けます。

参照:東京都教育委員会「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定」

https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/staff/personnel/duties/culpability_assessment.html

【事例】の教諭は業務上過失傷害(刑法第211条)の罪に問われ、罰金刑を科されています。

国家賠償

また、このような被害を与えれば、本来であれば被害者に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負うところです。しかしながら、公務員の行為により一般市民が損害を被った場合、それは国・公共団体の活動により損害を被ったといえ、国・公共団体が責任を負うべきともいえます。また、このような場合、被害者が損害をより確実に補填される必要があります。そこで、国家賠償法により、特別に賠償されます。

国家賠償法第1条第1項は「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」と定めています。

国家賠償法では「公権力の行使に当る公務員」と規定されていますが、私人の権利義務を一方的に変動させる権力的公務だけでなく、広く公務員の公務全般が対象になります。

「その職務を行うについて、」とは公務員の職務の遂行において生じたことを意味します。【事例】のように公立学校の教諭が授業中に起こした事件では該当することについてはあまり問題になりませんが、事案によっては「その職務を行うについて」といえるか問題となる場合があります。

警察官が、もっぱら自己の利益を図る目的で、制服を着て職務中であることを装って、被害者に不審尋問をして所持品を預かり、持っている拳銃で射殺した事件では、最高裁は「客観的に職務執行の外形をそなえる行為をしてこれによって、他人に損害を加えた場合には、国又は公共団体に損害賠償の責を負わしめ」ると判示しました(最二判昭和31年11月30日)。これにより、客観的に職務行為の外形を備える行為については、「その職務を行うについて」に該当することになります。

「違法」とは公務員が「職務上尽くすべき注意義務を尽くすことなく」行った場合をいます(最一判平成元年3月11日)。教諭は学校のプールのような到底飛び込みに適さないプールで、デッキブラシを超えてというような、愉快犯的なやり方で飛び込むよう指示をしたのですから、職務上尽くすべき注意義務を尽くしていないのは明らかでしょう。

「故意又は過失」は一般的な不法行為と同様に、過失がない場合までは責任を負わないというものです。

以上の要件を満たせば、公務員の所属する国又は公共団体が、被害者に賠償責任を負います。

国家賠償法第1条第2項では、「前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」と定めています。公務員に故意又は重大な過失があったときは、被害者に賠償した国や公共団体から、賠償額分を請求されてしまいます。

前述のように、教諭は学校のプールのような到底飛び込みに適さないプールで、デッキブラシを超えてというような、愉快犯的なやり方で飛び込むよう指示をしたのですから、重大な過失があるとされるでしょう。

まとめ

このように、公務員が公務を行うにあたり一般市民に損害を与えると、国又は公共団体が賠償責任を負いますが、故意又は重過失があれば、公務員自身が賠償額を負担しなければならなくなります。

公務員の方で他人に被害を与えてしまい心配の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

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公務員の犯罪

公務員の窃盗事件-公務員が窃盗事件を起こしてしまった場合の、問題となる犯罪、懲戒処分について解説

2024-04-01

公務員が起こす刑事事件の中で,窃盗事件が少なくありません。

プライベートで窃盗事件を起こすこともあれば,市役所や自衛隊内など職場で窃盗事件を起こすこともあります。

窃盗の態様も,仕事で保管されているお金を盗んだり,同僚の物を盗んだり,仕事で使う物を勝手に盗んだりすることなどがあります。

窃盗罪

刑法第235条は,「他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されております。

窃盗罪の保護法益は,占有です。

社会における財産的秩序は,所有権等の本権の存否自体よりも,むしろ占有が有する本権推定機能に対する信頼を基礎にしていると考え,財物の所持自体が保護されるべき対象であるとされています。

刑法第242条は,「自己の財物であっても,他人が占有し,又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは,この章の罪については,他人の財物とみなす。」とされていて,自己の財物でも他人が所持する物は窃盗罪の客体となります。

占有・所持は,人が物を事実上支配・管理する状態をいいます。

このような事実上の支配があるとするためには,主観的要素としての支配の意思と,客観的要素としての支配の事実が必要です。

窃取とは,財物の占有者の意思に反して,その占有を侵害し,自己又は第三者の占有に移すことです。

実行の着手は,他人の財物の占有を侵害する具体的危険が発生する行為を行った時点で認められます。

具体的事案において判断する場合には,対象となる財物の形状,窃取行為の態様,犯行の日時・場所等の諸般の状況が考慮されることになります。例えば、ロッカーの中のものを盗むのであれば、ロッカーを開けた段階で着手があったと判断される可能性があります。

既遂時期については,犯人が目的となる財物の他人の占有を排除して,自己又は第三者の占有に移した時点となります。

具体的事案における既遂時期の判断に当たっては,実行の着手の判断と同様に,対象となる財物の形状,窃取行為の態様,犯行の日時・場所等の諸般の状況が勘案されることになります。財布のような手に持てるものであれば、自分のポケットなどにいれた段階で既遂になります。

本罪は故意犯であり,財物の占有者の意思に反して,その占有を侵害し,自己又は第三者の占有に移すことについての認識が必要となります。

故意の他に,不法領得の意思が必要となります。

不法領得の意思とは,権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思をいいます。

経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思にいう経済的用法とは,その物の本来の用途にかなったとか,財物から生じる何らかの効用を享受するということで足ります。

利用し又は処分することも,必ずしも経済的な意義を有する必要はありません。

性的目的で下着を盗んだ場合等も,窃盗罪が成立します。一方で、嫌がらせのために隠したような場合は、不法領得の意思があったとはいえないとされます。

懲戒処分

公務員が窃盗を行った場合、刑罰だけでなく懲戒処分も受けます。

国家公務員に関する人事院の「懲戒処分の指針」によれば、「公金又は官物を窃取した職員は、免職とする。」と定めています。公務外であっても、「他人の財物を窃取した職員は、免職又は停職とする。」と定めています。

公務員が窃盗を行った場合、重い懲戒処分を受けることになります。

すぐに弁護士に相談を

窃盗罪を行ったら,逮捕される可能性があります。

現行犯で逮捕されるだけでなく,事件発生からしばらくしてから犯人が特定されて令状逮捕される可能性があります。

逮捕されたら,公務員の場合,その地位の重要性から,一般の人よりも実名報道される可能性が高いです。

職場にばれてしまい,懲戒処分を受けることになります。

窃盗の金額が大きかったり,常習的に何度もしている状況であれば,起訴されて正式裁判となる可能性もあります。

執行猶予が付いたとしても,懲役刑となれば,失職となります。

窃盗事件が起こってしまったら,すぐに弁護士に相談してください。

逮捕されたら釈放活動が必要ですし,被害者への被害弁償示談活動も必要になります。

懲戒処分や失職のリスクに対処するために,スピードを持って対応する必要があります。

事件をそのまま放置してしまったら,後で取り返しの付かない状況になってしまうことになります。

迅速な対応が必要になりますので,事件を起こしたご本人やご家族の方は,ぜひ当事務所にご連絡・ご相談してください。

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市役所職員の刑事事件-市職員の置引きのケースを基に、置引き事件の弁護活動について解説

日本の公務員に関する贈収賄罪についてー贈収賄罪の各種類型について解説

2024-03-11

公務員犯罪の代表格として,贈収賄罪があります。

ニュースでも大きく報道されております。

今回は,日本の公務員に関する贈収賄罪について解説いたします。

収賄罪(刑法第197条第1項前段)

公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

受託収賄罪(刑法第197条第1項後段)

公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときにおいて,請託を受けたときは,受託収賄罪が成立します。

請託とは,公務員がその職務に関する事項について依頼を受けてこれを承諾することをいいます。

7年以下の懲役となります。

事前収賄罪(刑法第197条第2項)

公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、事前収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

第三者供賄罪(刑法第197条の2)

公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは,第三者供賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

加重収賄罪(刑法第197条の3第1項・第2項)

公務員が収賄罪・受託収賄罪・事前収賄罪・第三者供賄罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、加重収賄罪が成立します。

公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、加重収賄罪が成立します。

1年以上の有期懲役となります。

事後収賄罪(刑法第197条の3第3項)

公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、事後収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

あっせん収賄罪(刑法第197条の4)

公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、あっせん収賄罪が成立します。

5年以下の懲役となります。

没収及び追徴(刑法第197条の5)

犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収されます。

その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴されます。

贈賄罪(刑法第198条)

上記の各種収賄罪に関する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をしたら、贈賄罪となります。

3年以下の懲役又は250万円以下の罰金となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,贈収賄罪を含めた公務員犯罪事件をこれまで多数扱ってきました。

贈収賄事件に関わってしまった方,逮捕されてしまった方のご家族は,ぜひ当事務所まで相談・依頼をしてください。

初回法律相談は無料です。

有料の初回接見についても,迅速に対応させていただきます。

特に,贈収賄を行っていないにも関わらず,警察から犯行を疑われている場合は,ぜひ早めに相談・依頼をしてください。

犯行を否定していても,警察は取調べにおいて圧力や誘導で認めさせようとしてきます。

そんな言い分は通じない,証拠はもうそろっている,反省していないのか,罪が重くなるぞ,勤務先や家族に対しても徹底的に調べ上げることになるぞ,等と言って脅してきます。

プロである警察に対して,素人の一般人が対抗するのは非常に厳しく難しいです。

当事務所は刑事弁護に精通した弁護士がそろっております。

弁護士によるサポートを受けながら,毅然として対抗していかなければなりません。

まずは無料の法律相談を早めに受けてみてください。

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公務員の犯罪と懲戒処分-公務員の失職・懲戒を回避するため、示談活動をすぐにご依頼ください

2024-01-29

最新の公務員犯罪のデータ

令和5年版犯罪白書によると、令和4年における公務員による犯罪の罪名別の検察庁新規受理人員は、総数が1万3339件、窃盗が385件、詐欺が182件、横領が73件、収賄が130件、偽造が639件、職権濫用が914件、その他刑法犯が2125件、過失運転致死傷等が7844件、特別法犯が1047件、となっております。

起訴されたのは、総数が1900件、窃盗が80件、詐欺が29件、横領が4件、収賄が25件、偽造が10件、職権濫用が3件、その他刑法犯が313件、過失運転致死傷等が933件、特別法犯が503件、となっております。

起訴の中で略式命令請求ではなく公判請求されたのは、総数が448件、窃盗が58件、詐欺が29件、横領が3件、収賄が25件、偽造が8件、職権濫用が3件、その他刑法犯が128件、過失運転致死傷等が35件、特別法犯が159件、となっております。

参照:令和5年版犯罪白書

失職・懲戒リスク

公判請求されると、ほぼ罰金刑でなく懲役・禁錮刑となります。

そうなると、執行猶予が付いたとしても、公務員は失職してしまうことになります。

出来るだけ公判請求されないように活動していかなければなりません。

また、公判請求されなくても、懲戒処分を受ける可能性があります。

懲戒の種類としては、免職、停職、減給、戒告、があります。

免職は、職員の身分を剥奪し、公務員関係から排除する処分です。

停職は、職員としての身分を保有させたまま職務に従事させない処分で、その間の給与は不支給となります。

減給は、給与から減ずるものとされます。

戒告は、その責任を確認し、及びその将来を戒めるものとされます。

人事院では、懲戒処分がより一層厳正に行われるよう、任命権者が懲戒処分に付すべきと判断した事案について、処分量定を決定するに当たっての参考に供することを目的として、懲戒処分の指針が示されております。

具体的な処分量定の決定に当たっては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとされます。

出来るだけ軽い処分となるようにしなければなりません。

刑事処分の大きさにより、経済的な損失は大きなものになってきます。

一刻も早く示談を

刑事処分や懲戒処分を軽くするためにも、示談が重要となります。

示談活動についてぜひご相談ください

そのためには、早く弁護士に相談して動いていかなければなりません。

特に被害者のいる事件では、示談活動をしていくべきです。

被害者の連絡先が分からなければ、弁護士が捜査機関を通じて問い合わせることになります。

被害者に対して誠心誠意謝罪し、被害弁償の交渉をし、示談を成立させていきます。

お金の額だけでなく、被害者が他に何を望んでいるのか、真摯に聞いていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を中心に取扱う弁護士事務所として、これまでに数多くの示談活動に取り組んできました。

公務員の方々からのご依頼も多く、公務員としての事情も熟知しております。

示談交渉に当たっては、被害者の方の心情に十分配慮しながら交渉し、示談を成立させて今後の紛争を防止できる内容の示談書を作成することになります。

迅速に動き、早期に示談を成立させ、公判請求を防いて失職を回避できた事案や懲戒処分をより軽いものにできた事案も多数あります。

示談による解決を希望する公務員の方やそのご家族の方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

0120-631-881までお電話してください。

無料の面談や有料の初回接見について丁寧にご説明させていただきます。

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公務員の懲戒処分

公務員の懲戒処分の流れ―公務員が罪を犯した場合の懲戒処分の内容や手続きの流れについて解説

公務員犯罪と懲戒-公務員が犯罪を起こしてしまった場合に受ける懲戒処分について解説

公務員の懲戒処分の流れ-公務員が罪を犯した場合の懲戒処分の内容や手続きの流れについて解説

2023-12-25

刑罰が定められている法令に違反すると、法令に定められた刑罰を科されます。一方で、公務員については、非違行為をしたとして、所属官庁から懲戒処分を下される可能性があります。ここでは、公務員の懲戒処分について解説します。

懲戒処分の根拠

公務員の懲戒について、国家公務員は国家公務員法第82条以下に、地方公務員は地方公務員法第27条以下に定められています。

国家公務員法・地方公務員法とも、懲戒事由について定めています。いずれも、①同法やこれに関係する命令・条例などに違反した場合、②職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合、③全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合、を懲戒事由としています(国家公務員法第82条第1項、地方公務員法第29条第1項)。

犯罪を犯した場合は、③全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合に該当するでしょう。

なお、国家公務員については、特別職国家公務員となるために退職出向し、再び国家公務員として採用された場合、退職出向前の非違行為に対し懲戒処分をすることが可能となっています(国家公務員法第82条第2項)。地方公務員も同様に、特別職地方公務員となるために退職出向し、再び地方公務員として採用された場合、退職出向前の非違行為に対し懲戒処分をすることが可能となっています(地方公務員法第29条第2項)。また、地方公務員が定年前再任用短時間勤務職員として採用された場合、退職前及び採用中の非違行為に対し懲戒処分をすることが可能になっています(地方公務員法第29条第3項)。

懲戒手続を行う者

国家公務員の場合、懲戒処分は任命権者が行いますが、懲戒手続は人事院が行います(国家公務員法第84条第1項・第2項)。

地方公務員の場合は、条例に定められた機関が懲戒手続を行います(地方公務員法第29条第4項)。

刑事手続との関係

公務員の場合、起訴されると、強制的に休職させられることがあります(地方公務員法第28条第2項第2号、国家公務員法第79条第2号)。休職中は仕事ができませんし、給与は支給されません(国家公務員法第80条第4項参照)。

国家公務員法では、刑事裁判が継続中の事件であっても懲戒手続を進めることができる旨定められています(国家公務員法第85条)。重大な事件で本人も認めているような事件では、判決が出る前に懲戒手続がすすめられ、懲戒処分が下されることがあります。

裁判の結果、有罪の判決を言い渡され、禁錮以上の刑に処されると、失職してしまいます(地方公務員法第28条第4項・第16条第1号、国家公務員法第条第76条・第38条第1号)。こちらは法律の規定による当然失職で、懲戒処分ではありません。

ただし、地方公務員の場合は、「条例に特別の定めがある場合」は、失職とならないことがあります。たとえば、東京都の「職員の分限に関する条例」では、「禁錮の刑に処せられた職員のうち、その刑に係る罪が過失によるものであり、かつ、その刑の執行を猶予された者については、情状により、当該職員がその職を失わないものとすることができる。」と定められています(同条例第8条第1項)。

懲戒処分の種類

懲戒処分には、戒告、減給、停職、免職があります(地方公務員法第29条第1項、国家公務員法第82条第1項)。

①免職・・・公務員の身分を失わせる処分です。

②停職・・・国家公務員の場合、停職の期間は1年以内です(国家公務員法第83条第1項)。停職中は引き続き職員としての身分を有しますが、職務には従事せず、基本的に給与は受け取れません(国家公務員法第83条第2項)。

③減給・・・国家公務員の場合、1年以下の期間で、俸給の月額の5分の1以下に相当する額を給与から減らします。

④戒告・・・戒告は、その責任を確認し、将来を戒める処分です。

非違行為が重いほど、処分は重くなります。特に、公務中や公金・官物の取り扱いに関係する非違行為はより重い処分を下されます。例えば、国家公務員の場合、公金や官物を横領した場合は、免職とするとされています。

人事院は、「懲戒処分の指針について」にて懲戒処分の指針を公表しています。

https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html

地方公共団体においても、懲戒処分の指針を定めています。

参考:東京都知事部局職員の懲戒処分についての「懲戒処分の指針」

https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/03jinji/choukaisisin.pdf

懲戒処分以外の指導

公務員が不祥事を起こしたときに、「訓告」や「厳重注意」を受けたと言われることがあります。これらは、上級監督者から部下職員に対する指導、監督上の措置として行われるもので、懲戒処分ではありません。

懲戒処分の問題

非違行為の中でも、公金官物の取り扱いに関して犯罪を行うと免職となることが多いです。重大な犯罪を行っても免職処分を下される可能性が高いです。

また、飲酒運転をした場合も免職となることが多いです。その他の交通事故でも、措置義務違反(道路交通法第117条第1項・第72条第1項前段)があればさらに重い処分となるでしょう。

また、地方公務員の場合、痴漢事件や盗撮事件などでも免職となりうるなど、国家公務員より重い処分となる傾向にあります。

公務員の懲戒処分についてはこちらもご覧ください

公務員の懲戒処分

まとめ

以上のように、公務員が犯罪を犯すと刑罰だけでなく懲戒処分を科されます。失職や免職となると、退職金が支給されないことになります。そのため、免職や失職を避けることが重要となります。

公務員の方で懲戒処分についてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

公務員の不同意わいせつ事件と弁護活動-公務員が不同意わいせつ事件を起こした場合の弁護活動について解説

2023-12-04

【事例(フィクション)】

市職員として勤務する公務員のAさんは、路上で被害者の胸をいきなり揉むという不同意わいせつ行為をしたという容疑で、警察に逮捕されました。

Aさんに前科前歴はありません。

【不同意わいせつ罪とは】

刑法176条1項では、「次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑(現在は懲役刑として扱われています。)に処する。」とされており、暴行脅迫等の事由が8つ定められています。

Aさんの容疑の内容である、胸をいきなり揉むという行為は、その行為自体が「暴行」(同項1号)とされることがありますし、また、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと」(同項5号)にも該当し得ます。

【弁護活動】

①まずは弁護士が接見といって、留置場に身体拘束されているAさんとの面会をして、事実確認や取調等の状況確認をし、取調べ対応等のアドバイスをすることが、今後の刑事処分のため重要な弁護活動です。

②Aさんは逮捕されましたが、この後勾留が決定してしまうと、10日間、さらに延長されると最長で20日間の身体拘束となります。

これに対しては、弁護士において、罪証隠滅や逃亡の可能性がないことを主張・疎明し、勾留の阻止を目指す活動(勾留の決定後であれば準抗告という勾留決定の取消しを求める不服申立て)をすることが考えられます。

③Aさんが容疑のとおり不同意わいせつ行為をしたことで間違いないのであれば、弁護士による示談交渉が非常に重要です。

交渉の結果、被害者の方に示談を受けていただければ、不起訴(起訴猶予)となり前科を回避できる可能性があります。

④Aさんは容疑のとおりの不同意わいせつ行為をしていない、いわゆる冤罪の場合は、弁護士が取調べ対応をしっかりサポートするなどしながら、まずは不起訴(嫌疑不十分)を目指します。

⑤起訴されてしまった場合、Aさんは、有罪判決となれば拘禁刑(懲役刑)となってしまいます。

Aさんが容疑を認めている場合は、弁護士は、拘禁刑(懲役刑)に執行猶予を付けて、実刑を回避することを目指し、情状に関する立証活動をします。

Aさんが冤罪の場合は、弁護士は、無罪判決の獲得のため、開示された証拠を精査して検察官の立証の穴を突くとともに、無罪であることを示す証拠があるか検討していきます。

【刑罰以外の処分等】

公務員の方は、起訴されると、休職をさせられることがあります(地方公務員法28条2項2号、国家公務員法79条2号)。

そして起訴され、有罪判決で禁錮以上の刑となれば、執行猶予が付いたとしても、失職することになります(地方公務員法28条4項・16条1号、国家公務員法76条・38条1号)。

事例の場合、不同意わいせつ罪には懲役刑という禁錮以上の刑(拘禁刑に統合されることが予定されています)しかないので、有罪判決なら失職となります。

また、公務員の方が犯罪にあたる行為をすると、刑事罰とは別に懲戒処分を受けることにもなります。

懲戒処分は、重い順に、免職、停職、減給、戒告と種類があります。

事例のような不同意わいせつ罪にあたる行為をしてしまった場合は、懲戒免職となってしまう可能性が十分考えられます。

もっとも、冤罪の場合は、嫌疑不十分の不起訴や無罪判決を得られれば、懲戒免職を避けられる可能性があります(判断者が異なるので一概には言えませんが。)。

公務員のかかわる性犯罪についてはこちらの記事もご覧ください

公務員と性犯罪

【おわりに】

不同意わいせつ罪は、起訴されれば罰金では済まない、決して軽くない事件ですから、同罪の疑いをかけられた被疑者・被告人の方は、身体拘束、刑事罰、懲戒処分等のリスクは非常に大きいといえます。

こういったリスクを回避・軽減するためには、弁護士による適切なアドバイスや活動が必要です。

実際に不同意わいせつ行為をしてしまった方も、冤罪の方も、できるだけ早めに弁護士に相談することをおすすめします。

公務員犯罪と懲戒-公務員が犯罪を起こしてしまった場合に受ける懲戒処分について解説

2023-11-30

公務員が犯罪などを行ってしまった場合、懲戒処分を受ける可能性があります。

公務員への懲戒処分は、犯罪などを行った公務員に対して、任命権者が公務員関係における秩序を維持する目的のため、公務員に科する処分です。

懲戒事由

公務員の懲戒事由は、主に以下の3つです(国家公務員法第82条第1項・地方公務員法第29条第1項参照)。

国家公務員法地方公務員法などに違反した場合

・職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合

・全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合

公務員犯罪との関係では、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」が問題となってきます。

懲戒処分の中身

懲戒処分は、免職、停職、減給、戒告があります。

免職は、職員の身分を剥奪し、公務員関係から排除する処分です。

失職することになります。

停職は、一定の期間、職員としての身分を保有させたまま職務に従事させない処分です。

その間の給与は支払われません。

減給は、一定の額を給与から減額する処分です。

経済的な不利益を受けることになります。

戒告は、その責任を確認し、将来を戒める処分です。

注意されることになり、懲戒処分を受けた事実が残ることになります。

懲戒処分を受けると、期末・勤勉手当、退職手当、昇任、昇格、昇給などにも影響します。

懲戒処分にはあたらなくても、職員の自覚と反省を促すための実務上の措置として、訓告、厳重注意、口頭注意、等が行われることがあります。

懲戒処分は、公表されることがあります。

懲戒処分の手続は、懲戒処分書と処分説明書を併せて職員に交付することになります。

懲戒処分の効力は、職員に懲戒処分書を交付したときに発生します。

具体的な懲戒処分の内容の決定

職員に懲戒事由があるときに、懲戒処分を行うか、いかなる懲戒処分を選ぶか、については任命権者・懲戒権者の裁量に任されています。

人事院では、懲戒処分がより一層厳正に行われるよう、任命権者が懲戒処分に付すべきと判断した事案について、処分量定を決定するに当たっての参考に供することを目的として、懲戒処分の指針が示されております。

具体的な処分量定の決定に当たっては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか

② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか

③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行っているか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に考慮の上判断するものとされます。

公務員犯罪と懲戒については、こちらの記事もご覧ください。

公務員の懲戒処分

おわりに

公務員が犯罪を行ってしまったらすぐにご相談ください

公務員が犯罪を行ってしまった場合、懲戒処分などによる悪影響は他の一般の人よりも大きいです。

出来るだけ不利益を小さくするために、早期に弁護士に相談しましょう。

捜査・取調べへの対応や、被害者への対応などについて、具体的にどのようにすればいいか、懇切丁寧に説明させていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで多くの公務員の方々の相談に対応し、事件を扱ってきました。

中には、事件が発覚してしまったショックで、思考停止に陥り、時間が経過するまま対応を放置するような人もいます。

時間が経てば経つほど状況は不利になっていく可能性が大きいですので、なるべく早い対応が必要になってきます。

ご本人だけの問題ではなく、ご家族にも悪影響が大きくなってしまいますので、なるべく早くご相談ください。

まずはお気軽に無料の面談に申し込んでください。

親身になってご対応させていただきます。

0120-631-881までお電話してください。

24時間365日、受け付けております。

日時を調整させていただいて、早期に面談を実施いたします。

公務員の職種と成立する犯罪の違いー公務員の職種により成立するかどうかが決まる犯罪について解説

2023-11-20

一口に公務員といっても、法律によって認められている権限が異なるなど様々な種類があります。ここでは、公務員の職種によって成立する犯罪について解説します。

公務員の種類

公務員によって成立する犯罪が異なる場合、公務員の名称ではなく認められている権限によって決められます。

特別公務員職権濫用罪、特別公務員暴行陵虐罪、特別公務員職権濫用等致死傷罪

裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、6月以上10年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第194条)。また、これらの者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、7年以下の懲役又は禁錮に処されます(刑法第195条1項)。法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、同様に処罰されます(刑法第195条2項)。

これらの罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法第196条)。

これらの罪の主体は、公務員全般ではなく、裁判官、検察官、検察事務官、警察官、のほか、裁判所書記官などに限られます。

これらの公務員は刑事司法に関して職務上逮捕等により人を拘束する権限を有しています。このような職権を濫用することは害悪が甚大であるため、逮捕監禁罪(刑法第220条。3月以上7年以下の懲役)よりも刑罰が重くなっています。

税関職員によるあへん煙輸入等罪

税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を購入し、又はこれらの輸入を許したときは、1年以上10年以下の懲役に処されます(刑法第138条)。

この「税関職員」は、税関において勤務する職員のすべてを差すのではなく、税関において輸入に関する事務に従事する公務員であると解されています。

虚偽診断書等作成罪、秘密漏示罪

医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡診断書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処されます(刑法第160条)。また、医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を洩らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されます(刑法第134条第1項)。

国公立病院の医師は、公務員にあたりますが、公務員であっても他の資格で業務に従事する者は、各法令により処罰されます。

なお、秘密漏示については、公務員であればそもそも公務員としての守秘義務を負っています(国家公務員法第100条第1項、地方公務員法第34条第1項)。これらに違反すると、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処され(国家公務員法第109条第12号、地方公務員法第60条第2号)、秘密漏示罪より重く処罰されます。そのため、秘密漏示罪ではなくこれらの罪により処罰されることになります。。

身分のない者による共犯

以上に述べたような公務員でないからといって、全く犯罪が成立しないとはいえません。

刑法第65条は、「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。」と定められています。法律上定められた公務員の職種でなくても、実行行為を分担したとか、分け前に預かったような場合、共犯者となり、定められた身分を持つ者と同様に処罰されます。

公務員の身分によって成立する犯罪については、こちらもご覧ください

汚職の罪

まとめ

以上のように、公務員の職種によって、成立する犯罪が異なることがあります。ご自身の行った行為が犯罪にあたるかどうか不安の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。

公務員犯罪と自首-自首とは、自首の流れ、自首のメリット・デメリット、公務員が自主をする際の注意

2023-11-13

公務員が犯罪を行ってしまったら、逮捕され、実名報道され、勤務先に知られて懲戒免職等になってしまう可能性があります。

公務員の方に対して大きな不利益を及ぼす可能性があるため、特に慎重な判断と対応が必要になります。

そこで、状況次第では、これらのリスクを減らすため、自首を検討することになります。

自首とは

刑法第42条第1項では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定されております。

自首は、犯人が捜査機関に自発的に自己の犯罪事実を申告し、その訴追を含む処分を求めることをいいます。

任意的な刑の減軽事由とされており、必ず減軽されることにはなりません。

自首で刑が減軽される理由は、犯罪の捜査や犯人の処罰を容易にさせ、人の改悛・反省による非難・責任の減少にあります。

自首の要件

自首は、捜査機関に対する犯罪事実の申告を内容としますが、これを自ら進んで自発的に行う必要があります。

申告の動機としては、必ずしも反省悔悟に出たものであることを要しません。

申告の内容としては、自己の犯罪事実の申告でなければなりません。

他人の犯罪事実について申告した場合は、その事実が自己の犯罪事実と密接な関係にあったため自己も訴追を受ける結果となっても、自首とはなりません。

その申告は、自己の刑責を軽くするために、犯行の重要部分を殊更隠したり、虚偽の事実を申告するものであってはなりません。

自首が成立するためには、一罪を構成する事実全体についての申告がなされなければなりません。

申告には、自己の訴追を含む処分を求める趣旨が明示的又は黙示的に含まれていることを要します。

捜査機関に対する申告であることが必要です。

自首は、書面又は口頭でしなければなりません。

口頭による場合、犯人自身により検察官又は司法警察員の面前で犯罪事実の申告がされなければなりません。

電話による自首は、これが直ちに口頭による自首となるものではありませんが、直ちに司法警察員の面前に出頭しようとしている場合は、全体として自首とみることができます。

捜査機関に発覚する前の申告であることが必要です。

発覚とは、犯罪事実及び犯人の発覚をいいます。

犯罪事実が全く発覚していない場合はもちろん、犯罪事実は発覚していても犯人が誰であるかが発覚していない場合も、発覚する前に含まれます。

自首のメリット・デメリット

自首は刑の任意的・裁量的減軽事由です。

自首をした者に対してその刑を減軽するかどうかは、裁判所の自由裁量に属することから、事件の性質、自首の態様その他諸般の情状を考慮してその要否及び程度を決定することになります。

自首によって裁判では刑が減軽されない可能性があります。

しかし、自首をすることによって、証拠隠滅や逃亡のおそれを低くし、逮捕の可能性が小さくなる可能性があります。

逮捕されないことで、実名報道されるリスクも減ります。

反省の態度を示しながら、捜査に協力することを示すことで、むやみに勤務先に知られるリスクも低くなる可能性があります。

一方で、自首をすることで、知られていない犯罪事実を捜査機関に伝えることになります。

そうすることで、結局逮捕され、実名報道され、勤務先にも知られて懲戒免職等になってしまうことももちろんあります。

自首をするかしないか、するとすれば具体的にどのような手順で進めるべきか、高度な判断が求められます。

公務員の方が自首をする際の注意点

上記の通り、自首をするかどうかは高度な判断が求められますが、公務員の場合、特に公務外の非行行為については、職場に知られないようにし、かつ仕事に影響を与えないようにするために、自首するメリットが大きいと言えます。

一方、職場内や同僚の職員相手に犯罪を行うなど一般服務関係上の非行行為を行った場合、まず職場内で事実関係を把握し、懲戒処分を行うことになります。いきなり捜査機関に自首をするのであれば、勤務先や被害者を蔑ろにするものであり、却って状況を悪化させかねません。特に職場内で罪を犯したのであれば、まず捜査機関から職場に問い合わせが行われるため、ますます職場との関係を悪化させかねません。職場内で起こした犯罪であれば、いきなり警察に自首するのではなく、まず上司に相談して、対応を検討してもらうのがよい場合もあります。

公務員が職場内で罪を犯した場合についてはこちらもご覧ください。

まとめ

当事務所では、公務員の方も含めて、自首を実施して逮捕や勤務先に知られることを避けられた実績が数多くあります。

自首を実施することになったら、弁護士が警察署に電話をし、一緒に警察署へ行くことになります。

一方で、いきなり自首するのではなく、職場と今後の処分等について丁寧に交渉し、外部に報道されるようなこともなく穏便に解決できたケースもあります。

自首が必要な事件では早めの対応が必要になるかもしれませんので、ぜひ当事務所にご相談ください。

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